未来への絆 【江戸っ子畳職人物語】

この物語は畳の仕事や日々の暮らしを通し
      家族の愛と信頼を
  余すところ無くブログ化したものでる。

平成25年 熊本県八代市 産地研修

2013年07月10日 23時42分54秒 | 【畳】畳職人として

 

平成25年 7月4・5・6の二泊三日の行程で、畳表(タタミのお顔部分にあたるゴザ)の原料でもある、イグサの国内最大の産地、熊本県八代市に、刈り取りの体験と、イグサの素材に対する知識を増やす研修をして参りました。

 

【畳に成型するのが畳屋さんの仕事です。】よくイグサも作っているのですか?と聞かれますが、畳屋さんはイグサを栽培いたしません。イグサ生産農家さんが、手塩にかけ育てたイグサを、収穫し、様々な工程を経て畳表(ゴザ)に製織し、畳屋さんの手元に届きます。その農産物でもある畳表をお客様の畳に加工するのが仕事です。

 

熊本産地に行くのは今回で4回目になります。勉強しに行く度に、知らなかったことに直面し刺激と猛省に包まれます。今まで自分は畳の何を見ていたのか、普段手にする畳表(イグサ)は、どのようにして田にあり、刈り取られ、様々な工程を経て畳表となり、それを畳に成型し、お客様のもとへお届けする。

 

お客様へお届けする自分が、イグサのなっている姿を見た事が無く、その感触や、畳表になるまでにどれだけ生産農家様が、品質を高めようと努力されているのかを、今回自分の目で見る事が出来、大変貴重な経験を積むことが出来ました。自分で見てきたことや、触った感触、香までこれからはお客様とのお話の中で、お伝えできると感じています。

 

今回、少しばかりの体験となり、かえって農家様にご迷惑をお掛けしたやもしれません。イグサ生産者様の一日は過酷です。収穫時期にあたる7月、いぐさ刈りは只今本番真っ最中。九州も梅雨明けし、毎日うだるような暑さの中、自分も少しだけ経験させて頂きましたが、朝三時位から作業を開始し、その日の天候具合や、様々な作業と重なりながら、夜遅くまで作業をされています。天候に合わせた栽培や、加工、品質管理。天候が相手ですからとっても大変な事だと強く感じます。

 

そこから生まれた畳表を自分は生産者様の想いと一緒に、大切にお客様にお届けしたい気持ちが、産地に行く事により、より強く今、感じています。貴重な経験をさせて頂きました、生産農家様始め、お世話になりました全ての方に、新しくお知り合いになった全ての方に、いつも導いて刺激をくれる友に、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。学んだ事を活かして今まで以上に頑張ります。

 

 刈り取ったばかりのイグサです。 ※クリックすると大きくなります。

 

 実際に鎌で切らして頂きましたが、「しゃくっ!!」ていう音を初めて聞きました。

 

 刈り取ったばかりのイグサはとってもみずみずしく、初めての手触りでした。

 

 イグサが成長するにつれ倒れないように張ってあったネットを外します。翌日刈り取る部分を、外しています。

 

 イグサ刈りの写真です。

 

 刈り取ったイグサを専用台に綺麗に積み上げます。慣れない作業でしたので緊張しました。

 

 刈り取ったイグサを綺麗にし熱をとってから泥染め作業になります。

 

【※泥染めの作業は江戸時代中期頃から行われている伝統的ない草の加工方法です。い草を乾燥させて弾力性を保たせ、さらに葉緑素を保護し分解を抑え、白銀色を保たせるために行います。この作業があの畳の独特な香り(リラックス効果のある香り)を生み出すのです。】

 

 泥染めしたイグサを下から乾燥させます。

 

 乾燥したイグサを釜から出し、袋に詰めて保管します。

 

 乾燥したてのイグサは熱く、袋に詰めてからも一週間くらいは熱を持っていると教わりました。

 

作業の一つ一つがより良いイグサを生み出せるように、細かい工夫がされていて、これほどまでに厳しく品質管理されている現状を目にし、生産農家様のイグサに対する熱い気持ちを強く感じました。この想いは必ずお客様に大切に届けたいと存じます。これからも機会を作って、何度でも産地に足を運び、お客様により良い熱い畳をお届け出来るように頑張ります。

 

 


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