たろすけ大分・雑感日記

いつ起きるのがわからないのが大災害。
できる限りの備えをして減災に努めたいと思っています・・。

3人の人質解放… その後に思うこと

2004年04月22日 | 一般ニュースから
at 2004 04/22 21:25 編集

イラクで起きた日本人3人の人質事件には随分と心配させられたが、
全員無事解放されたことは誰もがほっとしたことだろう。しかし一方、
そうした事件に巻き込まれたことを“自業自得”と批判する意見もあることも知っている。

3人は普通の人間としてごく自然な感情である、隣人愛という純粋な動機に動かされて行動した。
しかし、人質になったことにより一転“行動が無責任だ!”…と、責め立てられている… 。
まさに責め立てられている…と、たろすけは感じている。
隣人愛を注ごうとした相手が同盟国である米国の攻撃対象の国であるが故に、
それは批判にとどまらず非難の域におよび、それはさながら“非国民だ!”と言わんばかりの
イジメにさえたろすけは感じてしまう。実際、3人の家族の元へは
中傷や嫌がらせの留守番電話やファックスなどが相次いだという。
ほんとうに残念なことだと思う。

さらに国民のみならず世論に対して強い影響力を持つマスコミまでもが
その論調に乗り報じている…。果ては政府関係者までもそうした意見に左右されたのか
健康診断や帰国費用の負担を求めることを決定したという。

人質のみなさんが助かったものの、その後の国内の世相を見ていて何かおかしい…
スッキリしないわだかまりみたいなものを感じていたたろすけだが、
フランス、ルモンド紙がたろすけの言いたかったことを代弁してくれた。

曰く「日本は志高い若者を誇るべき」…と述べたことだ。
「日本は人道主義に駆り立てられた若者を誇るべきなのに、政府などは
人質の無責任さをこきおろすことにきゅうきゅうとしている」…と指摘している。
費用負担請求については「この慎みのなさは制裁まで伴っている」と非難している。
米国のパウエル国務長官でさえ「危険を冒す人がいなければ社会は進歩しない」…と、
人質に慰めの言葉をかけているというのにだ。

この違いは一体なんなのだろう…。
人質になった3人のイラク行きの考えが甘かった…と言えば確かにそうだろう。
実際、結果として多くの国民に心配をかけ、日本政府を巻き込み、
多額の経費もかかったことだろう。だからと言って個人に自己責任を追求し、
救助費用までをもその一部とはいえ国から請求するなんて経済大国日本の国家として
あまりにもその度量の小ささを世界に知らしめるだけではなかろうか。

命を奪われるかも知れない危険と恐怖を経験した3人の人質の母なる国として、
あまりにも冷たく冷酷な仕打ちではないかとたろすけは思う。
そうしたことは日本国政府を、中傷の留守番電話などの嫌がらせをした連中と
同じレベルにまでに引き下げ、世界中に恥をさらすような結果にしかならないと思う。

以前、中傷や嫌がらせが相次いだとき、某識者が「憂さ晴らしをしたい人が、
いじめやすい人を狙っている。
目立つこと、自分に出来ないことへの一種のねたみだろうが、
苦しむ被害者をいじめるとは本当にひどい」…と述べていた… 
政治家のセンセイ方の中にさえそんな風潮を感じてしまうのは考えすぎだろうか。
人質だった3人だって被害者なのだから…。

まるで追いつめられた弱い立場の3人に対して、
なおも救援に要した経費の負担をどうしても強いるのなら、
それ以上の金銭を請求すべき相手は国内にゴマンといるのではなかろうか。
そうした連中には目をつむる政府のやりかたは著しく公平さを欠くものと、
良識ある人々の目に映ると思うのだが。
本当に自己責任を問われるべき無責任な人間はもっと他にいるのではなかろうか。

*お断り*
報道内容についての引用は
大分合同新聞4月21日付け朝刊F版を参考にしました。
2004 04/21 22:29 に書き込みの記事を若干手直しいたしました。

●2013.09.19 読みやすくするために開業を挿入して整理しました。
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