百醜千拙草

何とかやっています

目くらまし

2016-06-17 | Weblog
研究も私生活に関しても日々まずまず平穏で、たいしたニュースはありません。
久しぶりに「内田樹の研究室」が更新されていて、ルモンドの記事の翻訳が紹介されていましたので、すでにお読みになった方も多いとは思いますが、その一部を転載します。

舛添氏の奇癖は以前から知られていた。「2014年の知事選以来、舛添は会計上の規則違反を繰り返してきたと言われている」と都政に詳しいある人物は指摘している。民放テレビやスキャンダル専門紙で連日のように荒れ狂ったメディアの暴風について、この専門家は「攻撃は周到に用意されていたもので、タイミングを計って行われた」と言う。情報筋によれば、この攻撃は計画的なもので、官邸の暗黙の同意を得て行われた。
メディアが知事問題一色に染まったために、報道された場合に政府にとって不都合ないくつかのニュースが結果的に報道されなかった。知事についての報道の開始は、英紙「ガーディアン」が2013年にブラック・タイディングに対してなされた130万ユーロの資金流入についてのフランス当局の捜査について報じた5月11日と同時期である。シンガポールに拠点を置くこの会社はパパ・マサタ・ディアク−1999年から2013年までIOC委員、前国際陸連会長で、現在は汚職で捜査中のラミーヌ・ディアクの息子−の所有するものであり、この資金は日本の五輪誘致チームから出たものと見られている。
日本では、このニュースは二人の人物を巻き込む可能性があった。一人は現在も政界に力を持つ森喜朗元首相。彼は五輪の東京招致を推進し、現在も五輪組織委員会のトップにいる。もう一人はJOCの委員長で、皇族の竹田恒和である。
同じように、舛添氏に対する攻撃は「パナマ文書」の暴露とも同時期だった。日本の400の個人名と企業名がそこに言及されているというのに、日本のメディアはこれについてほとんど何も報道していない。
「さらに、舛添事件によって、7月10日の参院選の選挙選のスタートが丸ごと隠蔽された。これはさまざまな批判、とりわけ経済政策の失敗についての批判を回避しようとしていた政府にとってはまことに好都合なことだった」と専門家は語っている。


やはり、多くの人が違和感を感じたように、このセコい事件を延々とメディアが引っ張ったのは、目くらましだったのでしょう。この記事ではオリンピック招致における「電通」が絡んだ賄賂事件(これはフランスが調査中なので、ルモンドが特に取り上げているのでしょう)、それから、パナマ文書の問題(電通はここでもやっていましたね)への人々の注意を逸らすためであろうという話があります。政府が電通を通じてメディアをコントロールしているという話はずっとあるわけで、お互いの不祥事の報道は抑えたいのは彼らにとっては当然です。

、私は、しばらく前にも書きましたが、自民党の元TPP大臣の収賄事件を不起訴にした事件の隠蔽も大きな理由ではないかとおります。この収賄事件は現職自民党議員のものですから、突っ込まれると選挙に響くということでしょう。それにしてもこの方、収賄事件が公になったら、その瞬間に健康上の理由で国会にこなくなったくせに、不起訴となったら、急に健康障害が完治して政治活動に復帰する、というのだから、現金なものです。これはテスト前のうちの子供の腹痛なみです。

ま、国民は、いつまでもテレビや新聞での政府や広告主に都合のよい話を真に受けて意見誘導される都合のよい存在ではないとは思います。ウチでは既に誰もテレビは見ません。ラジオは生き残っても、全国ネットのテレビ放送という産業はそのうち消えていくのではないでしょうか。
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