車椅子父さん別館 ほのぼの子育て日記≪チームくまさん≫

車椅子父さん別館 くまさんチームのほのぼの子育て日記

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

悲しみと憎しみを超えて

2011-10-27 07:24:49 | みんみん
とても感動する記事を見つけたので、ご紹介させてくださいね(月刊誌PHPより)
長野県の諏訪中央病院で地域医療携わる、鎌田實医師に取材した記事です。




60年以上続くパレスチナとイスラエルの紛争。

その中で、パレスチナの12歳になる少年が、イスラエル兵によって殺害されました。
30mの距離から腹部を一発撃たれ、
逃げようと立ち上がったところで、眉間を打ち抜かれたのです。

少年の名前はアハメド君。
音楽を愛する優しい少年だったそうです。

イスラエルの病院に運ばれましたが、もうすでに手遅れ。
脳死状態になっていました。

駆けつけた父親のイスマイルさんは、
ただ呆然と、息子の変わり果てた姿を見つめていました。


自分の祖父も、60年前に、イスラエル兵によって殺害された。
そして今度は息子まで。

それは、憎しみという生易しい感情ではなかったはずです。


イスラエルでは、脳死患者の家族に対して、
臓器提供を提案するシステムができあがっているそうです。

イスラエル人の医師は、大きな葛藤を抱えながら、イスマイルさんに話をしました。

「息子さんの臓器を、病気で苦しむ人たちに提供してもらえませんか。

ただし、それはイスラエル兵になるかもしれません」

医師は、断られることを覚悟していました。
しかし、イスマイルさんの答えはイエスでした。


いまだに紛争が続く危険な地域、
おそらくそこは、世界で最も危険な場所といっても良い、パレスチナ自治区にある難民キャンプ。

イスマイルさんもまた、生まれた時からそのキャンプに暮らしている。

故郷を奪われ、さらに息子の命までも奪われた。

にもかかわらず、彼はたとえイスラエル兵を助ける事となったとしても、
息子の臓器移植を承諾した。

どうしてそんな事ができるのか。

僕(筆者の鎌田實医師)の問いに、イスマイルさんはこう答えたそうです。


「もしも目の前におぼれている人がいたとしたら、あなたはその人に向かって国籍や宗教を尋ねますか。

そんな事を横に置いて、まずは手を差し伸べようとするでしょう」



目の前で苦しんでいる人がいたなら、理屈で考える前に助けようとする。
それが、人間としての、ごく当たり前の行為だと。




・・・脳死判定を受けたアハメド君の心臓は、同い年のイスラエル人少女、
サマハちゃんに移植されました。

生まれつきの心筋症のため、サマハちゃんは学校に行くことができませんでした。

しかし、アハメド君からもらった心臓のおかげで、
今では元気に学校へ通っているそうです。

イスマイルさんの希望で、僕たち(鎌田實医師とイスマイルさん)はサマハちゃんの家を訪ねました。


「あなた方家族から受けたご恩は、一生忘れません」


サマハちゃんの父とは母は、涙ながらにそう言いました。
その気持ちを表すかのように、リビングにはアハメド君の写真が飾られていました。

そこには、イスラエル人とパレスチナ人という、敵対する者同士の壁は微塵もありませんでした。

同じ人間同士、同じ子供を持つ父親同士の温かな空気が流れていました。


もうすぐ18歳になるサマハちゃんが、僕たちの目をまっすぐに見て言いました。


「私は来年、医学部を受験します。

医師になって、たくさんの命を救いたい。
イスラエルとパレスチナの平和の為に働きたい」

その言葉を聞いて、イスマイルさんの目から涙がこぼれました。
そして、しっかりとサマハちゃんを抱きしめました。


サマハちゃんの家からの帰り道、イスマイルさんはとても満足そうな笑顔でした。
「良かったですね」
と僕が声をかけると、
「いや、まだまだ半分だ」と彼は言いました。

「アハマドの願いは、まだ半分も達成されていません。
パレスチナの子供たちが、安全に外で遊べるような平和な日が来ること。

それが息子の願いだと思っています」

胸に忍ばせた息子の写真に手をやりながら、父親はそう言いました。






記事の最後に、筆者の鎌田医師は、

「愚痴や憎しみや批判から、新しいものが生まれることはありません。

大切なことは、どんなに苦しく辛いことに出会っても

にもかかわらず前を向くことです」

と結んでいます。


この記事で伝えたい事は、臓器移植の是非を問う事や、日本との臓器移植の違いを問う事ではありません。

この世で最もつらい経験をしながら、「にも関わらず前を向き」、
憎しみを超えて、愛を実行することができるのだという、人間の強さだと思うんです。

どんなに絶望的な状況に陥っても、人には前を向いて歩いていける強さがある。


憎しみや悲しみ、理不尽なことが人生に降りかかってきたとしても、
それを横において、前を向いて歩いていくことができる。

そして憎しみを超えて、自分の弱さに打ち克ち、和解することができるのだということ。

そして許しと和解から、愛が生まれ、命が受け継がれていくこともあるのだということ。


日本人も、今回の震災で多くの人が心に傷を負い、
いまだに前を向くことのできない人も多いかもしれません。
そのことを忘れてはならないと思います。

でも、全ての人間は無限の可能性を持っていて、
絶望的な状況に陥ったとしても、きっといつか立ち直ることができる日が来る、

そんな事を思い、胸が一杯になりました。

ジャンル:
ウェブログ
コメント (6)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 脳脊髄減少症 あっこさん(... | トップ | 修学旅行! »
最近の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「がんばらない」 (湘南ジージ)
2011-10-27 08:29:18
みんみんさん おはようございます
朝から良いお話を有難う!!
鎌田実医師は地域医療の最先端で活躍されている方で「がんばらない」の本を書かれた方と記憶です。
皆がこのようになれば戦争もなくなるのでは!!
コメントありがとうございます! (みんみん)
2011-10-28 05:14:05
湘南ジージさんへ


