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日本初の同時通訳(その2)

2017年06月19日 | 通訳研究

前回、『通譯・ガイド手引きと心得』における大谷敏治の証言を取り上げたが、そこに出てくる米国教育使節団の来日とその報告書は、戦後日本の教育界では非常に重要なものであったらしい。鈴木栄一(1983)『日本占領と教育改革』(勁草書房)、久保義三(1984)『対日占領政策と戦後教育改革』(三省堂)、土持ゲーリー法一(1991)『米国教育使節団第の研究』(玉川大学出版部)といった本格的な研究書も出ている。この中で、久保義三の本の中に、アメリカ教育使節団の詳細な活動日程表がある。それによると大谷の言う「総会」は都合9回開かれている。しかしいずれの本にも通訳についての記述はなく、同時通訳が何回目の総会に使われたのかはわからない。ただし、1回目と9回目だけは除外できる。1回目については、大谷が「第何回かの総会」と言っているし、9回目は京都で行われているからである。従って大谷が「同時通訳」したという総会は1946年3月8日、9日、12日、13日、14日のいずれかということになる。(8日と9日は午前と午後に2回ずつ開かれている。)場所は華族会館だったという。

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