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ミシェル・ペトルチアーニに音楽の本質を見る

2004-09-12 14:00:19 | ジャズの話題
昨日聴いていたMichel Petrucciani(ミシェル・ペトルチアーニ、p)なんだけど、この人って大理石病(だっけ?)という、骨が硬化して成長しなくなる(だったか?)病気を持っていたんだよね。
だから36歳(だっけか?)で若くして亡くなった。
骨が成長しないって事は背も伸びない。パッと見、成長ホルモンの不全による小人症のような外見をしているけど、それとは違う病気らしい。
もちろんピアノのペダルを踏む事もできないから、補助器具のようなものを用いる。
凄いね。
こういった障害を持っていてあんな素晴らしい演奏をするっていうのは・・・・・。

それでこの人、書評やあちこちのサイトなんかでも「障害を克服して素晴らしい演奏をしている彼の努力は並々ならぬ云々」とか「障害を持っていて、死と隣り合わせだから出せる情感が云々」とかっていう書かれ方をされる事が多いんだ。
まぁ努力云々というくだりはその通りかもしれないんだけどさ、死と隣り合わせだとか障害者の悲哀なんていう賛辞はこの人に失礼、っていうか、この人の音楽に対して失礼な気がするんだよね。
この人の音楽が素晴らしいのは、この人が障害を持っているからでもなく死と隣り合わせだからでもない。演奏が素晴らしいから素晴らしいんだ!!って、なに言ってるんだ俺は(笑)。
僕はこの人の演奏を聴いて覚えた第一印象は「瑞々しい」だった。
泉のように溢れる生命力とそよ風のような清涼感に満ち満ちてた。
障害や死への諦感や悟感、悲壮感や哀感は感じなかったよ。

音楽って「その瞬間がすべて」なんだよね。
音を出した瞬間がすべて。
前後のくだりや演奏者の事情は、音楽とはまったく関係ない。
演奏者は演奏者、音楽は音楽だ。
素晴らしいのは演奏者でもなく楽器でもなく、演奏自体、音自体が素晴らしいんだ。
演奏者個人への思い入れや人間性への共感って、確かにあるさ。あるよ。
そういった「予備知識と予定調和」の聴き方も「あり」だとは思う。
でもそれは音楽そのものの本質じゃない。
Stan Getz(スタン・ゲッツ、ts)の遺作、People Timeを聴いた時、その時は僕は「この人の最後のライブ録音で、末期がんの苦痛に耐えながら演奏した」という予備知識を持って聴いたから感動しました。
でもそれは違うよね。
ガンの苦痛に耐えながらの演奏が素晴らしいんじゃない。演奏そのものが素晴らしいんだ。
「演奏者の人間性や努力が凄い」のと「演奏が素晴らしい」のを混同するのは間違い。
それは音楽の純度を損なう聴き方だと思う。
その聴き方が間違っている、と言っているのではありませんよ。念のため。

どんな事情があれ音を外せばそれはミスタッチだし、音楽としてはそれは良い事ではない。
演奏がまずければ、演奏者にどんな事情があれその演奏は名演ではない。
様々な状況や事情、影響を隔絶して、音のみによって作られる世界があるからこそ音楽は素晴らしい。
こんな言い方はしたくないけど、甘えの通る世界じゃないんだ。
音楽ってそういうものだと思いませんか?。

Petruccianiが素晴らしいのは障害を持っているからではない。素晴らしいピアニストだから素晴らしいんだ!!!(だから何を言ってるんだ俺は)。
「障害を持ったPetrucciani」ではなく「素晴らしい演奏をするPetrucciani」が僕は大好きだし、これからもずっと聴き続けると思います。

激情にまかせて熱く語ってしまった。
ハズカシー(笑)。
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6 コメント

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はじめまして (やまあき)
2005-09-18 15:14:59
TBありがとうございます。

ミシェル・ペトルチアーニ、ほんとおっしゃるとおりだと思います。病気のおかげでピアノを弾くにも難儀したと思いますが、演奏からはそれを微塵も感じさせないほど力強く生命力に満ち溢れていますよね。

ミシェル・ペトルチアーニの演奏は聴くといつも元気が出ます♪
レス (TARO)
2005-09-18 23:16:49
>やまあきさん



こんにちは。

わざわざお越しいただいてありがとうございます。

Petruccianiは、世代的には可能だったにもかかわらず、ナマで聴くチャンスがありませんでした。

生きてたら真っ先に聴きに行きたいアーティストですなぁ。



そちらのブログにも遊びに行きますね。

では。
TBありがとうございます^^ (snap_shots)
2005-09-23 09:19:25
初めまして、先ほどTBに気づきました(笑

僕もペトルチアーニの批評に関しては前々からそう思ってたんです。

病気のことが先行してしまって、音楽の中身について言及される事って少ないんですよね~。



今日は朝からスティービー・ワンダーを聴いてたんですが、この人も障害が云々・・関係なく、素敵な歌聴かせてくれますよね~。



音楽の本質を捉えた、素敵なコメントでした!
レス (TARO)
2005-09-23 14:11:38
>snap_shotsさん



こんんちは。

コメントありがとうございます。



Petruccianiにしてもそうなんですが、演奏者の事情とか努力とかって、音になってしまえば関係ないと思うんですね。

それを取り沙汰「だからすばらしい音楽だ」ってのは間違いだと思うんです。

どんなに不幸な境遇でどんなに努力した人の演奏でも、まずい演奏を良いと感じるのはおかしい。

その原点は踏まえて音楽を聴きたいなと・・・・・そんなところです。



そちらのブログにも遊びに行きますね。

ではでは。
こんばんは (grc335)
2005-10-21 00:30:23
TBありがとうございました。

私、ブログ初心者でして、これでいいのかも、、なんですがとても嬉しく思います。



ペトルチアーニについてはまったく同感です。

私は背の低い天才ピアニスト!くらいにいつも思ってて、その尽きないメロディのアイデアとピアノのさわやかな音がとても気に入ってます。

とにかく、明るく活き活きとしてて、繊細でパワフルで、まさにジャズピアニストです。

これからも聴き続けますね、間違いなく。



今後ともよろしくお願いします。

>grc335さん (TARO)
2005-10-21 00:35:19
こんにちは。

わざわざのご来訪、ありがとうございます。



Petruccianiはいいですね。

フランス人的な屈折した湿り気も、ジャズメン特有のしかつめらしさもない。

ひたすらみずみずしくて、そよ風のようなピアノを常に弾きとおしてる。

僕も大好きですよ。



そちらのブログもちょくちょく覗かせていただきますね。



ではでは。

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