■新年の挨拶は失礼させていただきますが、今朝はくっきりと山並みが見え、空には飛行船が浮かぶという、なかなかいいお正月の風景でした。
さて、今度の論文に中野好夫訳『闇の奥』(岩波文庫)の訳文をちょっと引用した。別に誤訳とかそういう文脈ではないが、原文と比較してみてひでえなと思った。(文庫のあとがきに「誰か改訳してくれ」などと書いてあるのにもあきれたが。)他に訳が出ていないか調べてみたら徳永茂さんという方の訳が2006年に出ている。(他にも電子ブックにあるようだ。)徳永さんはブログもやっていて、改訳の動機について書いている。いろいろあるようだが、その一つは中野訳が「語学的に疎漏」ではないかというものだった。岩波文庫の編集者の話も出てきて、その権威主義には驚かされる。中野は河盛好蔵 編『翻訳文學』(角川書店)にもまったくいただけない「翻訳論ノート」を書いていて、一体これは何だろうと思っていたが、Wikipediaによると東京帝国大学と東京大学で教鞭を執った「英米文学翻訳者の泰斗」らしい。まあ、日本の英文学の問題点と水準については齊藤一『帝国日本の英文学』(人文書院)や宮崎芳三『太平洋戦争と英文学者』(研究社出版)が参考になるので見ておくといいと思う。










