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模倣の殺意/中町信

2013-08-21 15:44:41 | 日記
裏表紙の解説に惹かれて購入。

じっくり腰を据えて読みすすんでいくと、やがて、どうみても中町氏の書き誤りではないかと考えざるを得ない結論に達するのだが、ラストではそれが作者の仕掛けたワナだったことを知らされる。

裏表紙 鮎川哲也 より引用

筆者の書き誤りとまで書くか。よし、ならば読んでみようとミステリー魂に火がつきました。

以下ネタバレ。

それは見破れない、さすがに見破れないよ中町さん。だって同姓同名の同業者がいるなんて、普通思わないでしょ?というか、そういうのって少し反則な気がする。同姓同名の人が二人も揃えば大いにトリックも仕掛けられる。なんだか納得いかない。

第四部 真相にて、"あなたは、このあと待ち受ける意外な結末の予想がつきますか。ここで一度、本を閉じて、結末を予想してみてください。"と書かれていたので、実行してみました。確かに矛盾点や疑問点は存在するんですけど、やっぱりこれだけでは坂井正夫が二人存在するなんて分からないな~。

良かったのは、津久見が追っていた坂井正夫を殺したのが中田秋子だったこと。このオチはなかなか良い。まさか中田秋子が犯人だなんて思わないし、タイトル『中田秋子女史に捧げるー 七月七日午後七時の死』というのにもぴったりだ。粋な殺し方に唸ってしまう。

欲を言うならば、密室トリックをもう少し深く掘ってほしかった。あまりにもあっけなく密室殺人をやり遂げてしまったことが残念。

ところで、律子は結局坂井正夫を殺したのでしょうか?真佐子からの手紙では律子が殺害したように書かれていますが、遺書まで送ってきておいて、殺す必要はあったのでしょうか?

本筋とはずれますが、些か話がややこしいかと。そもそも坂井正夫が二人存在するので、当たり前のように複雑になるのは分かるのですが。登場人物も多いし、それぞれに全く別の理由や事情を抱えているので余計に混乱します。

中町氏が仕掛けた渾身のトリック、か。うーん、良く練られた作品だと思いますが、やはり我孫子武丸さんの『殺戮にいたる病』には勝てないと思ってしまいます。『殺戮にいたる病』を超えるトリックは現れるのでしょうか?
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