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第41節 栃木戦

2012-11-16 16:21:38 | ファジアーノ岡山
 プレーオフへの望みが消えた消化試合.残るは過去最高順位と一桁順位を目指すくらいの低いモチベーションしかない(見る側にすれば同期昇格の栃木より上で,というのは結構なモチベーションだが).こんな消化試合の日に限って時間の都合がついて見に行こうと思えば行ける状態に.とは言え栃木との試合はJFL時代も見たことあるし,消化試合だし,相手に敢えて見たい選手もいないし,金も時間もかかるし…と,かなり悩んだがやはり生でる貴重な機会は捨てがたいし,服部の最後の雄姿も見たい.

 というわけで現地へ.岡山駅からの道は人が少なくスタジアムの当日券売り場も行列が無かった.「せっかくホームの試合なのに消化試合になってもったいないなぁ」と思って入場ゲートに向かうと入場ゲートの方に行列が.キックオフギリギリというわけでもないのに.何度も来たが入場ゲートの行列は初めてだ.
 MDPを中野が配ってたところを通って中へいくとバックスタンドはほぼ満席.肌寒かったのでバック側に人が集まったのだろうが,メインも結構入っている.ホーム最終戦とは言え,単なる消化試合でJ2昇格がかかった試合と同じ程度の客が入ったというのは,それだけチームが街に浸透したということだろう.

 この日試合前に気になったことが2つ.1つはマッチスポンサー.何ぼなんでも相手のチームカラーの黄色い旗を出すことは無いんじゃない?ちょっと常識外れだった.スポンサードしてもその辺りは気をつけないと効果も半減だろう.もう1つは栃木のサポーター.植田100試合出場のほんの短いセレモニーの間くらい黙れないものか?拍手しろとは言わないから.相手をリスペクトできない集団は味方からも良い風には思われないと思うのだが.というか最低だ.岡山の声を出す人たちは反面教師にして欲しい.

     川又
   キム  関戸
服部 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 試合はファジアーノが支配して進んだ.こういう試合で早めに点が獲れないと厳しいな,と思っていると千明が前線に浮かせたボールを相手DFがバウンドさせるミスをし,それを突いた川又がボールを奪いそのままゴール.ああいう小さなミスを引き出し,そこから得点するのは川又が得意とするところだ.
 そして追加点は服部のクロスから.この日の50分くらいまでの服部のプレーは,引退する選手のそれでは無かった.確かにバックパスを選択する場面は多かったが,落ち着かせる場面,守る場面,前に出る場面と効果的な動きが目立った.田所が成長した理由はよく分かった.

 そして今季の課題である優位な状態で迎える後半.やはりこの日も受身な形でゲームを進めることになってしまった.それでも途中からは敢えて相手に持たせておいてカウンターを狙うような動きも見えたし,全く改善されていないわけでも無い.また影山の課題だった交代もこの日は見事にはまっていた.動きの悪いキムを代え,服部の運動量が落ちたところで三村を入れ,その三村の守備が悪いと見ると篠原を入れて補強し守り勝つ姿勢を明確にした.ある程度まともな交代をすれば大崩れすることは無いということを示した試合でもあった.

 という2-1の試合.服部の引退セレモニーに華を添えるとともに,過去最高順位を確定させた.この日訪れた観客も満足できた試合だったと思う.しかし服部の引退セレモニーがあるとは言え,消化試合のホーム最終戦で1万人越え.J1が見えてくるとスタジアム問題が出てきそうだ.カンスタは2万人収容とされているが,どう考えてもこの日の倍の観客を入れることは不可能だろう(多くて5,6千人程度だろう).来季の成績次第だがそろそろスタジアム問題を考え出してもいいのかもしれない.時間がかかる問題だし.

 今季は数回しか現地観戦できなかったがJFL時代以来の勝ち越し.やっぱチームが強いというのはうれしいものだと実感できた.来季もそうあってほしい.
 そしてこの日生まれて初めて引退セレモニーというものを見た.岡山からこういう選手はいつ出てくるだろうか?多くの選手が知られないまま引退していく世界.17年プレーできた服部に対して多くの人が残って功績を称えていたのは当然だろう.それを含めて良い試合だった.行って良かった.
 それでは勝手に採点.

