東京コンサルティンググループ・トルコブログ

毎週火曜日更新
トルコへの進出をコンサルティングしている駐在員が、トルコの旬な情報をお届けします。

労働者安全衛生法2020年へ施行延期

2017年05月30日 | トルコの労務

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログは労働者安全衛生法2020年へ施行延期について書かせて頂きます。

労働者安全衛生法2020年へ施行延期

2012年6月にトルコで初めて労働者安全衛生法が可決されました。

安全管理者・衛生管理者・産業医の選任基準や安全委員会や衛生委員会の設置基準、労働災害が発生した際の報告義務などがこの法律によって定められていますす。

労働安全衛生法は従業員を1名でも雇っているすべての職場に適用されます。

 

但し、適用に関しては事業所の危険度や規模に応じて段階的に適用される予定です。

今回危険度が低く労働者50名以下の事業所に対する適用が2017年7月1日から2020年まで3年間延期されることが決定されました。

*労働者50名以上の職場又は危険度の高い職場に関しては既に適用されていますので、下記の履行義務内容をご確認ください。

 

危険度の低い事業所⇒薬局、レストラン、ホテル、オフィス、学校、等

危険度のある事業所⇒美容院、歯科、精肉店、等

危険度の高い事業所⇒工場、炭鉱、病院、等

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城


 


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労働紛争調停制度の設置

2017年05月23日 | トルコの労務

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログは労働紛争調停制度の設置について書かせて頂きます。

労働紛争調停制度の設置について

トルコでは労働訴訟が現在年間61万件近く発生しており、裁判所に多大な負荷がかかっています。

そこで裁判を円滑に進めるため、訴訟前調停の義務化を制度化するべく現在トルコ議会での審議が進められております。

本法案は年内には可決され今後の労働紛争の流れが下記のように変更になる見通しです。

 

【調停の手続き】

 

①雇用者または労働者が裁判所内の調停委員会へ調停の申請。

②調停委員会により調停弁護士が選出、又は調停弁護士を指名。

③調停日時告知、双方の呼び出し、調停開始。

④調停内容に不服があった場合2週間以内に裁判所に提訴する必要があります。

*法案内容を基に作成。変更の可能性もあります。

 

【従来の労働裁判との違い】

 

①労働者が弁護士を通さずに解雇不服申し立てが行えます。

②2ヶ月ー1年近い訴訟期間が大幅に短縮され、調停申請後原則3週間以内に

調停結果を裁判所に提出する必要があります。必要があればさらに1週間延長可能です。

③調停時の費用に関しては双方で平等分担します。

 

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城


 


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 トルコにおける労働者解雇②

2017年05月16日 | トルコの労務

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログは前回に引き続きトルコにおける労働者解雇②について書かせて頂きます。

 

前回のブログにて有効解雇として認められる下記3点挙げていますが、

それぞれの解雇手順は下記のようになります。

 

ⅰ. 労働者の能力上の解雇

(別途与えるポジションがない場合、研修等の教育機会を与えたが改善の見込みがない場合等)

①           人事評価制度等、客観的な評価結果を伝える、減給及び別部署へ異動の提案。

②           労働者が拒否した場合のみ解雇通知、退職金の支払い、解雇

 

ⅱ. 労働者の勤務態度に起因する解雇(頻繁に遅刻を繰り返し、複数回注意を書面にて行ったが改善の見込みがない場合等)

①           素行不良事実の書面での確認

②           最低2名の労働者より素行不良事実確認を行い書面にて記録、該当労働者へ通知

③           該当労働者より弁明書の提出

④           解雇通知、(退職金の支払い)、解雇

 

ⅲ. 経営上の都合による解雇(経営不振や事業縮小による場合等)

①           減給、別部署等への異動の提案

②           労働者が拒否した場合のみ解雇通知、退職金の支払い、解雇

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城


 


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トルコにおける労働者解雇①

2017年05月09日 | トルコの労務

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログはトルコにおける労働者解雇①ついて書かせて頂きます。

 

トルコでの労働者解雇

 

トルコでは大きく分けて法律で定めれた正当解雇(Haklı nedenle fesih)また法律には明記されていない有効解雇(Geçerli nedenle fesih)が存在します。

 

解雇時に解雇の手順や解雇事由に不備があった場合、労働者より労働裁判所に訴えられ裁判所が「解雇無効」の判決を出した場合、再雇用の義務や解雇通知日から現在までの給与だけではなく、補償金の支払いまでも命じられることになります。

(特に第9労働法廷は労働者に対し有利な判決をだすことで有名)

 

その為雇用者が解雇手順、解雇理由を把握しておくことはトルコにおける訴訟防止に大変有効なものとなります。

 

