空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「抑圧」「弾圧」とかぎかっこなしの弾圧―各紙の見解が透けて見える例

2017-06-19 17:13:03 | Weblog
産経新聞 国連利用に聴衆冷ややか 人権理事会で「抑圧」アピールの山城博治被告 2017.6.18 00:18

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設の抗議行動で傷害などの罪で起訴された山城博治被告(64)が、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で2日間にわたり「日本政府が人権侵害を止めるよう求める」と主張した

 まあ、それなりに権力を行使されている状況はそのとおりだろうが、マズイのは2ページ目

山城被告らが防衛省沖縄防衛局の職員に暴力を振るう場面の動画に関する質問が飛び出すと、山城被告は「私は日本一のテロリストのように喧(けん)伝(でん)されている」とはぐらかした

 だろうか。いかに軽妙なギャグとしてあつかおうとしても、「日本一のテロリスト」とやらに対する弾圧が、たまに逮捕して事情聴取してそのうち解放する程度、ということになる。

沖縄タイムスの記者も登壇し、同紙と琉球新報の地元2紙が「政府から言葉による攻撃を受けている」などと主張した

 というのも、うんでも無事に出国できてるし…なんて話になりかねない。
 継続的に見守って、できれば改善するように持って行きたいところだが、しかし喫緊の話は他に多数あるよなあ、という扱いにならざるをえないのではないか、とは思われる。

 …というか、「被告」なのか。十分な意見発表の機会を保障されているあたり、まあ、なあ…という評価もありえる。

沖縄タイムス 山城博治議長が国連人権理で演説「日本政府が沖縄の市民弾圧」 2017年6月16日 05:30

山城議長は米軍北部訓練場での抗議活動で昨年10月、有刺鉄線を切断した器物損壊容疑で逮捕後、約5カ月間勾留され、公判中。演説でも、長期勾留中に家族とも会うことを許されず「自供と抗議運動からの離脱を迫られた」

 微罪というにはちっと重めだが、5ヶ月勾留に値するか、といわれると不釣合いかなあと言わざるを得ない、という共感は得られよう。

日本政府が沖縄の軍事化に反対する市民を大規模な警察力で「弾圧し、暴力的に排除している」と訴えた。自らの長期拘束について「当局による明らかな人権侵害だ」と主張した

毎日新聞 「政府は沖縄弾圧」 山城議長演説 毎日新聞2017年6月16日 西部朝刊

 概要を伝える冒頭部分は「日本政府が沖縄の軍事化に反対する市民を大規模な警察力で「弾圧し、暴力的に排除している」と訴えた。自らの長期拘束について「当局による明らかな人権侵害だ」と主張した」などとあり、沖縄タイムスと同文。

琉球新報 「政府、沖縄で人権侵害」 山城氏、国連で声明発表 2017年6月16日 06:30

山城氏は16日にはジュネーブの国連ビルで開かれるシンポジウムにも参加する予定

 だいぶ、行動の自由があるなあと言う点については:

東京新聞 沖縄弾圧は「人権侵害」 基地抗議活動 山城議長が国連演説 2017年6月16日 朝刊

 興味深い記載があり―

山城さんは市民運動のリーダー的な存在。米軍キャンプ・シュワブのゲート前にブロックを積み工事車両の進行を妨害した容疑などで逮捕され、公判中。国連人権理では非政府組織(NGO)が意見表明できるため、裁判所で旅行許可の手続きを取ってジュネーブ入り

 きちんと手続きを踏めば、日本国は「日本一のテロリスト」にも行動の自由を一定程度認めるのである。その思想、見解を国際的に公表する機会をも。

 いや確かにそのための旅費やなんかを潤沢に出してくれるというわけでもないだろうが、その”独自見解”を―裁判中である―開陳することを妨げない。

 つうか、本気で微罪逮捕で長期勾留というなら、本質は思想犯だということを示唆するだろう。逮捕された人の属性からいっても。にも拘らず、その意見表明の機会を認めるあたり、どうも弾圧だのなんだのという言葉と齟齬がある。

私は抗議活動の最中、微罪で逮捕され、その後、二回さかのぼって逮捕されました。勾留は五カ月間にも及びました

 このあたり、別件逮捕だのというイヤ気な単語を思い起こしそうでイヤだが。
 しかし、まさしくその別件逮捕をしていたのだとしても、それは一定の手続きに従ったそこそこ抑制的なものではないか、と推測を許す表現である―「国連人権理では非政府組織(NGO)が意見表明できるため、裁判所で旅行許可の手続きを取ってジュネーブ入り」。いやむしろ、「日本一のテロリスト」みたいなテロリストの首魁は深く深く刑務所に沈めて表に出すな、といいたくなるが、しかしその「日本一のテロリスト」の犯罪行為は有刺鉄線を切ったのなんだの、という、まあ微罪かなあというものであり、なんつーか日本って平和で安全な国? ってか、これだけ安全なのなら、わざわざ共謀罪法制だとか、必要なくね? とか、そんなふうに思えてしまえそう。

 なお、直接の比較は出来ないものの、国家によるガチ人権侵害事例で最近「なんぼなんでも、それどーよ」ということで有名な例:「Otto Warmbier事件メモ」「Otto Warmbier事件メモ(2)
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