ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いおやじの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

闇の子供たち

2008年09月18日 | 映画館で見たばっかり篇
批評家連中の評判がすこぶるよろしい本作品が上映終了になる前に、映画館で見ることにした。阪本順治監督が「覚悟して見てほしい」とインタヴュー等で語った割には、俳優陣の演技からはいまいち真剣度が伝わってこなかった。全編を通じてほとんどタイ語で通した江口と宮崎はともかく、なんちゃってカメラマンを演じた妻夫木の着ていたおちゃらけTシャツを見てしまうと、スタッフがどこまで本気だったのか疑問が残る。

その江口や宮崎にしても『救命病棟24時』や『篤姫』の方が、よっぽど気合が入っていたのではないかと思える可もなく不可もない演技。チェンライのカラオケボックスが幼児売春&臓器売買の巣窟になっているという事実はそれなりのインパクトがあるものの、犠牲になる子供たちや変態白人オヤジ、そしてタイ人悪党一味に、素人に近い俳優?をそのまま起用してしまった点が、本作品最大のウィークポイントになっている。『バルトの楽園』などもそうだが、外国人がたくさんでている邦画というのは、どうしても間の抜けた感じになる場合が多い気がする。

あくまでもタイで行われている非人道的な行いを暴くことが目的の社会派作品ではあるが、観客を映画に引き込むためのストーリーにも魅力が欠けている感が否めない。キーとなる江口のトラウマの原因についても映画中盤ですでにバレバレであったし、宮崎あおいがなぜ子供の救出にあれほどムキになるのかの説明もないまま終わりを迎えてしまう。くわえて映画内容とはあまりにもアンマッチなサザンのエンディングソングは、シリアスな雰囲気を見事にブチ壊してしまっている。阪本監督があれほどプロモーションに躍起になったのも作品に自信が持てなかった証拠ではないだろうか?

政治家の子供(しかも小学生)がホテルで風俗嬢を買っているという乱れた話も実際聞いたことがある日本で、幼児性愛者ごときのネタでは衝撃度も今一つというのが実感である。変態プレーの生々しさだけではタイの子供たちが負った心の傷を推し量ることは難しい。むしろ、臓器売買のシークエンスにおいて、アジアの子供たちの不幸にはまったく無関心で自分勝手な闇の親たちにスポットをあてた方が作品としては引き締まったのかもしれない。

闇の子供たち
監督 阪本順治(2008年)
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