わ~っ湘南さん物知り!!
私は今回の記事で、初めて鎌田医師の名前を知りました。

「がんばらない」
という本を書店で見かけたことはありましたが、著者まで気にしたことはなく、
今回の事で初めて名前を知りました。

災害や死別、病気などによって、心と体にダメージを受けた人にとっては、
「頑張れ」という言葉は、実はとても酷な言葉だと思うんですね。
息を吸って吐いてるだけで頑張ってるのに、これ以上どう頑張れというのか、と思ってしまうんです。

「(あなたが自分から頑張ろうと思えるその日まで)、ずっとそばにいるよ」
そんな気持ちで、私たち周囲の人間が寄り添っていられれば理想です。

実は鎌田医師は一歳の時に両親に捨てられたそうなんですけど、そのつらい経験や、人に温かくしてもらった経験などがあって、
「がんばらない」
という深い言葉になったのではないでしょうか。
長々書いてすみません・・・昨日カンちゃんたち、修学旅行でそっちへ行きました!!
Unknown (さきひおまま)
2011-10-28 11:00:20
「(あなたが自分から頑張ろうと思えるその日まで)、ずっとそばにいるよ」
そんな気持ちで、私たち周囲の人間が寄り添っていられれば理想です

共感します。

鎌田先生は以前テレビで拝見して
親に捨てられた経験のこと
も話していて、今医師として
多くの時間をイラクなどで
恵まれない環境にいる子供たちの
ために過ごしているというのを
知って、それからファンになりました。

がんばらない。
すごい・・多くの患者さんに
勇気を与えているようですね!

にもかかわらず前を向く。
出口がないと思われるような
ときでも、かならず時間の
流れとともに、出口って
ある気がしています。
コメントありがとうございます! (みんみん)
2011-10-29 05:59:29
さきひおままちゃんへ


>「(あなたが自分から頑張ろうと思えるその日まで)、ずっとそばにいるよ」
そんな気持ちで、私たち周囲の人間が寄り添っていられれば理想です

さきひおままちゃんはきっと、この通りの生き方で、脳脊髄減少症の患者の皆さんと生きているのでしょうね。
さきひおままちゃんの優しい眼差しに、そんなことを思ってました。
だから、感覚的に理解できるのだろうって。

ところで、鎌田医師のこと、さきひおままちゃんも知ってたんですね!!
そんなに有名な方だったとは。
もしかして、知らなかったのは私だけ・・・?(笑)
鎌田医師が出演していたTV番組、私も見てみたかったです!
一歳の時に両親に捨てられたけど、(本当は金銭的に全く余裕が無かったはずの)温かい夫婦に育てられて、自分の命は繋がる事ができた。
自分は、人の温かい心のおかげで生きてこられた。と、記事で語っていらっしゃいます。
さきひおままちゃんもファンなんですね!

本当に、さきひおままちゃんの言うとおり、出口が全く見えないと思われる時でも、出口って必ずあるんですね。
長いトンネルを抜けた時に初めて、そのトンネルの意味が分かるものなんだなぁって思います。
いつも温かいコメントありがとう!
本当に感謝してます!!
そうかぁ・・・ (しんた)
2011-11-02 23:13:19
いい話をありがとうございます(*^.^*)
とっても感動しました。
僕も鎌田医師のことは知らなかったので、今ユーチューブで検索したらいくつか動画を見つけて見てました。とっても温かい人ですね。僕も人生の大きなヒントをもらいましたよ。「がんばらない」読んでみます。

イスラエルとパレスチナ・・・戦争は本当に無くさないといけないですね。今、抑止力のために核を持とうという世論が日本でも大きくなっています。憲法9条を変えてしまおう、とも言われます。中国・ロシアに対抗するために軍事力の増強や米軍基地を本州に、などという意見もありますが、僕はやはり反対です。
と、正直に自分の意見を言うと、よくたたかれるんですが(^_^;)、いつかはそれが無意味だということに気づいてもらえると信じて言い続けようと、鎌田医師を見て感じました。
どうもありがとう♪(*^.^*)/~
コメントありがとうございます! (みんみん)
2011-11-03 05:57:14
しんた先生へ


鎌田医師の動画がyou tubeにアップされてたんですね。
私も今からすぐ見にいってみます!
しんた先生のおかげで、大切な情報に気付くことができました。本当にありがとう!

戦争についてのしんた先生の意見を読んでるうちに、目から汗が・・・涙がこぼれてきました(笑)
自分でも説明がつきませんが、温かい涙です。
素晴らしいですね。
一人一人の意識の集合体が戦争へ向かわせるのだとしたら、逆に、しんた先生の様に考える人が増える事で、戦争の無い世界がいつか来ると信じます。
人と人とは分かり合えることができる。
国境を超えて、宗教を超えて、憎しみを超えて。だから手を繋いでいきたいです。

(しんた先生なら分かってくれると思う事だから書きますが、
人には様々な国に生まれ変わった過去世があり、その様な過去世を見た人は、
国と国とが争いあう戦争が、どんなに無意味な事か、見に沁みて理解できるそうです)

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL