人脈は一日にしてならず

水戸発・異業種交流会『一会倶楽部』主宰者。現在正会員数67名。月例会は連続継続250回超え、21年目。

初めて何かをやることが好き

2016年06月09日 | 金原PR企画研究所

40年以上前の話になりますが、私は東京の弱小広告代理店の企画営業をしていました。

その当時は、外注デザイナーとの打ち合わせに青山、原宿、赤坂、六本木、銀座など、いわゆるその道の人たちが好む場所に彼らのオフィスがあった関係で行くことが頻繁でした。

乃木坂もそのひとつでした。乃木神社をそばに控えるこの地下鉄の駅は、当時利用客も少なく、乗降客の顔ぶれは田舎育ちの私には、ハイソサエティな方々に見えました。そんな理由から、その中に紛れて利用する私もひととき上流の仲間入りをしたような錯覚がして好きな駅のひとつでした。

3番出口を出ると、外苑東通りが開ける乃木神社の対面に、島状に細長い土地があり、そこに突如として屹立しているように見えたロココ調の、私から言わせれば、悪趣味のブルジョアが金にまかせて建てたとしか思えないような6階建ての建物がありました。それが、かの有名なブライダルハウスです。

ブライダルファッションデザイナーのYKさんは、1964年に当時の日本人が誰も手をつけようとしなかった結婚式の洋装に着目して、日本初のブライダル専門店を創業しました。結婚式での洋装の使用率が3%で、残りは着物という時代に、そもそも初めて何かをやることが好きという性格が“わざわい”して、日本の花嫁を何とかしたいという使命感からの出発だったそうです。

爾来半世紀、ずっと、ブライダルにおける「あなたらしさ」を叫び続け、トータルでブライダルをコーディネートすることに奔走しました。そして今や業界では並ぶ者のいない、押しも押されもしない文字通りの第一人者となったのです。

その講演会が、私が当時所属していた団体の例会で聴けるということで、その前日のパーティの疲れをおして参加しました。

目前に現れたのは、例のターバン姿の女史でした。

私が素直に疑問に思ったのは、素晴らしいファッションデザインを世に送り出しているご本人が、このターバンと“時代遅れの肩パット”の入った婦人服を、トレードマークとはいえ未だに着用している事実でした。このことに非常な違和感を覚えたものです。

彼女の講演の持ち時間は1時間でしたが、その時間を過ぎてもお話しは一向に終わる気配がありませんでした。その原因は、失礼な言い方をすると年寄り特有の現象で、話の途中で次々に違う事を思い出し、次々に話が転換していく、そのことにありました。

1時間以上を過ぎると、今度は疲れが出てきたのか、徐々に声が小さくなって行きました。そしてとりとめの無い“まとめ”で終わる頃には、遠方から参加した私の帰りの電車が既にタイムリミットで、ホテルがせっかく用意した懇親会のブフェの内容すらも確認することもなく帰って来ざるを得ませんでした。

タイムキーパーの役割をする秘書はいなかったのか?こんな事態を事務局は予想出来なかったのか?勇気を振り絞って「時間です」と耳打ちすることは失礼にあたったのだろうか?いろいろな疑問が空腹の帰りの電車の中で浮かびました。

帰り際、目に入った事務局員のデスクの上に放置されたレジュメの表紙には、「今後は時間が来たことをチンで知らせるべき?」との誰かの走り書きがされていました。

これは作り話では無く本当のことです。

しかしそんな中にあっても、「日本のウェディングが一番美しいと言われるようになりたい」「西洋の物真似はうまいが、独自の発信が下手な日本人は、これからは自信を持って発信していくべき」という年齢を感じさせない彼女の情熱と、先駆者らしいその言葉が、ずしりと心に残り、空腹はそれで満たされるに充分でした。

そんな彼女の講演会は、私がその後人前で話す場合のいいお手本となりました。

昨日は、私が長年あたためてきたテーマを、バックアップ、サポートしてくださる代表とともに、共感し集まってくださった方々にプレゼンテーションする機会が与えられました。このアイデアは、タマゴであれば既に10年以上前からあって、それがやっと日の目を見たというのが現状です。

昨年の中旬に一つのカタチの提示がなされ、様々な協議と、二度の集客イベントを経てやっと昨日に辿り着いたというところでした。

まさに、今も試行錯誤の繰り返しですが、「初めて何かをやることが好き」というのは、失礼ながら、前述のターバン女史に勝るとも劣らないところだと自負しつつ、これからのある意味無限とも言える広がりに向かって邁進し続けているのです。

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