日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

心をそろえる

2017年06月08日 | 社会 政治


 ある公共施設で「藤本幸野ことば、絵は上田えい子」と記された大きな大きな絵手紙風の「はきものをそろえる」という題の子ども向けの掲示が目についた。絵は、頭長に角が1本、閉じた口からは少しだけ赤い舌が見え、口の両端には2本の牙がのぞいている。大きな目大きな鼻の青鬼、しかし、鬼の怖さを感じないのはどこかおどけた顔がそう思わせるのだろう。

 掲示は「はきものをそろえると心がそろう 心がそろうとはきものもそろう そうすれば世界中の人のこころもそろうでしょう」という趣旨で、履物をぬぐときそろえておくと履くときも心が乱れない、乱しておいていたら揃えよう、と子供にもわかるように大きな字で書いてある。鬼の周りに描かれた子どもらの表情が明るく、揃えてある鬼の草履が懐かしい。

 連日、国内外を問わず報じられる殺伐たる痛ましい事件、何百万人という飢えで死していく子どもらなど暗く先行きの見通せないことが多すぎる。呼びかけにある世界中の人が心をそろえて何とかしよう、その呼びかけの意味はよく理解できる。子どもだけでなくそれらを守る大人たちへの呼びかけでもある。

 掲示を読んである日のことを思い出した。30人ほどの集会が終わり会場から玄関に出た。玄関の土間には参加者の履物がきちんと揃えてあった。どなたが揃えられたのだろう、そう思いながら気持ちよく家路についた。「履物をそろえると心もそろう」、遅ればせながらも新しい気遣いを教えるいい言葉に出会えた。
コメント
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