光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

村上隆のスーパーフラットコレクション展 #9 1950年~2015年 その2

2016年05月28日 | アート 現代美術

 奈良美智の作品まわりにある小物の作品たち。 キャプションは撮れませんでした。 

 

 

 よくわかるシーンです。 犬は、飼い主の顔を舐めるのが好きです。

 

 

 

小出ナオキの陶器人形も面白い 

 

  

 

 

ニック・ジーを調べると、ニック・ザレンバという米国のアーティスト。

 

 

 

 

 次の展示室との間の小スペースにも作品。

 

 

 面白そうですが、意味はよくわかりません。

 

 

 

 4作品のうち、右側の2作品は奈良美智です。 左の2作品に興味を引かれました。

 

 

 

 《とても暗い鹿》  ウーン、訴えてきますね。

 

 

 

 

 

 小さな命を見つめているのだろうか? 自然な表現がいい。

 

 

 

 

 

奈良美智の《ハートに火をつけて》のバックにしたショッキングピンクの作品と同じ作家。

三葉虫の化石のようなオブジェ、きれいでした。

 

 

 

この作品も独特の妖気を放っています。

 

 

 

最終の展示室。

 

 

 

 

 

 一見、写真かと思いますが、色鉛筆と紙の作品。

  

 

左上の作品を拡大   

  

 

更に拡大。 色鉛筆のタッチがわかります。

 

 

フリードリッヒ・クナスの作品《スターライトウォーカー(星明かりの散歩)》

この作品、面白いのですが、置かれた環境でもっとよくなります。

右横は、リーフレットに載っていた別展示場における写真です。 違いますね。

 

 

 

こうした薄気味悪い作品、嫌いな人は目を背けるでしょう。

でも、不思議ですね、こんな作品も心の奥の何かを刺激し、アートとして存在する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この像、開会直前に届いたそうです。 2015年にニューヨークの美術展で購入とのこと。

フランク・ベンソンの3Dプリントによる彫像「ジュリアナ」。 実在のトランスジェンダー作家、ジュリアナ・ハクスタブルがモデル。

緑色のラメが美しい・・・実際にモデルは夜の社交場でこの色でいるそうだ。

 

 

 

最初に見たときは、背景は知らなかったので、女性のヌード像だと思ったのですが、この角度から見ると、トランスジェンダー であることがわかりました。

 

 

 それにしても滑らかな肌と肉感、凄いですね。  女性の鑑賞者は、目を背ける方が多い。

 

 

菊畑茂久馬のこの作品、私は良さがわかりません。

 

 

 

 

村上隆の弟、村上裕二の作品。  ウルトラマンが出る日本画ですが、面白い。

 

 

 

小品が密集し、キャプションと作品がよくわかりません。 水彩画は常識的な作品ですが、こういうものもコレクションしているのですね。

    

 

 

 

爆破の瞬間、エネルギーが凄い。 

 

 

 

 

村上隆の率いる㈲カイカイキキの一員ob(おび)の作品。 若い女性らしい作品。

 

 

 

 

よく見るとシュール

 

 

 

よく見るとサブカル寿司

 

 

 

韓国の作家で、村上が最近、興味を持ってコレクションしているとか。

若冲みたいに、隅から描き始めて一気に描き上げるようで、1日で仕上げるとか。 確かにずば抜けた筆力。

 

 

 

カメラを引けない状況で、1枚に収まらないので、2枚で掲載。

  

 

 

 

 

 

このあと、映像作品もあったのですが、混雑等で見れませんでした。

 

いかがでしたか、圧倒的なボリュームと内容、評判も良かった展示会でした。

そして、今日、Webを検索していたら、この展示会にあたって、村上とゲストキュレータの

三木あき子、横浜美術館館長の逢坂理恵子の3人のオープニング時のトークセッションを見つけました。

日本の美術業界と現在喧嘩状態にある村上の怒りの言葉や、古美術のコレクションを始めたときの

失敗談など、飽きずに聞ける面白い内容でした。 村上のアートに対する一生懸命さ、パワー全開で

進む姿勢のなかに、アートに関して傲慢に聞こえるところがあるのは事実ですが、それを責め立てる

美術関係者がいるのも、度量が狭い感じがします。 あの草間彌生も、ピカソに負けないアーティスト

と自らを豪語しています。  村上が日本の美術界に辟易し、今後、日本では展示はしないといっている

のが気にかかります。  それと、このコレクションの今後の扱い・・・村上隆のことだから、新たな発想

で、多くの人に見られる仕掛けをつくるのではないかなと期待するところです。  

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村上隆のスーパーフラット・コレクション展から #8 1950年~2015年 その1