特に2016年2月までは30名に満たない事業所での解雇は退職金及び解雇通知手当を支払い即時解雇(有効解雇)が可能でしたが2016年2月17日3452号判決により海外事業所の労働者も30名にカウントすることが決まり、ほぼ全ての外資系企業は従来のような容易な解雇ができなくなったと言えます。

 

①           正当解雇(Haklı nedenle fesih)

 

労働法25条に明記された解雇事由が正当解雇に該当し、解雇通知を必要としない解雇となります。(即時解雇可能)

その為、解雇通知手当金を支払う必要もありません。

但し、1年以上勤務している場合勤続年数に応じた退職金(Kıdem tazminatı)を支払う必要があります。(25条2項は例外として支払義務なし)

 

*参考 労働法25条

有期・無期雇用されている労働者に対し雇用者は以下に掲げる「正当理由」があれば、通知期間又は契約終了期間を待たずに労働者を解雇することができる。

ⅰ. 労働者の健康上の理由

ⅱ. 労働者が背信行為、反道徳行為を行った場合

ⅲ. 労働者が1週間以上の無断欠勤を行った場合

ⅳ. 労働者が逮捕拘留された場合

 

②           有効解雇 (Geçerli nedenle fesih)

 

労働法には記載がありませんが、判例上解雇可能とした解雇理由がこの有効解雇に該当します。

  なお、この理由に満たない解雇は無効解雇と認定される可能性が高いと言えます。

解雇が無効解雇と認定された場合再雇用義務がある他、上述の通り賠償金の支払いを命じられる可能性もある為、無効解雇認定を避ける為、解雇時の手順及び必要書類を遵守することが望ましいと言えます。

 

 有効解雇と認められる解雇理由として以下3点が挙げられます。

 

ⅰ. 労働者の能力上の解雇

(別途与えるポジションがない場合、研修等の教育機会を与えたが改善の見込みがない場合等)

ⅱ. 労働者の勤務態度に起因する解雇

(頻繁に遅刻を繰り返し、複数回注意を書面にて行ったが改善の見込みがない場合等)

ⅲ. 経営上の都合による解雇

(経営不振や事業縮小による場合等)

 

これらは解雇理由として最も頻繁に発生するものですが、それぞれ解雇に至るまでに書面にて警告等行い労働者より署名を受け取る必要があります。

 

 

 

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城


 


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トルコにおける駐在員個人所得税

2017年05月02日 | トルコの税務

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログはトルコにおける個人所得税について書かせて頂きます。

 

個人所得税納税義務者

 

トルコに居住する個人や、日本等外国からの現地駐在員が課税対象となる所得を有する場合、トルコにおいて個人所得税を納付する必要があります。この個人所得税額を算出する場合、まずその対象者の居住性(トルコにおいて居住者であるか 非居住者であるか)を判定する必要があります。この居住性により、トルコにおいて課税される所得の範囲が異なります。

 

[ 居住者の定義 ]

トルコにおいては、以下の要件のいずれかを満たす場合に居住者とみなされます。

 

・ トルコ国内に恒常的な住所(トルコ民法19章に規定される居所)を有する者

・ 1年のうち183日以上継続してトルコに滞在している者(一時的な出国はトルコ滞在の継続期間の中断とはならない)

 

[ 非居住者の定義]

以下の要件のいずれかに該当する外国人は、たとえトルコに183日以上滞在していたとしても 非居住者としてみなされます。

 

・ 特定的かつ一時的な目的によりトルコに入国する実業家、科学者や芸術家、専門家、役人、マスコミや報道記者、また学業、傷病治療や旅行目的のために入国した者

・ 有罪判決、禁錮または、不可抗力的な病気などの理由でトルコにおいて拘束された者

 

 

■ 課税対象

以下の要件のいずれかを満たす場合、トルコ国内、国外を問わずその者が得た収益や利益がトルコにおける個人所得税の課税対象となります。

 

・ トルコ居住者

・ 政府機関、法人企業またはトルコ中央機関や企業によって雇用される海外に居住しているトルコ人(ただし、居住地国で既に所得税等を納めている者については非課税)非居住者の場合は、トルコ国内で発生した所得のみがトルコにおける個人所得税の課税対象となります。それ以外の国外所得については、トルコ以外のそれぞれの国において課税されることになります。

 

トルコの税法上、居住者とはトルコ国内においてトルコ国内に住所を有する、または滞在日数が183日以上と定義されています(P.193 )。

一方、日本の所得税法では、国内に住所を有する個人または現在まで継続して1年以上居所を有する個人を居住者と定義していることから、特定の場合においては、日本とトルコの双方で居住者の認定を受けるケースが考えられます。

両国で居住者と認定され、所得に対する二重課税が発生する場合には、日本とトルコの間で締結されている租税条約に基づき、いずれかの国を居住国と定めた上で申告等を行うことになります。

 

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城


 


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