山歩きメモ~松本移住編

Life in Kamikochi, Matsumoto and Tokyo

石の来歴

2017-05-05 | 上高地 2017


梓川のほとりは全く読書に向いていない。仰向けになることがあまりに気持ちのいい場所だから。眠りを妨げるのは時折やってくるジョウビタキ、アカゲラ、遠くキツツキのドラミング。それから、間違ってもサルの落とし物の上に寝てはいけない。

石というのはどうしてこうも思い思いの場所にじっとしているのだろう。立っている者、座っている者、半分埋まっている者。中には梓川の川底の石と同じ白いきらきらした石のかたまりもある。こいつが転がって、砕けて、夢のような七色の川を映し出すカンバスになるのか。

一つ一つの石には来歴がある。何十年、何百年、何千年の旅の末にそこにいて、小さな影や隠れ家をつくって水を集め、生き物を養っている。槍から、穂高から、六百から、焼から。あるいはもっと遠くの星から。旅の始まりがどこだったか、石が覚えていたら随分永い話になりそうだ。

めったなことでは石は動けない。近所の顔見知りとの一通りの自己紹介や天気の話しに飽きた石たちは、あたらしい出会いを待っているに違いない。信じられないほど気長に。




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