インドネシア進出支援ブログ/東京コンサルティンググループ

毎週火曜日更新
TCFのインドネシア駐在員より、現地から生の情報を発信し、インドネシア進出をサポートいたします。

コンプラ

2017年03月21日 11時06分18秒 | インドネシアの経営

こんにちは。東京コンサルティングの徳田です。

 

今回は、東京本社M&A担当コンサルタントの湊から、コンプライアンスについての記事を寄稿して頂きました。

 

…………………………………

海外コンプライアンスサービスに関し、コンプラツールを提供する企業と提携することが決まったことや、企業研究会セミナーでコンプラ関連のセミナー講師を何度か務めたこともあり、海外でのコンプライアンス対応について調べたり考えたりする機会が増えました。

 

そんな中、アジアでの贈収賄に関し、以下のような調査結果を見つけました。

 

報告書によると、各国のワイロの割合や人口を基に計算すると、過去1年間で賄賂を支払ったのは、16カ国で推定9億人にのぼる。賄賂を支払った人の割合が高い国は、インド(69%)やベトナム(65%)で、教育や医療などの基本的な公共サービスを受けるために、賄賂を支払いを要求されるケースが多いという。

公共サービスの中でも、賄賂を求めるのが最も多いのは警察で、過去1年に警察と連絡を取った人の3分1弱が、金銭を渡したことがあったと話した。

 

(参照)アジア人の4分の1がワイロ経験 日本でも... (調査結果)

http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/07/bribe_n_15203286.html

 ※引用元:The Huffington Post 2017年3月14日

 

警察が最も賄賂を求めるって、自分の過失でなく事故とかに巻き込まれたら最悪ですね。駐在員の皆様はくれぐれもお気を付けください。

 

日本では、外国公務員への贈賄について、個人への罰則として「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金(又はこれの併科)」、法人についても「3億円以下の罰金」が課される可能性があります。

日本で逮捕されるだけで済めばまだましですが、駐在員等が現地法に基づき現地で逮捕されたり、ローカルスタッフが逮捕された場合、現地法人や親会社に責任追及が及ぶリスクもあります。

 

世界的に、贈収賄については厳罰化の傾向が強まっています。例えば、イギリスの贈収賄法では、贈賄が行われた国に関わりなく、外国企業であってもイギリスにかかわりがあれば訴追する、としています。つまり、日本企業がアジアで贈賄しても、イギリスで製品販売していればイギリスで処罰される可能性がある、ということです。

新興国の場合も、必要悪・商習慣として贈収賄を行っていると、大統領が変わったタイミングや行政の気まぐれで、ある日突然厳罰化が徹底される危険性もあります。

 

新興国への進出・設立手続が徐々に容易かつ安価になってきたとはいえ、高いコンプラリスクがあることは理解し、駐在員やローカルスタッフへの教育・研修・意識付けを徹底していく必要があります。

 


 

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インドネシアの「製造物責任」

2017年03月14日 15時59分14秒 | インドネシアの法務

こんにちは。東京コンサルティングの徳田です。

 

1.       はじめに

わが国では、消費者主権が叫ばれるようになり、1994年に製造物責任法(いわゆるPL法)が制定され、消費者保護がより強化されることになりました。そして、インドネシアにおいても、1999年には消費者保護法の一つとして製造物責任が明記されることになりました。

とは言え、わが国では、事業者に過失があった場合には不法行為責任として損害賠償請求をすることができる規定は、民法上規定されており(709条)、そもそもどこが違うのかという点について詳しく知られる方は少ないと思います。ましてやインドネシアにおいてはなおさらでしょう。  

そこで、本稿ではインドネシアにおける製造物責任について、日本法と比較しつつ説明致します。

 

2.       日本における製造物責任法の意義

 日本の民法709条において、不法行為に基づく損害賠償責任が出来るとされています。しかし、不法行為責任は、①不法行為②故意・過失③因果関係④損害それぞれの全てについて、被害者側が立証責任を負っています。相手方の故意・過失を立証する、これは訴訟実務上大変難しいことです。

他方、製造物責任法では、「製造物」の欠陥によって損害を被った場合、事業者の無過失責任が認められます。つまり、被害者は加害者側の故意・過失を立証する必要がなく、製造物責任に基づく損害賠償請求をすることが出来ます。この点が従来の民法上の不法行為責任と大きく異なる点です。(ただし、被害者側に過失があった場合、民法722条2項により過失相殺がされる。)

 

3.       インドネシアでの製造物責任

 インドネシアでも、日本法と同様の不法行為責任が規定されています。これに対し、製造物責任規定はどうでしょうか?

