この時季の自然の移ろいは足が早い。
坂道のスイカヅラの花がめっきり減って、代わりにテイカカズラの花が目立つようになった。
リス坂にヤマザクラの巨木があることをこれまで気づかなかった。あまりに木が高すぎて、幹の脇を往来しながら花が目にはいらなかったのかもしれない。
中学校の傍に下る坂を降り、民家の庭のホタルブクロを観賞しながら川に出て橋を渡る。
淵では、小ガモが二羽、追いかけっこをしていた。
目にも止まらぬ速さで飛翔するカワセミを追跡するのは、いつもながら難しい。
平瀬の先にカワウが孤影を水面に映して佇んでいた。
チガヤの穂並みは伸びて、爽やかに
そよいでいる。
自宅近くの橋まで来ると、川中に密生する葦が人の肩の高さほどに伸びていた。
散歩道は、夏の装いを纏い始めた。