私の故郷、茨城県高萩市の花貫渓谷にある吊り橋。名馬里ヶ淵の流れに架かる「汐見滝橋」です。(2009/07/07写メ)
明日で大震災発生から丸2ヶ月になります。地震の当日はこの吊り橋も相当に揺れたのではないでしょうか。そもそもちゃんと架かっているのでしょうか、心配です。
少なくなったとはいえ、まだまだ毎日余震の続く中、ある「結婚相談所」では前年対比の成約率が約20%もアップしているのだそうです。同じような現象は阪神大震災の時にもあったそうで、どうしてこんな大変な時期にカップルになる人が増えたのでしょうか?
以前にも紹介した「吊り橋現象」を再び振り返ってみましょう。
1974年カナダのダットンとアロンズという心理学者が協同で行った実験は、バンクーバーの「カピラノ峡谷吊り橋」という所で、18歳から35歳までの独身男性を対象に行われました。
まず、男性には深い渓谷にかかった「揺れる」吊り橋を渡ってもらう。そして、橋の中央にいる女性が突然「アンケート調査です」と話しかける。アンケートの終了後、女性は「協力してくれてありがとう」と電話番号入りの名刺を男性に渡すという手順でした。
さらに、この実験を、今度は「揺れない」橋の上でも行ったそうです。
そして後日、女性に男性から電話がかかってきた確率を調べると、揺れない橋よりも「グラグラ揺れる吊り橋」で出会った女性に電話してきた男性が圧倒的に多く、その中にはなんと口説き始める人もいたといいます。
これは、”錯誤帰属”と呼ばれる現象で、生理的な興奮が恋愛感情と誤って本人に原因帰属された状態なのだそうです。
平易に解説すると、不安定な吊り橋に対して緊張し、動悸や体温上昇、発汗が起きた男性の被験者が、それを、目の前に現れた女性に対する自分の性的な興奮だと勘違いしてしまった行為なのだそうです。
つまり、自分に興味を抱かせたい相手がいたならば、この吊り橋のように、一緒にドキドキするような場所に連れていけば、その成功の確率は高くなるということなのです。
そして、この余震の揺れと「結婚相談所」の成約率の相関です。
この「吊り橋現象」。こんな大変な時期に少々不遜な話題なのかも知れませんが、誰だってこの不安から逃れたいがために、側にいる人に寄り添いたくなる気持ちも自然の摂理だと思います。
私たちはこの大地の中で生かされています。だから、その大地がある日大きく揺れて、それが原因の”錯誤帰属”によって、例えたまたまであったとしても、そのとき寄り添っていたふたりの「絆」を強く結びつけたことを、あながち偶然とばかりには片付けられないのではないでしょうか。
人知の及ばない大きな存在の力に、心が揺れます。