・無過失の抗弁

インドネシアの製造物責任規定では、日本とは異なり、無過失の抗弁が認められています。つまり、事業者が無過失であることを立証した場合には、責任を免れるということです。

・販売者が責任を負うか

 製造者には当然責任が認められるとしても、販売者についても責任が認められるか否かについては、違いが見られます。インドネシアでは販売者についても製造物責任が認められます。これに対し日本では販売者は製造物責任の対象とはなりません。

・出訴期間

 インドネシアでは4年、日本では10年の除斥期間が設けられています。

・裁判外紛争解決手続制度(ADR)

 インドネシアにおいても、日本においても、いずれも裁判外で紛争を解決できる仕組みが整えられています。特にインドネシアでは、消費者保護法により消費者団体等による訴訟が認められています。


 

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駐在員事務所における「現物給付」の取り扱い

2017年03月07日 15時57分18秒 | インドネシアの税務

こんにちは。東京コンサルティングの徳田です。

 

駐在員事務所の駐在員は、住居費用を会社負担とすることが多いですが、その費用は「現物給付」として、個人所得税計算上、現地法人の場合と取り扱いが異なる場合もあります。

 

例えば住居費用ですが、現地法人(PT)と駐在員事務所(RO)とでは、税務上取り扱いが異なります。

 

現地法人の場合であれば、住居費用を損金不算入として会社に対し課税の対象とすることが出来ます。

 

これに対し、駐在員事務所の場合ですと、会社に対する課税の対象と出来ないため、住居費用は個人所得税の一部として課税の対象となります。(税務局長通達SE-18/PJ.431)


 

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情報戦

2017年02月28日 15時49分52秒 | その他

東京コンサルティングの徳田です。

 


「百金を惜しみて敵の情を知らざるは、不仁の至りなり。」(『孫子』用間篇)

 

自衛隊生徒の頃の話。

当直についていたある日の夜、大河ドラマを当直室で観ていました。

大河ドラマは戦国時代と幕末が交互に取り上げられますが、確か山内一豊を取り上げたものだったと思います。一豊は信長を何等かの理由で追いかけていました。

突然、当直幹部だったH1尉が私に、「いまの時代に信長から学ぶべきは何だ?」と聞いてきました。

少し考えたあと、「え~っと、革新性・・・ですかね?」と答えました。

するとH1尉は、「それもあるけど、俺が一番大切だと思うのはな、『情報』だよ」と仰っていました。

確かに信長は、誰よりも情報の重要性を理解していました。

例えば桶狭間の戦いの際、今川義元の首を取った者よりも、義元がどこに布陣しており、どういう状態なのかを知らせたスパイを最高の功労者としています。

 

というのも当時、義元は大軍の本隊とは離れた場所で、少人数で休息を取っており、また酒宴を開いていたといいます。そこを一点集中、信長の全軍が奇襲したことが勝利の最大の要因である。したがって、かかる情報をもたらしたことが勝利のために最も貢献したと言えるからです。

 

「一番大切だと思うのはな、『情報』だよ。」

 

この言葉は、後の人生で何度も反芻されます。

 


 

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配当について

2017年02月21日 15時47分59秒 | インドネシアの法務

配当についてご質問がありましたので、以下まとめておきます。

 

 ・配当上限額の制約

原則として、払込資本金の20%に達するまで、毎年法定準備金を積み立てる必要があります(会社法70条1項)。

これは毎年一定額の積立金を要求するものなので、毎年必ず20%の法定準備金を積み立てる必要があるわけではありません。

それ以上の利益額があれば、残りを配当することが出来ます(会社法70条3項、71条2項)。

 

     ・源泉税

①25%以上の株式を有する法人:非課税

②25%未満の株式を有する法人:15%(ただしNPWPを持たない場合、+20%)

③個人:10%

④日本の親会社が株主:10%(租税条約によるため)

     ・回数

原則として、決算日から6ヶ月以内に行われる定期株主総会で決定されます。

例外として、定款に記載があれば中間配当可能です(同法72条1項)。 

     ・株主総会の開催と決議等

前述の通り、株主総会決議が必要です。こちらは定款記載の場所で開催する必要があります(同法76条1項)。

例外として、株主全員の合意があれば、書面にて決議することができます(91条)。

 


 

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