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フィリピンQ&A フィリピンの法人所得税の概要について

2017年05月18日 15時17分48秒 | フィリピンの税務

こんにちは、フィリピン駐在員の大橋です。

 

今週のブログはフィリピンのQ&Aについて書かせて頂きます。

 

Q フィリピンの法人所得税の概要ついて教えて下さい。

 

→フィリピンでは、法人所得税に関する税金は大きく4つあります。

 

①法人所得税(Corporate Income Tax)

②最低法人所得税(Minimum Corporate Income Tax通称:MCIT)

③繰越欠損金(Net Operating Loss Carry Over 通称:NOLCO)

④不当留保金課税(Improperly Accumulated Earnings Tax 通称:IAET)

 

では、1つずつ概要を見ていきましょう。

 

①法人所得税

フィリピンでの法人所得税は、基本的に日本同様に、売上から各種費用を差し引いた会計上の税引前当期純利益に対して、税務上の益金や損金の項目を加減算したものが課税所得となります。当該課税所得に対して、一律30%の税率を課したものが、法人所得税となります。

申告納付については、年次の確定申告(BIR Form 1702)に加えて、四半期申告(BIR Form 1702Q)が義務付けられています。

四半期申告の期限は、四半期末から60日以内、年次確定申告の期限は、事業年度末より3ヶ月+15日となっています。

留意点としては、一般的に所得の発生しない駐在員事務所(Rep Office)であっても申告が求められますのでご注意ください。

 

②最低法人所得税(Minimum Corporate Income Tax通称:MCIT)

最低法人所得税(以後、MCIT)とは、事業年度4期目以降(事業立上げの1~3年は赤字が想定される事を配慮した為)の法人を対象とした制度になります。

4期目以降、課税所得がマイナスの場合、又は法人所得税がMCITよりも少額となる場合に適用されます。

MCITは、粗利に対して2%を課税した額となります。

法人所得税とMCITを比較した際に、MCITの方が上回る場合に、MCITを申告納付することになります。

特徴としては、MCITを納付した事業年度以降、当該年度における法人所得税を上回る金額を翌年以降3年間、繰り延べることが認められています。よって、翌事業年度から3年間は、通常の法人所得税から控除することが可能です。

留意点としては、翌事業年度に発生したMCITとの相殺は認められませんのでご注意ください。

 

③繰越欠損金(Net Operating Loss Carry Over 通称:NOLCO)

事業年度末で課税所得がマイナス(欠損金)となった場合に、当該欠損金は翌事業年度から3年間にわたって、発生した課税所得との相殺が可能となる制度です。

また、NOLCOは、PEZA登録企業のような優遇税制を享受している企業は対象外となります。

なお、欠損金の繰り戻しといった制度はありませんのでご注意ください。

 

④不当留保金課税(Improperly Accumulated Earnings Tax 通称:IAET)

不当留保金課税とは、主に同族会社(Closely-held Corporations)を対象とした配当等をせずに企業内留保することで株主の個人所得税回避を目的とした不当な剰余金に課せられる制度となります。

事業における合理的な理由がない払込資本金を上回る剰余金は、税率10%での課税がされます。

また、金融機関や保険会社、PEZA登録企業に関しては対象外となります。

留意点としては、IAETに関してはフィリピン会社法にも記載があり、資本金を超える剰余金を保持することは禁止されていますので、超過剰余金をある企業は、事業上の合理的必要性を示すべく、財務諸表の注記にて当該超過剰余金の使途(設備投資等)を明記することが必要になります。

 

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

以上


 

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