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タイの財務諸表作成に関してQ&A

2017年12月13日 09時16分10秒 | タイの会計

こんにちは。

TCF(Thailand)の高橋です。

 

タイの財務諸表作成に関して第二回目は、実際にあったQ&Aに関して

説明していきたいと思います。

 

 

Q:会計スタッフが決算の対応をしているのですが、決算報告書が遅く、監査も遅れてしまいそうです。どのような対策がありますか。

 

A:ポイントとなるスケジュールとスタッフが行き詰まりやすいポイントを抑え、常に状況をアップデートしてもらうように心がけることが大切です。まずは、決算に関わるスケジュールをおさらいしましょう。

1‐12月決算の場合には、

・定時株主総会:4月末

・確定申告:5月末

・監査報告書提出:定時株主総会より1カ月以内

となります。

 ただし、日本の3月決算の会社も多いと思いますので、その場合には、2月下旬~3月上旬には監査をし、定時株主総会、監査報告書の提出をするというスケジュールが多いかと思います。

 

次に、行き詰まりやすいポイントです。

1.決算整理事項

 決算整理事項は大きくは日本と変わりませんが、主に以下のようなポイントがあります。

・棚卸資産

・減価償却費計上

・引当金計上

・経過勘定処理

・VAT精算

2.法定監査指摘事項

 法定監査の指摘事項は上記の決算整理事項とも関わりますが、特にタイにおいては以下の点に留意が必要です。

・親会社との費用付替え処理

・親子ローン処理

・固定資産管理と計上基準

・棚卸資産減耗の取扱

 上記の通り、親会社との費用付替えや親子ローンの取り扱いについては、契約書等の証憑を残す、源泉処理をするべきものはするという対応をとっておく必要があります。最近では監査人がコンプライアンス面への責任を取ることを重要視されていることから、法定監査においてコンプライアンス面の確認が入ることもみられます。

 タイの固定資産計上については前述の通りです。原則1年以上使用するものは金額に関わらず固定資産計上ですので、留意が必要です。

 また、棚卸資産が実際の在庫と簿価で差異が生じる場合には、棚卸差異の損益で処理をすることが一般的に多くなります。ただし、棚卸減耗については特に税務上損金不算入であるという点にも留意が必要です。

 指摘が入りやすいポイント、自社での今期の取引でインパクトの大きい取引については特にどのように処理されているか、ペンティング事項がないかをスケジュールとともに把握することが大切です。

 

Q:1-12月会計期間の当社で決算対応をしておりますが、棚卸資産の実地棚卸時の数量と帳簿上の数量に差異が生じています。数量が多い場合、少ない場合でどのような対応が必要でしょうか。

 

A:今回のように棚卸資産の差異が生じている場合には、実際の数量が多い場合には棚卸差異益等、少ない場合には棚卸減耗にて処理をするのが一般的です。

<実際の数量が多い場合>

在庫/棚卸差異益

<実際の数量が少ない場合>

棚卸減耗損/在庫

棚卸減耗については、原価性の有無により、売上原価、営業外費用のいずれかに区分、もしくは、雑損益で過不足の調整となります。 ただし、タイにおいては、棚卸減耗、雑損のいずれの場合においても損金不算入の取扱が一般的です。そのため、税務当局や監査人等の立会対応は本件では不要です。

また、棚卸減耗損については、VAT計算上みなし売上としての課税の取扱となる可能性がありますので留意が必要となります。

例えば、

簿価:THB 1,000

実価:THB 800

の場合、差額のTHB 200にかかる売上、例えば市場価格がTHB 300とすればTHB 300×7%=THB 21をVAT Report上売上にかかるOutput VATとして計上する必要があります。

つまり、みなし売上としてVATを計算するということです。なお、この場合にインボイスの発行は不要です。

市場価格については、通常同一/類似の商品の販売がある場合にはそれを参照します。みなし売上として申告する金額と同一/類似の商品の販売価格が大きく乖離する場合には、指摘を受ける可能性もありますので留意が必要です。

 

Q:タイでは一般的な支払期間がありますでしょうか。支払条件を決定し、通知する際に一般的なタイでの条件と通知方法を確認したいと思っています。

 

A:支払期日、支払期間で法定のものは御座いませんので、五十日でいくつかパターンが見られます。締め日は末日が多く、支払いは月末か5、15日などが多くなっています。

支払い期間は30日/45日/60日が多くなっています。なお、一定期日以内の支払いにかかる割引は多くはありませんが、見受けられます。一方、支払期日を超える場合にはペナルティを要求するケースもみられます。

支払条件の通知は見積もり、契約書、請求書等に記載することで対応可能ですが、別途通知書を送付するケースも見受けられます。

別件となりますが、月次決算時の売掛金については、総額ベースで月次の当月の売上プラス30日超の支払い期間の概算合計を超えた売掛金が残っている場合には、未回収債権がありますので、売掛金の年齢表に基づき、支払依頼をし、長期で未回収債権が残ることのないようにしていただければと思います。

 

開示内容

非公開会社の場合、①監査済の貸借対照表および損益計算書、②取締役事業報告書と③監査人が作成する監査報告書で構成される年次報告書を作成しなければなりません。

キャッシュフロー計算書については強制ではないため、企業の任意で提出するものという位置づけになります。また連結財務諸表は原則作成すべきとされていますが、例外として単体財務諸表のみでも良いとされています。

財務諸表の雛形についても、標準となるフォーマットが1976年の商務省令第2号に示されていますのでこれを参考にすることになります。また取締役事業報告書は、日本の事業報告書と同じようなもので、民商法典1197条に基づき、株主への事業説明資料として株主総会への提出が義務付けられています。

 

貸借対照表と損益計算書はタイ会計基準に基づいて作成されなければならず、他国の会計基準に基づいて作成された財務諸表の提出は認められていません。また言語と通貨についても制約があり、それぞれタイ語、タイバーツによって表記されることが義務付けられているため、タイ以外の言語・通貨によって表記される財務諸表を正式のものとして提出することは認められていません。タイ語以外の言語を付記することは認められてはいるものの、タイ語での表記が必要なことに変わりはありません。

 

■ジョイント・ベンチャーを除く支店、駐在員事務所、地域事務所など外国企業の場合

支店のマネージャーが監査された財務報告の写しを会計年度の決算日より150日間以内で登記官に提出することが義務となり、株主総会、株主承認等は不要です。

 

弊社では、主に会計、経理担当者に特化した人材紹介も行っております。

弊社の基準を満たしたスタッフのご紹介を行っているため、安心して経理業務を任せられるスタッフの採用を行うことができます。

もし、経理スタッフの採用を考えている方がいらっしゃいましたら、

ご連絡頂ければと思います。

 

以上、何かその他のことに関しましてもタイビジネスで御不明点等がございましたら、気兼ねなくお問い合わせいただければ幸いでございます。

 


 

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