彼は涼しい顔でこちらを見つめていた。
深い碧い瞳は鋭さと強さを兼ね備えている。
品の良い引き締まった口元、サラサラの銀髪。
女性のような綺麗な顔は鍛え抜かれた体に少しアンバランスさを感じさせる。
恐らく、彼を一目見た者はその容姿を忘れることはないだろうな。
それくらい、惹きつけられるオーラを彼は放っていた。
「王妃様、これが先程おっしゃられた娘ですか?」
「ええ、そうよ。可愛いでしょ?」
ニッコリと微笑む王妃様。
この部屋に張りつめる空気を全く感じないかのように、話を続けた。
「沙羅、紹介するわね、この冷た~~い物言いをするのは、静 涼河。魔法の属性は「水」よ」
「あ・・あの、よろしくお願いします」
慌てて挨拶すると、彼はちらっとこちらに視線を向けたものの興味なさそうにまた視線を外した。
やっぱり・・外見だけで、嫌なヤツ!
心の中で悪態をつく間にも、王妃様の紹介は続く。
「で、こっちの赤毛の子が 暁 飛龍。魔法の属性は「火」よ。この子はハート泥棒だから、気を付けてね」
「お、王妃様!それはないでしょ!?普通に紹介して下さいよ!」
そう言って王妃様に詰め寄る男性ー飛龍さんは、燃えるような赤い髪を短く刈り上げてツンツンと立たせた髪型をしている。
その容姿からしても一目で、火を使う魔法使いだと分かるわ。
涼河さんとは違い、男っぽいというか・・ガツガツした感じ・・かな?
「よろしくな、ええっ~~と、沙羅だっけ?」
「あ、はい!よろしくお願いします!」
あ、でも。
優しそうな人だ。良かった。
「さぁさぁ、それからこちらの美女は、舞 紫乃。属性は「風」。女同士なんだし悩み事は紫乃に相談するといいわ」
最後に紹介してくれた紫乃さんは、とても綺麗な人だった。
腰まで伸びる亜麻色の髪、切れ長の瞼の奥にある紫の瞳。
ただ、親しみやすいというよりは、クールな印象がある。
「沙羅です。よろしくお願いします」
「先に言っておくわ。これは遊びじゃない、自分のことは自分で解決しなさいね。それが出来ないなら初めからお断りよ、足手まどいなだけだから」
・・・・・うぅ・・やっぱり。
見た目通り、怖い人なのかなぁ・・・
「こらこら、紫乃。初めからビビらせてどうするの?お願いだから助けてあげて・・ね?」
「・・・・王妃様の命令なら、従います」
紫乃さんはそう答えると、あとは涼河さん同様、興味がなさそうにそっぽを向いた。
わたし・・この中に居て平気かしら?
不安がさらに増したんですけど。
「沙羅の弟たちは心配しないでね、あなた達が帰ってくるまで、王宮で預かりますから。ちゃんと勉強もさせるし、健康管理もするわ、どう?安心でしょ?」
「はぁ・・ありがとうございます」
「それから、学校のことも心配いらないわよ。うまく手配するから」
「はい。それで、あの明紗ちゃんは・・・」
わたしが王妃様に尋ねようとしたところで、紫乃さんがそれを遮った。
「アンタ、姫様に対してその呼び方はなに?失礼でしょ?」
え・・??姫様??
「ああ、沙羅は知らないのよ、だって私の事も知らなかったんだもの」
クスクス、と笑う王妃様の背後から突き刺す3つの視線が痛い・・・。
「明紗は私の娘。つまり、姫よ」
「ええっ!! え~と、あれ?でも確かお姫様って確か今年18歳って聞いたような・・」
学校で噂だったもの。
お姫様はとても綺麗な人だけど、少し変わっていてお嫁に行かないって・・・
「そうよ、明紗は18歳よ」
「??? え、でも、あれはどう見ても、5,6歳だったような・・」
「ああ、あれね。あれは明紗の術よ。あの子は自分の年齢を自由自在に変えれるのよ、きっとカムフラージュに子供の姿をしていたのね」
ああ、なんだ。
そうだったのか・・・って!!ええっ!!
