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ホンダ神話2 合従連衡の狭間で

2007-06-20 18:24:49 | 経済
ホンダ神話 2 (2)

文藝春秋

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ホンダ神話2 合従連衡の狭間で 文集文庫 著:佐藤正明

以前、アマゾンのユーズドで『ホンダ神話』を1円で購入した関係で、新たに『ホンダ神話』以降の12年間を書き足した『ホンダ神話2 合従連衡の狭間で』の案内が届いた。
先の、『ホンダ神話』以降、自動車業界は激変しGMもトヨタの軍門に下ったのは周知の通りで、その経過を書いた本書を無性に読みたくなってさっそく購入。

ホンダの仕事のやり方というのは、本田宗一郎氏が作り出したものではなく、藤沢武夫氏が作り上げたものだというのは『ホンダ神話』で知った事実で、創業者である二人が亡くなってからホンダは迷走を続けたことは『ホンダ神話』で詳細に書かれている。
今回の『ホンダ神話2 合従連衡の狭間で』に関しても『ホンダ神話』と同じく、第一章 ヘッドハンティング として、入交昭一郎氏の幻のGM入りの話が最初にでてくる。
この内容は、前回の著と同じ内容なのだが、役員を辞めた場合、他の企業(自動車関連以外に関しても)への転進は許されないホンダの決まり事について、硬直性を感じずにはいられない。
総じて言えることは、ホンダという会社が一般的に思われている、先進的な企業ではなく、トヨタ以上に石橋を叩いて渡る企業へ内実は変わっているという現実を垣間見ることができるのが、この本の特徴だと思う。

入交昭一郎氏は、社長レース時に、この会社には小さなヒーローがたくさん必要だと感じ、川本信彦氏はヒーローは本田宗一郎氏だけでいいと感じ、社長レースの結果は川本氏が社長に就任し、入交氏は闇融資にまつわる話で役員から外れた。
ヒーローは、本田宗一郎氏だけでいいという考え方の結果、宗一郎氏以外が表に出ることは必要ではなく宗一郎氏が鬼籍に入って15年も経つとホンダという会社の顔が見えなくなってきている事は事実だろう。
それに、較べてトヨタは積極果敢に攻めて攻めてGMを追い越すまでになった。
そのトヨタを止めるのは世界中でホンダのみしか存在しないともこの本には書かれている。
ホンダが環境技術でトヨタに遅れたのは事実だが、トヨタとは違った切り口で巻き返しをはかっていくのは確かだ。
この本において、打倒「トヨタ」の気概がホンダにあるかが決め手だとも書かれいるが、個人的には身内にホンダの研究員がいるてまえ感じる事として、彼らは相当、気概を持って打倒「トヨタ」に燃えていると感じられる。
結局、この手の話は現場ではなく経営者が打倒する気があるかないかの話であろう。

最後に、入交昭一郎氏の近況について書かれているが、その近況は喜々としていてホンダの歴代の社長さんより輝いているようにも見える。
その話を読んで心が晴れ晴れするのは私だけなんでしょうか。
またマスメディアに出てこない熾烈な世界の自動車メーカーの再編劇を垣間見る事ができることだけでも読む価値はあるでしょう。


2 コメント

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こんにちは (memaido)
2007-06-20 21:05:04
はじめまして、楽しく拝見させていただきました。
またちょくちょく拝見させていただきます。
よろしくお願いします (yagamania)
2007-06-21 22:01:52
memaido さん
書き込みありがとうございます。
お気に召す内容を書くことができるかわかりませんが、また遊びに来て下さい。
では。