2016年05月21日 | アート 現代美術

 村上隆のスーパーフラット・コレクション展の最後となる《1950年代~2015年》

面白い作品が多く、長くなります

では早速、このパートのキャプションから

 

 

 冒頭には、アンディ・ウォーホールのドローイング、篠山紀信、荒木経維の写真が並びます。

 

 

 

 

 左の写真:篠山紀信 SHINOYAMA Kishin《三島由紀夫「1968 東京」》、"Mishima Yukio, 1968 Tokyo"、1968年

 

 

 アンディ・ウォーホールは好きな作家ではありません。 しかし、2015年の美術品オークションで世界第二位の取引額

なのです。(一位はピカソ)   経済的価値と美術的価値はイコールではありませんが、無視できない存在になっています。

村上隆もアンディ・ウォーホールの蒐集は、自作のアメリカでの売り込み戦略に役立ったのではないでしょうか。

 

 

 

中央の細長い作品の裏側を次に紹介します。

 

 

 

 

この作品の作者ヘンリー・ダーガーは初耳で、何も知らないで見ました。 印象は、一見、少女漫画的なイラストですが、不思議な迫力があり

1950年代のあえて稚拙を狙った現代アート作品かな?と思ったのです。 

ブログ記事作成のため、今回、作者を調べると、アール・ブリュットの作品なんですね。

アール・ブリュット:既存の美術や文化潮流とは無縁の文脈によって制作された芸術作品の意味で、 生(き)の芸術。

          アール・ブリュットの作家は他人に見せて評価を受けることや、売ることは考えてなく、社会的に疎外された環境で孤独に

          生きている人が多い。 

 

 

 

ヘンリー・ダーガーは、孤独な生涯を送った。 今でいう自閉症スペクトラム(以前はアスペルガー症候群と呼称)と思われます。

誰に見せることもなく半世紀以上もの間、たった一人で作品を書き続けたが、死の直前にそれが「発見」され、アウトサイダー・アートの

代表的な作家として評価されるようになった。

 

ご覧のように、少女に対する執着は異常ですが、この異常さがアートに遷移したと思います。

 

 次の展示コーナ。 右下の絵を除いて、他はホルスト・ヤンセンの作品。

ヤンセンの作品も、最初は印象が薄かったのですが、二回目に見たとき独特の迫力に惹かれました。

   

 

                         この自画像、村上隆に自画像の重要性を認識させたとか。

      

 

 

《カトリック(カラ)》

上下の作品も異様で薄気味悪いのですが、迫力が凄く、面白い。

 

《かなり繊細さに欠けた練達の野良犬》

 

 

 

痛々しいイメージで、第一印象は強いのですが、部屋に飾りたいかと自問するとノーとなる。

 


 

 

 最初の展示コーナにあった作品ですが、三番目のコーナに荒木経維の作品がまとめてあったので

一緒に紹介。 荒木が電通の広告写真マンだった頃、職場結婚した時の新婚旅行の写真集《センチメンタルな旅》

 

 

 

 

この写真集の白眉、私写真ですが 普遍的なものを感じます。

 

 

展示状況

 

 

荒木の妻、陽子さんは、結婚から19年後に病没,中段の遺影写真は、荒木が最も気に入っていた妻の肖像写真

  

 昔、荒木が写真雑誌にアラーキなどと呼称して、エロっぽい写真などで売り出したとき、ちょびひげの風貌とともに

嫌いな写真家にカテゴリー分けしていましたが、後年、荒木の凄さがわかり、好きな作家になっています。 肖像写真などで圧倒的な力を見せます。

昨年、《山口小夜子の未来を着る人展》で、篠山紀信と荒木が撮った山口小夜子の演出写真を見くらべると、私は荒木の作品にぐっときました 

 

