日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

もみ殻の力

2017年11月13日 | 生活・ニュース

 仲間内との月一度の農園作業でもみ殻をよく使う。種蒔きや苗植えなどの後にもみ殻の保温や保湿性を利用して生育を促すため、畝や根元に撒く。それは有効効果だけでなく外見上の見た目もすこぶる向上させる。ひと仕事した喜びを覚える。

 父は菜園で収穫し越年するサツマイモなどは戦前から家の床下にある防空壕に保存していた。その時、家は米作りをしていないので知り合いから分けてもらったもみ殻の中で保存、それは50年以上も前の思い出になる。子どもころ、米の脱穀が終わった後の田にはもみ殻が小さな富士山の形でいくつも並んでいた。もみ殻の富士がどのように活用されたかは知らない。

 もみ殻を子どものころから「すくも」と意味など知らぬまま聞き覚えに呼んでいたが今もその癖は抜けていない。籾米の外皮をもみ殻と呼ぶのが広辞苑によると正解のようだ。すくもは地方の呼び方という。ちなみにその米から摺り落とした物は「すりぬか」という。「すくも部屋」という表現があり、その意味は、もみ殻を入れる部屋の一室とある。また、すくも火は、すくもを焚く火を表す。「山賊の蚊を厭ひけるすくも火に」、古い歌がある。

 祖母はもみ殻を使って柿の渋抜きをしていた。渋柿を綺麗にして木製のもろぶた(餅箱)に並べる。並べ終わったら、もみ殻で柿全体を覆い隠し蓋をして年を越す。祖母の経験した塾しの時間が来ると蓋を開ける。もみ殻を除くと赤く熟した柿が現れる。それは幾つも並んだ赤富士のようだったと記憶している。挑戦してみようと思いながら毎年干し柿になる。来秋にはぜひ試してみた。
コメント (2)
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