とっても大変なことに巻き込まれている・・。
この時は、ただそんな風に感じていた。
目次に戻る
NEXT
深い碧い瞳は鋭さと強さを兼ね備えている。
品の良い引き締まった口元、サラサラの銀髪。
女性のような綺麗な顔は鍛え抜かれた体に少しアンバランスさを感じさせる。
恐らく、彼を一目見た者はその容姿を忘れることはないだろうな。
それくらい、惹きつけられるオーラを彼は放っていた。
「王妃様、これが先程おっしゃられた娘ですか?」
「ええ、そうよ。可愛いでしょ?」
ニッコリと微笑む王妃様。
この部屋に張りつめる空気を全く感じないかのように、話を続けた。
「沙羅、紹介するわね、この冷た~~い物言いをするのは、静 涼河。魔法の属性は「水」よ」
「あ・・あの、よろしくお願いします」
慌てて挨拶すると、彼はちらっとこちらに視線を向けたものの興味なさそうにまた視線を外した。
やっぱり・・外見だけで、嫌なヤツ!
心の中で悪態をつく間にも、王妃様の紹介は続く。
「で、こっちの赤毛の子が 暁 飛龍。魔法の属性は「火」よ。この子はハート泥棒だから、気を付けてね」
「お、王妃様!それはないでしょ!?普通に紹介して下さいよ!」
そう言って王妃様に詰め寄る男性ー飛龍さんは、燃えるような赤い髪を短く刈り上げてツンツンと立たせた髪型をしている。
その容姿からしても一目で、火を使う魔法使いだと分かるわ。
涼河さんとは違い、男っぽいというか・・ガツガツした感じ・・かな?
「よろしくな、ええっ~~と、沙羅だっけ?」
「あ、はい!よろしくお願いします!」
あ、でも。
優しそうな人だ。良かった。
「さぁさぁ、それからこちらの美女は、舞 紫乃。属性は「風」。女同士なんだし悩み事は紫乃に相談するといいわ」
最後に紹介してくれた紫乃さんは、とても綺麗な人だった。
腰まで伸びる亜麻色の髪、切れ長の瞼の奥にある紫の瞳。
ただ、親しみやすいというよりは、クールな印象がある。
「沙羅です。よろしくお願いします」
「先に言っておくわ。これは遊びじゃない、自分のことは自分で解決しなさいね。それが出来ないなら初めからお断りよ、足手まどいなだけだから」
・・・・・うぅ・・やっぱり。
見た目通り、怖い人なのかなぁ・・・
「こらこら、紫乃。初めからビビらせてどうするの?お願いだから助けてあげて・・ね?」
「・・・・王妃様の命令なら、従います」
紫乃さんはそう答えると、あとは涼河さん同様、興味がなさそうにそっぽを向いた。
わたし・・この中に居て平気かしら?
不安がさらに増したんですけど。
「沙羅の弟たちは心配しないでね、あなた達が帰ってくるまで、王宮で預かりますから。ちゃんと勉強もさせるし、健康管理もするわ、どう?安心でしょ?」
「はぁ・・ありがとうございます」
「それから、学校のことも心配いらないわよ。うまく手配するから」
「はい。それで、あの明紗ちゃんは・・・」
わたしが王妃様に尋ねようとしたところで、紫乃さんがそれを遮った。
「アンタ、姫様に対してその呼び方はなに?失礼でしょ?」
え・・??姫様??
「ああ、沙羅は知らないのよ、だって私の事も知らなかったんだもの」
クスクス、と笑う王妃様の背後から突き刺す3つの視線が痛い・・・。
「明紗は私の娘。つまり、姫よ」
「ええっ!! え~と、あれ?でも確かお姫様って確か今年18歳って聞いたような・・」
学校で噂だったもの。
お姫様はとても綺麗な人だけど、少し変わっていてお嫁に行かないって・・・
「そうよ、明紗は18歳よ」
「??? え、でも、あれはどう見ても、5,6歳だったような・・」
「ああ、あれね。あれは明紗の術よ。あの子は自分の年齢を自由自在に変えれるのよ、きっとカムフラージュに子供の姿をしていたのね」
ああ、なんだ。
そうだったのか・・・って!!ええっ!!
とっても大変なことに巻き込まれている・・。
この時は、ただそんな風に感じていた。
目次に戻る
NEXT
指輪物語を思い出した
しかし、年齢を操れるってのでちょっとホッとした……だって、でないとロリコンって言うより犯罪
個人的には紫乃様が好き
指輪物語かぁ!
ちゃんと読んだこと無いけど、あれもRPG風だったかな?
はい、明紗ちゃんは年齢を操れるのでした~
あはは!犯罪!
初登場でロリコン疑惑。。羅新がんばれ~!笑