 

 

 

次のコーナ 

 

 

 

 

ジェフ・クーンズ。 村上はクーンズとの対談で「東洋美術を別とすれば、僕にとって最も大きな存在はあなたです」と語っています。

  

 

大竹伸朗の作品が、中央に上下に斜めにずれて掲げられています。 

キャプションによれば、大竹の展覧会を観て現代アートに進むことを決めた村上隆。

2015年夏に横浜トリエンナーレで見た大竹の作品は確かに凄かった。

 

 

 

 

  

 

大竹伸朗の《網膜/境界景2》の部分拡大。

 

 

奈良美智の作品収集数はダントツではないでしょうか。 村上と奈良は、米国の大学で客員教授として一時期、一緒に仕事をした仲間。

 

 

 

 

 

  

 

  

 

 さて、中原浩大の作品(村上のサブカルチャー作品 に影響を与えた)

私は初めて、この手のフィギィア作品をみました。  メディアを通じて知っていたフィギア

作品には、どうしてあんなものが?という疑念を持っていました。

が、実物をみて、それは取り払われました。 確かにぐっとくるものがあります。

健康美、エロスも・・・

 

 

 

 

 次のコーナ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中国の絵画(パステル画)4点も眼を惹きました。  絵はリアリズムですが、状況がわからないので理解は難しい・・・だけども気になる何かがあります。

上から右側の4点の作品:リ・ユソン(李・尤松)(1968年生まれ) 2006年制作、パステル、紙 。 右下の作品のタイトルは《No.27》で、その他3点ともタイトルは《無題》

 

 

 

 ロイヤル・アート・ロッジって、カナダのイラスト集団のようです。 個々のイラストも面白いし、作品群全体の醸し出す雰囲気も面白い。

 

 

 

 ↓私も中央線で通勤していたので、よくわかります。 

 

 

 

 奈良美智の彫刻が目立ちます

 中央の像:NARA Yoshitomo 奈良美智《ハートに火をつけて》"Light My Fire" 2001年
      Acrylic and cotton on carved wood 

 

 

 

 

 

右側の壁面のショッキングピンクの作品 :アンゼルム・ライラ Anselm Reyle  "Untitled"  2007  mixed media on canvas, plexiglas 

 

 

一つのアイデアが浮かび、ショッキングピンクの作品を背景に、《ハートに火をつけて》の一部分を撮影してみました。

 

 作品紹介はまだ続きますが、 とりあえず、この辺で休憩です。 

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棚田康司展 「バンドゥン スケッチ」を観て

2016年05月08日 | アート 彫刻

村上隆の「スーパーフラット・コレクション展」の途中ですが、昨日行った

棚田康司展 「バンドゥン スケッチ」が良かったので紹介します。

会期:2016/04/06 - 2016/05/14  

場所:ミヅマアートギャラリー

 

都心の市ヶ谷駅から、外堀通り沿いに歩いて7、8分のところにある

ミズマアートギャラリーは初めての訪問です。

毎日新聞夕刊の紹介記事をみたのが動機です。

入口からみた作品群。 全部で12体あるのですが、紹介するのは10体です。

 

 

《不安少年のトルソ》  表情がいい。 

 

 

 

 

少年ですが、少女のようにも見え、中性的な表現です。 

版画のポール・ジャクレーを思い出させますが、訴えかけるような表情のこの作品、堪らないですね。

 

 

 

 

棚田は、2015年10月にインドネシアのジャワ島西部の都市、バンドゥンへ渡り、

2ヶ月間の滞在中に制作した、12体の少年少女のトルソが、展示の主体です。

   

 

 

作品はすべて「一木造り」でできています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この作品は、帰国後に造ったもので、これも魅力があります。

ヌードなんですが、パンツをはいていて、なにかこだわりがありそう。

仏像で一木造りはよく見ますが、現代彫刻で若い女性像の一木造りは面白い。

 

 

 

 

昔、冬の秋田で見た、被り物をつけた少女を思い出しました。

 

 

 

これも中性的な表現ですね。

 

 

 

展示室の奥に和室があり、そこに置かれた作品。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの《体操の少年》も素晴らしい。

 

 

 

 

 

