鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2517回】 具体的かつ未来を語らないと・・・

2017年11月20日 | 住宅コンサルタントとして
昨日は長男が通っている高校のPTAの主催で
ある講師の方をお招きしての講演会に参加していました。

その方は、元アナウンサーで、
奥様が妊娠された後、乳がんが発見されてしまったんです。

子どもが体内にいるので、抗がん剤を使った治療だと
せっかく授かったお子さんをあきらめなくてはならない。

奥さんの命を取るか、お子さんを出産するか、という決断を
妊娠してすぐに決断しなくてはならなかった・・・。

結果、ご夫婦で「3人で生きる」という選択をされ、
奥様はお子さんに影響が出ないレベルの抗がん剤を投与し、
出産後、本格的に治療を開始したのですが、
残念ながらお子さんを出産した後、4か月弱でお亡くなりになられたそうです。

本当につらくて、悲しい出来事です。

だって、ほとんどの方にとって、家族あっての自分ですから・・・。

あの時、中絶という決断をして、すぐに抗がん剤治療をしていれば、
ひょっとしたら奥様の命が助かったかも・・・と考えたりもされたかもしれません。

ただ、もしそうであったとしたら、
今度はお子さんを犠牲にしての自分の命を、とも考えられ、
そうすると奥様としたらこれまたずっと辛い現実を背負って生きていくことになる。

もう本当に悲しすぎるエピソードで、何が正解かなんて、誰にも分かりませんよね?

このお話を聞かせていただいて、家内も子どもも健康で生きてくれていることが、
本当は何よりも幸せなことで、これを当たり前だと思ってはならない、と感じました。


ただこの講演で、
講師の方のこの悲しいエピソードは編集された映像で流して下さったので、
非常に分かり易かったのですが、
講師の方の話が抽象的すぎて、全然刺さらなかったんです。

「僕は呼ばれたら、どこにでもいく」
「今日、こうやって皆さんとお会いできたのは、本当に嬉しい」
「人間って本当にあたたかい」
「お子さんやパートナーを抱きしめてください」

これを繰り返すことがほとんどで、あまりの内容の薄さにちょっと衝撃でした。
メインの話に入る前の序章の話が最後まで続くような感じでした。

VTRの内容とのあまりのギャップに、本当にとまどってしまいました。

例えば、「若い女性の乳がん検診を普及させたいと思っている」とか
「シングルファーザー、シングルマザーを支援するために、こんな活動したい」とか、
未来についての話があればもっと良かったのに、とも感じました。

改めて講演の難しいんだな、と思いました。


でも、これって講演だけの話ではなく、いろんな方とのコミュニケーションも同じだと思います。

抽象的な話のオンパレードやと、全然面白くない。
人の心を動かすことなんてできない。

未来の話だと相手の方はイメージしやすい。
それが前向きで良くなっていく話だと、元気がもらえる。

そんなことを今回、学ばせていただきました。

私自身、そういう方向で話ができているか、セルフチェックしていきたいと思います。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする