ニュースは踊る

ニュース、その他に関する個人的感想です。「正しいこと」、など書きません。私は名は「三太郎」。

英霊という言葉は使えない

2006-08-03 | Weblog

僕は「英霊」という言葉をこのブログで使ったことがない。戦没者と書いている。

英霊とは書けないのである。戦史を調べれば調べるほど「英霊」などとは呼べなくなる。これは僕の気持ちの問題で(心の自由とか言う気はない)、誰にも強制はしないし、逆にどう言われても変わらない。

①なるほど、日本人戦没者は愚劣な作戦指導によって殺された。餓死した。その点では犠牲者である。被害者でもある。

②しかし、アジアの多くの人間にとっては「加害者」である。命令とはいえ、虐殺したり、収奪によって餓死させたり、傷を負わせた責任がある。虐殺については数が問題とはなる。でも多くの日本人兵士の証言があり、また実際に虐殺した人間の証言もあり、虐殺自体が行われたことは間違いない。そのアジア人の多くは、形式上は「敵」ではない。兵士ですらない。民間人である。あまりに多くの生き証人(日本人)がおり、この事実は否定しようもない。

③これは平凡だが、英霊という言葉には戦争美化の嫌な響きがある。

④お国の為に戦ってなくった人より、お国の愚かな指導で、殺されたり、餓死した人のほうがずっと多い。僕個人としてはほとんどの戦没者は「殺された」と分析している。また「お国のため」に虐殺者となった者もいる。

僕は、戦争指導責任者によって殺された、多くのアジア、日本の戦没者に同情している。

また人並み以上には戦史は調べた。そのうえで信念をもって「英霊」とは言わない。戦没者または犠牲者である。

私の個人的感覚として、「英霊」という言葉には実にいやな響きがある。僕は使わない。人が使ってもいい。その人が信念をもって「英霊」としているなら、つまり「中国への反感」とかいう別の理由で使っていないのなら、特に文句をつける筋合いではない。でも僕の感覚では「英霊」という言葉は非常に政治的かつ意図的なラベル貼りであり、愚劣な作戦で無念に死んでいった兵たちを形容する言葉としては、きわめて「不純な動機に基づく命名」である。

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2 コメント

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Unknown (わんわん)
2006-08-04 17:53:53
今日偶然このブログを発見しました。興味深いブログだなと思います。私の感覚に割と近いことが書いてあるようにも思えます。



時々楽しみに覗きにきます。
戦争遂行の方便 (o_sole_mio)
2006-08-08 23:58:05
初めまして



私も以前に英霊についての違和感を記事にしたことがあります。英霊という呼び方がいつ頃から使われるようになったか知りませんが、英霊、玉砕、散華など兵士の死を美化する、戦争遂行の方言に他ならないと思います。その考えを引きずる靖国神社を宗教法人の指定から外すものの、そのまま国立追悼施設にしようという麻生外相の考えは理解に苦しみます。



戦争責任に関する記事をTBさせて頂きます。