東京コンサルティンググループ・トルコブログ

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トルコへの進出をコンサルティングしている駐在員が、トルコの旬な情報をお届けします。

トルコにおける駐在員個人所得税

2017年05月02日 | トルコの税務

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログはトルコにおける個人所得税について書かせて頂きます。

 

個人所得税納税義務者

 

トルコに居住する個人や、日本等外国からの現地駐在員が課税対象となる所得を有する場合、トルコにおいて個人所得税を納付する必要があります。この個人所得税額を算出する場合、まずその対象者の居住性(トルコにおいて居住者であるか 非居住者であるか)を判定する必要があります。この居住性により、トルコにおいて課税される所得の範囲が異なります。

 

[ 居住者の定義 ]

トルコにおいては、以下の要件のいずれかを満たす場合に居住者とみなされます。

 

・ トルコ国内に恒常的な住所(トルコ民法19章に規定される居所)を有する者

・ 1年のうち183日以上継続してトルコに滞在している者(一時的な出国はトルコ滞在の継続期間の中断とはならない)

 

[ 非居住者の定義]

以下の要件のいずれかに該当する外国人は、たとえトルコに183日以上滞在していたとしても 非居住者としてみなされます。

 

・ 特定的かつ一時的な目的によりトルコに入国する実業家、科学者や芸術家、専門家、役人、マスコミや報道記者、また学業、傷病治療や旅行目的のために入国した者

・ 有罪判決、禁錮または、不可抗力的な病気などの理由でトルコにおいて拘束された者

 

 

■ 課税対象

以下の要件のいずれかを満たす場合、トルコ国内、国外を問わずその者が得た収益や利益がトルコにおける個人所得税の課税対象となります。

 

・ トルコ居住者

・ 政府機関、法人企業またはトルコ中央機関や企業によって雇用される海外に居住しているトルコ人(ただし、居住地国で既に所得税等を納めている者については非課税)非居住者の場合は、トルコ国内で発生した所得のみがトルコにおける個人所得税の課税対象となります。それ以外の国外所得については、トルコ以外のそれぞれの国において課税されることになります。

 

トルコの税法上、居住者とはトルコ国内においてトルコ国内に住所を有する、または滞在日数が183日以上と定義されています(P.193 )。

一方、日本の所得税法では、国内に住所を有する個人または現在まで継続して1年以上居所を有する個人を居住者と定義していることから、特定の場合においては、日本とトルコの双方で居住者の認定を受けるケースが考えられます。

両国で居住者と認定され、所得に対する二重課税が発生する場合には、日本とトルコの間で締結されている租税条約に基づき、いずれかの国を居住国と定めた上で申告等を行うことになります。

 

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城


 


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トルコにおける現法基本税制

2017年04月25日 | お知らせ

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログはトルコにおける現地法人の基本税制について書かせて頂きます。

 

<トルコ側>

 

トルコに現地法人を設立する場合、当該法人はトルコの内国法人に該当するため、その法人が得たすべての所得(全世界所得)に対し、トルコの法人所得税が課されます。法人所得税率は支店と同様、20%です。現地法人を設立した場合、厳格なコンプライアンスが求められるだけでなく、税務関連の規定が多数適用されます。

トルコ子会社から日本親会社に対して配当を支払う場合、トルコ国内法によると15%の源泉税率が課されますが、日トルコ租税条約の要件を満たす場合は、配当に対する源泉税率につき10%または15%を適用することができます。

 

<日本側>

 

現地法人を設立した場合は、別法人同士となるため、駐在員事務所、支店と異なり、費用負担や取引に対して厳格な区分が求められます。特に、50%以上の資本関係がある場合には、トルコ現地法人との間の取引について移転価格税制の適用対象となります。その他の税務規定については、取引対価の送金時の源泉課税の有無や、出向する者に係る給与負担等に対する税務リスクに留意しなければなりません。

 

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城


 


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トルコにおける支店税制

2017年04月18日 | トルコの税務

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログはトルコにおける支店税制ついて書かせて頂きます。

 

<トルコ側>

 

トルコに支店を設置した場合にはトルコにおける外国法人として取り扱われるため、トルコ国内での源泉所得に対してトルコで法人所得税が課されることになります。その場合の法人所得税率は内国法人と同様、20%です。

トルコ支店において利益が発生した場合に、トルコ支店から日本本店へ利益送金を行う際には、支払額に対して15%の利益送金税が課されます。

 

<日本側>

 

日本本社の課税所得の計算上、トルコ支店で発生した損益は、日本本社で合算して申告を行う必要があります。現地損益の換算レートについては、原則として支店の財務諸表の合算時(決算日)の為替レートによります。トルコ支店で利益が発生している場合、現地で法人所得税が課されることになりますが、日本側での法人税の申告上、トルコ支店で発生した損益が合算されるとなると、トルコ支店で発生した利益分に対して、トルコと日本の両国で課税されることになります。トルコと日本の国際的二重課税を回避するために、外国税額控除の規定が定められています(P.179 参照)。

日本本社がトルコ支店から利益の送金を受ける場合には、15%の源泉税が控除された残額を受取ることになりますが、この支店利益送金税についても、所得に対する税金として日本側で外国税額控除を適用することが可能です。

 

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城


 


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トルコにおける駐在員事務所税制

2017年04月11日 | トルコの税務

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログはトルコにおける駐在員事務所税制ついて書かせて頂きます。

 

<トルコ側>

 

トルコに駐在員事務所を設立した場合、営利活動は禁止されており、活動目的は情報収集や市場調査等に制限されます。そのためトルコにおいてビジネスから生じる収益が計上されることはなく、結果として所得に対する課税も発生しないため、税務上のリスクは限定的です。

ただし、駐在員事務所において営業活動を行っているとみなされ、当該事務所がトルコ税務当局よりPEとして認定された場合、当該事務所は日本本社の支店(外国法人)として、トルコで発生したものとみなされる所得に対してトルコの法人所得税が課されます。

トルコ駐在員事務所における 給与支払については 個人所得税が課されないため、非常に優遇された形態といえますが、駐在員事務所から法人へ組織変更を行う場合には、そのぶん税負担が過大となるため注意が必要です。

 

<日本側>

 

トルコの駐在員事務所で発生した経費については、日本側の課税所得の計算上、日本側の経費に合算された上で課税されることになります。現地発生経費の換算方法は、原則として日本における現地通貨の期末時点の為替レートによることになります。

 

 

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

 

高津 幸城


 


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トルコにおけるタックス・ヘイブン対策税制 ( CFC税制)

2017年04月04日 | トルコの税務

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週のブログはトルコにおけるタックス・ヘイブン対策税制( CFC税制)について書かせて頂きます。

 

日本における タックス・ヘイブン対策税制と同様、CFC(ControlledForeign Company)税制はトルコ所在会社がトルコ以外の外国会社を50%以上の出資により直接または間接的に支配している場合に適用される規定です。以下の要件を満たす場合には、被支配法人の利益が配当として支払われたか否かにかかわらず、その海外子会社で発生した収益は、トルコ法人の持分比率に応じた金額がトルコ法人の所得として扱われ、トルコにおいて20%の法人所得税が課せられます。

 

・ 被支配外国法人の総収入のうち、配当、利子、賃貸料、ライセンス料、事業以外の有価証券売却益、農業収益等の収益の割合が25%以上である

・ 被支配外国法人が所在する国の所得に対する実効税率が10%未満である

・ 被支配外国法人の年間の総収入が、10万トルコリラに相当する額を超えている

 

以上となります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。


 


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