東京コンサルティンググループ・フィリピンブログ

毎週木曜日更新
東京コンサルティンググループ・フィリピン駐在員より、現地から生の情報、声をお届けします。

Wiki-Investment

フィリピンの税務あるある②

2017年01月19日 10時37分22秒 | フィリピンの税務

東京コンサルティングファームフィリピン・セブ支店駐在員の日比野です。

今回も引き続きフィリピンの税務調査時のあるあるをお伝えします。

 

前回は「申告漏れ」についてでした。今回は「海外取引における源泉徴収漏れ」についてご紹介したいと思います。

 

フィリピンで事業を行っていれば当然、フィリピン人に経理を依頼するものです。優秀な経理の方であれば、フィリピン国内の税務を完全に理解して日々の会計業務を行ってくれます。そんな方でも海外取引が絡む際には、税務の取り扱いを把握していない場合があります。

 

例えば、源泉徴収税が国内では2%の一般的なサービスがあります。これがフィリピン国外にある法人からのサービスである場合、支払いをするときに30%の源泉徴収をフィリピン法人が行い、最終源泉徴収税(FWT: Final Withholding Tax)として申告をする必要があります。

一つ目の落とし穴が、この税率の差、つまり28%分がFWTとして申告されていなかったことによる、ペナルティを受ける可能性があることです。

 

さらに、この最終源泉徴収税30%は、日比租税条約を適用すれば0%に低減させることが出来ます。そこで租税条約を知識として知っている経理の方が0%を適用します。ただし、この低減税率を受けるためには租税条約の申請(TTRA:Tax Treaty Relief Application)を行う必要があります。もしサービスフィーの支払いまでにこのTTRAが税務局に申請されていなければ、この0%の税率は受けられず、通常の30%の税率が適用されてしまいます。

 

優秀なフィリピン人経理であっても、こういった税務まで把握していないことは、しばしば見受けられます。適用申請が遅れることにより、国税(BIR)と税務裁判になるケースもあります。

 

特にフィリピン国外に対して、サービスへの支払いが発生する会社において、TTRAを適用すること、フィリピン経理担当者にも認識を共有しておくことが重要と考えられます。

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 セブ支店 日比野和樹


 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

フィリピンQ&A 現地法人設立と支店設立の違いについて

2017年01月19日 09時42分14秒 | フィリピンの法務

こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

 

今週のブログはフィリピンのQ&Aについて書かせて頂きます。

 

Q 支店と現地法人どちらを設立しようか迷っています。両者の違いを教えて下さい。

 

→以下のような違いがあります。

 

①    責任について

支店の場合にはフィリピンで訴訟等起きた際に、本店に責任が及びます。

現地法人の場合には、親会社に及ぶ責任は株式の出資の範囲に限られます。(株主の有限責任)

 

②    会社設立の際に求められる役員について

現地法人の場合には、取締役が最低5人(過半数はフィリピン居住者)、財務役が1名(実務上フィリピン居住者が求められる)、会社秘書役が1名(フィリピン人)必要です。

支店の場合には、居住代理人(フィリピン居住者)1名で法人設立が可能です。

 

③    設立の際の書類作成について

支店の場合には本店の定款、登記簿謄本、財務諸表の英語訳やそれらの公証・認証が必要になります。

現地法人の場合には、親会社の財務諸表やその公証・認証は不要です。

 

④    設立手続きについて

支店の場合には、SEC登録の前に銀行でTITF口座を開設し、運転資金を海外から送金し、払込証明書を取得する必要があります。上記書類の公証・認証、及びTITF口座の開設等の手続きのために、通常支店の設立には書類作成からSEC登録、地方政府への登録、BIR登録、各種社会保険登録までで5カ月程度かかります。

 

現地法人の場合には、TITF口座の開設及び払込証明書なしでSEC登録が可能になっています。※現時点(2017年1月)でセブ島でのSEC登録を行う際には、TITF口座の開設及び払込証明書が必要になっています。

現地法人の設立はSEC登録、地方政府への登録、BIR登録、各種社会保険登録までで4カ月程度かかります。

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

以上


 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

フィリピンQ&A 医療ビジネスに関する規制について

2017年01月12日 11時43分14秒 | フィリピンの法務

こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

 

今週のブログはフィリピンのQ&Aについて書かせて頂きます。

 

Q 病院ビジネスに外資の規制はあるのか?

