ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いおやじの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

水の中のつぼみ

2010年08月03日 | ネタバレなし批評篇
後輩の女子がスポーツ万能の先輩に憧れその彼氏に嫉妬する・・・・・・思春期にありがちな宝塚的アレなんだろうなぁと思っていたところさにあらず。本作が処女作となるセリーヌ・シアマというフランス人若手女流監督、自他共に認めるレズビアンだそうで、主演の女の子も、「あの娘はまちがいなくレズ」だと直感した上で街中でスカウトしたというから驚きだ。役の上ではあくまでも“本気(マジ)”というわけ。

マリーが恋焦がれるシンクロのスター選手フロリアーヌは、男子にはモテモテだが、女子のチームメイトからは『娼婦』呼ばわりされている大の嫌われ者。自分に近づいてきたマリーを、彼氏と会うためにアリバイ作りに協力させたり、ディスコでナンパしてきた男と目の前でいちゃついたり、乙女の純心をボロボロにする典型的な悪女なのだ。しかし、そのフロリアーヌにしても、心の中に深い孤独を抱えており、実は○○であることをマリーに告げるのだった・・・・・・

そんな2人の間に割って入るおとぼけキャラ、アンヌの存在がけっこう効いている。フロリアーヌの彼氏を好きで好きでしょうがないこのメタボ少女、ダイエットなどおかまいなしに四六時中甘いお菓子にかぶりついている3人の中では最もガッキーなキャラなのだが、男の気を引こうとするストレートな感情表現がなんともかわらしく憎めない。監督自身もアンヌのような女の子が意外とタイプ?だったりするのではないだろうか。

男に最も縁のなさそうな女子が最も早く処女喪失するこの映画、男という単細胞の獣に対する視線はレズビアンならではの厳しさを感じる。この辺は同じフランス人ゲイ監督のフランソワ・オゾンと共通するテイストなのかもしれない。シンクロの練習風景や、更衣室における女の子同士の何気ない会話、練習後のシャワーシーンなど、(ことさらエロスを強調することもなく)酸っぱさ(子供)と湿っぽさ(大人)が同居したティーンの心理をナチュラルに表現した繊細なタッチは、それなりの評価に値するだろう。

水の中のつぼみ
監督 セリーヌ・シアマ(2007年)
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