インドネシア女性の雰囲気を持つ作品。  ここでもパンツが。

 

 

 

身体トルソ。 パンツが気になる。

 

 

 

会期終了が迫ってます。  ギャラリーは無料で撮影OKです。 おすすめです。

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村上隆のスーパーフラット・コレクション展から #7 スタディルーム&ファクトリー

2016年05月06日 | アート 現代美術

 現代アートには、いろんな視点を表現して、考えることを促される作品が結構あります。

多くは真面目に考えた作品であり、素直に考えます。 しかし、中には、高邁ぶったものや、過激な言葉や表現を弄ぶだけの作品もあります。

この展示は、さすがに素直になりますが、いまいち意図がわからないこともあります。 

 

 

人体デッサン教室です。 美術教育について考えることを促される・・・うーん 難しい。 

この写真は3月25日(金)に撮ったのですが、家族で取り組み、特に子供達が描いているのが印象的でした。

 

 

 

こちらの写真は、2月14日(日)に撮ったもの。 

 

 

画材が用意されていて、少し描きたい気持ちはあったのですが、なぜかパスしました。

 

 

描いているのは、パパと娘でしょうか、微笑ましい

 

 

人体モデル彫刻がくせもので、鼻炎が悪化したような顔貌、男性器と尿バケツ、頭、胸、胴、脚、腕のバランスの悪さ…等々、ギリシャ彫刻のような

美しさは微塵もありません。  母親は描くのは遠慮するでしょう、でも、子供達は意外に素直に描きます。

 

 

 「美醜を超えて表現せよ、その表現方法は無数にある」ということを言いたいのかな?

 

 

 

観客の作品から

 

 

 

私が描くと、この構図かなという作品。

 

 

 

ミカ・ロッテンバーグの作品、1回目に来たときは、これが作品とはわからず、?何か面白そう、で終わり、店の奥の映像コーナは知らないままでした。

 

 

 

 

山積みの低グレード真珠。

 

 

 

映像コーナ  真珠の選別作業 

 

 

 

熟練者でしょうか、低グレード品をパッパッと手前にはじき落としていきます。

 

 

 疲れて眠っている娘さん。 就業ルールのなかで認められているのでしょう。

 

 キャプションにある、「オフィスで一人意味のない作業をする白人女性」の映像は撮れていません。 キャプションは後で読んで知ったのです。

 

 

  

さて、この品、他とは違います。 

 

真珠の美的価値ではなく、希少価値を探るためのコレクションのように思えます。

真珠は、「真珠採りのタンゴ」のイージーリスニング曲が懐かしいのですが

原曲のビゼーのオペラ《真珠採り》の初演が1863年、御木本幸吉の真珠養殖成功が1893年です。

養殖真珠の本格生産以降、紀元前から続いた天然真珠の希少価値が大きく薄らいでしまった。

村上隆は、真珠が偶然、食事の際に発見されたという、天然真珠の持つ本来の偶然性に着目し

希少価値のコレクションとしたのではないでしょうか。

GIAの鑑定書がいかめしいこの天然真珠、村上はいくらで買ったのだろう?

 

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村上隆のスーパーフラット・コレクション展から #6 村上隆の脳内世界

2016年05月02日 | アート 各分野

スーパーフラット・コレクション展で最も面白かったのがこの部屋。

展示室という言葉は合いません。

 

 

入口からみて左側

 

 

床部分

 

 

壁から天井へ

 

 

メインカメラで撮影

 

 

 

狛犬も愛嬌があります。

 

 

 

可愛いですね。  記事の最後に作品配置図を掲載していますが、この作品名はよくわかりません。 村上隆の自作かな?

 

 

半身像はマシュー・モナハンの《偉大なる鷹匠》かな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋の右側

 

 

 

ぐい飲みもたくさんあり、使いたい気分。

 

 

 

入口に向かって撮影

 

 

福助はここに。

 

 

 

神棚のイメージ

 

 

 

 

 

 

 

玉眼だ。 

 

 

 

 

 

この像、気になります。 表情に迫力を感じる。

 

 

 

 

 

 

最後に配置図です。  図にないものもあります。 開催前日まで村上隆が作品持ち込みをしていたらしく、キャプションが間に合わなかった?

  

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