 

→病院ビジネスについて、外資規制はありません。

それゆえ、外資100%での法人設立も可能ですが、外資40%超の会社を設立する際には、払込資本金として20万ドル以上投資して頂く必要があります。

 

なお、病院を設立する際には、SECにおける会社登録の前に、保健省(Department of Health)から事前の承認書(Endorsement)を取得する必要があります。

このEndorsementを取得する際には、以下の書類が必要になります。

・Permit to Construct

・License to Operate

・License to operate the Clinical equipment such as x-rays, laboratory and pharmaceutical .

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

以上


 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

フィリピンの税務あるある①

2017年01月12日 10時24分17秒 | フィリピンの税務

東京コンサルティングファームフィリピン・セブ支店駐在員の日比野です。

今週からは税務調査のあるあるをお伝えします。

 

まずは税務調査で必ず指摘される「申告漏れ」についてです。

 

フィリピンにおいては月次で拡大源泉、給与源泉、VATを申告する必要があります。四半期ではVAT税、法人税、フリンジベネフィット税等があります。詳しくはBIRの登録書であるCertificate of Registration(通称:COR)にて会社の申告内容が確認出来ます。

そのCORに記載されている税目に対して、会社は申告をする必要があります。しかし、その申告が漏れているケースがあります。

申告漏れの有無はBIRに対して、タックスクリアランスを行うことで、確認が出来ます。この確認により、申告漏れがある場合は、Open Case(未コンプライアンス有)という状態になっています。Open CaseをCloseするため、BIRに対して未申告によるペナルティを支払い、手続きを行います。

フィリピンの税務調査は3年前の財務諸表を調査対象としています。税務調査で未申告を指摘される場合、必然的に一定期間が経っており、ペナルティの額が大きくなる可能性があります。

 

定期的にBIRにおいて、未コンプライアンスが無いかを確認したり、税務調査において指摘を受けたときに対応が出来るよう、事前に会計の専門家と相談しておくことが良いと考えられます。

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 セブ支店 日比野和樹


 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

フィリピンの会計あるある⑤

2017年01月05日 11時14分31秒 | フィリピンの会計

東京コンサルティングファームフィリピン・セブ支店駐在員の日比野です。

今週まで連載を続けていたフィリピンの会計あるあるをお伝えします。

フィリピンの経理に携わる方には、いくつか頷かれる内容があったかもしれません。

 

今回は下記の2つを挙げさせていただきます。

 

・引継ぎがされず、過去の仕訳方法が不明瞭である。

・今まで使われていなかった新しい勘定科目を作る。

 

今回の2つは引継ぎに関して起こる内容です。

フィリピンは他の東南アジア諸国同様、転職率が高いと言われています。フィリピン人の強みである英語を生かして世界に羽ばたくフィリピン人も多くいます。そのため、会社としては引継ぎに対するリスクを回避しておく必要があります。

 

 会計においては、同じ経理担当が自分の分かるような記帳方法で、会計処理をしている場合があります。いざその担当者が離職をする際に、引継ぎが行われない、不明瞭で後任者が理解できないというケースが往々にして起こります。

日本人のような丁寧な引継ぎは珍しく、急に担当者が出社しなくなった、1週間の引継ぎで海外に行ってしまった、海外に行き連絡が取れなくなった、という話も、通常起こり得ます。

 長年経理を務めた担当者の知識は全て当人の頭の中にあり、それが見える化されていないことが大きなリスクとなります。また過去の仕訳内容が把握出来るように、常に元データを残したり、会計ソフト上に詳細を摘要として残しておくことで、過去の記帳を精査したときに当時の状況が分かるようにすることが重要です。

 

 さらに担当者が変わったタイミングで、過去の仕訳を確認せずに、自己流で新しい会計科目を追加されている財務諸表も見られます。経理担当の変換期に以前使われていた経費科目が発生しなくなり、新たな科目で同内容の費用が計上され始めます。

 

 フィリピンのような離職率の高い国でこそ、会計方針、ルール、マニュアル等を作成して、常に一定のクオリティで経理業務が行われるような対策が重要となります。

 

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 セブ支店 日比野和樹


 

コメント
この記事をはてなブックマークに追加