川又(7.5)圧巻の2ゴール
キム(5.0)動きに切れなく.
関戸(5.5)前半途中から消えた
服部(8.0)MOM.岡山に来てくれて感謝
千明(6.0)守備は良かったが最後までボールが足につかず
仙石(5.5)攻撃で積極性無く
澤口(6.0)固い守備で貢献
植田(6.0)危うさは持ち味と思いたい
竹田(5.5)後藤との連携に苦労した.GKに助けられた
後藤(5.0)積極性が裏目に出た
中林(7.5)ハットトリックくらいの活躍

上條(5.5)そこでゴールを取らないと,という場面が数回
三村(6.0)役割を果たした
篠原(6.0)固く守備を締めた
真子,田中,アンデルソン,チアゴ

影山(6.5)
 ホーム最終戦を見事勝利.課題も含め今季を象徴するような試合だった.

第40節 水戸戦

2012-11-13 22:55:16 | ファジアーノ岡山
 ほぼプレーオフへの望みが消えた状況で残り3試合.絶望を確定させるか,僅かな期待を残すか.

     川又
   キム  関戸
田所 千明  仙石 澤口
 後藤  竹田  篠原
     中林

 最後の望みということでアンデルソンが初のベンチ入りとなった.また植田に代わり篠原を起用.意図はよく分からないが篠原がそれ程成長したとも思わない.

 試合は柱谷が主導権を握っていたと言っていたが,ほぼイーブンで進んだ試合だったと思う.そう思われなかったのはファジアーノのシュートの少なさのためだ.立ち上がりから水戸の裏へロングボールを入れていたが,それが逆に水戸に後ろを意識させることになり,DFラインの戻りが非常に速くなってしまった.そのため少し遅れるとカウンターはできなくなり,DFが揃うと水戸らしい固い守りを見せて中々シュートまで持ち込めなかった.
 特にこの日は縦パスを入れられなかったので,攻撃はパスを相手の外側を廻してサイドからのクロスという単調な攻撃しかできなかった.縦パス以外でもドリブルなどもう少し変化がないときっちりブロックを作った守備は中々崩せない.

 対する水戸もビルドアップに難があったので,攻撃に時間をかけさせれば怖さはなかった.ただ鈴木だけは怖かった.とにかく彼が縦パスを収めて時間を作るし,時には前を向いて展開できる.ファジアーノのFWには見習ってほしい動きだった.

 ただ後半はお互いに前に出るようになり,少しオープンな戦いになった.ただ水戸も岡山も最後のところの精度が不足したためにスコアレスでゲームが進んだ.
 そして岡山は,その最後の精度を出すために後半残り25分にアンデルソンを投入した.正直トップコンディションではなく,1年間戦ってきた選手と比較すると動きに切れが不足していた.ただ技術は高いし盛んにボールを受けようとする動きは非常に良かった.セットプレーはJ1級だろう.「夏の勝てない時期に桑田の代わりにいたらなぁ」とも思った.
 この日は周囲の選手と全く連携ができていなかったので,今のパスサッカーの中で決定的な仕事はできなかった.ただ開幕からずっと出ていたらプレーオフ圏内はかなり現実的な状況だったかもしれない.

 という0-0の試合でプレーオフ出場ができないことが決まった.ただ今季はあくまで「プレーオフ出場」が目標だった.J1昇格には不十分だったと思う.そう考えれば現在地はそれほど悪くはない.残りの試合は過去最高順位を目指して,そして「後もう少しだった」と後悔して欲しい.もちろん過去最高順位なら来季のスポンサー集めも有利になるし,そうすれば補強もできる.そうやって来季本気でJ1を目指す土台を今から作って欲しい.それでは勝手に採点.

川又(5.0)ボールを収められず.鈴木の方が上手かった
キム(5.0)雑なパスでチャンスを潰す
関戸(5.5)自分が生きる道を見つけられず
田所(5.5)一本は惜しいところを作りたかった
千明(5.5)あのシュートを決めないと
仙石(4.5)横パスが多く勇気が不足
澤口(5.0)サイドチェンジのときくらいクロスにも精度が欲しい
後藤(5.0)鈴木に良いようにやられた
竹田(5.0)ビルドアップでリズムを崩した
篠原(4.5)相変わらず焦って縦を狙いすぎ
中林(6.0)当たり前に良いプレー

アンデルソン(6.0)来年残らないならもう出す必要は無い
チアゴ(5.0)耐えられない選手はもう役割を終えた
上條(4.0)得点を取る気配も感じられない
真子,植田,服部,三村

影山(5.0)
 パスサッカーの浸透で,前へ向かう怖さが無い攻撃になったことがこの日も問題となった.もう少し前へ向かうプレーを増やさないとこういう守備の固い相手からゴールを奪うのは難しい.今季の課題が出た試合だった.