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エンジュの木

2018年02月12日 | しっちょる岩国

 吉香公園は錦帯橋を渡った横山にある。もとは岩国藩主吉川家の居館跡で、130年余り前に植栽された染井吉野を始め、四季折々の花が鑑賞でき、藩政時代を偲ばせる文化財指定の建物などが点在している。園内には見上げるほどの大樹も多くあり、これらを巡るオリエンテーリングで子どもらが楽しむ催もある。

 そんな大樹のひとつに山口県指定天然記念物の「エンジュ」の木がある。場所は国重要文化財「吉香神社」すぐ横で、大きな標識と掲示でその重要さが示されている。エンジュは中国原産の木で、古くから止血や血圧降下に用いられたという。公園や街路樹として植えられているが、吉香公園のような大木はまれで、1979年12月に天然記念物に指定された。

 そのエンジュの木の天然記念物指定が解除され、さらには伐採されるかもしれないという。その原因は数年前から弱っていることを確認、手を尽くしてきた。さらに、腐食の原因となるベッコウダケが見つかり、根元や幹の腐食、空洞化も進行していて、回復できる状態になく、強風などで倒木の可能性もあると診断されたという。

 エンジュの植栽時期は明らかでないというが、指定当時は高さ25㍍、幹周囲は3.3㍍、樹冠は整正で樹勢は旺盛、国内で群を抜いていた。夏季には黄白色の豆花幾度も見上げていたが見られなくなりそうだ。貴重な野鳥も飛来する大樹で、知人の野鳥写真家からは幾度となく珍しい生態が撮れた話を聞いている。文化財や観光客へ被害を及ぼす前にもう少し早く何とかならなかったものかと残念に思う。
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