フェンネル氏の奇妙な生活

独身のフェンネル氏と2匹の犬と90歳のボケた母親との生活を
通して人生をユーモラスにまたペーソスに一人語りいたします。

フェンネル氏の食卓2

2006-03-28 21:54:19 | Weblog
あれぇ保存するの忘れてた?せっかく書いたのに。まぁ、いいか。また書こう。フェンネル氏の食卓は、とってもにぎやかです。もちろん、パンプと二人だけの食卓なのですけど
パンプの頭の中にはいつもお客が七人はいるのです。それで、その数だけお料理も、お皿もご飯もスウプも食卓の上に並ぶのです。食事時間になるとどこからとなくパンプがやってきてお皿をテーブルの上に置き始めます。「そこにいたの?ごはんよ」なんていいながら歌でも歌うかのようにお皿とお箸とフォークとスプーンと並べます。テーブルは四人用の古いものですからたちまちいっぱいになります「そこのひと、少し寄ってあげなさい」
と自分で割り振りまでして割とてきぱきと動きます。そこへ、フェンネル氏が今日の料理を運んできて、それぞれの皿に盛り付けていきます。今日のメニューは「おさかな、おさかな」とパンプが騒ぎ立てます。最近何を作ってもまず、「おさかな」というのです。「はい、今日は、おさかなですよ」パンプがセッチングしてフェンネル氏が盛り付けて「さぁたくさん食べて」とパンプがお客様に声かけてからにぎやかな食事がはじまるのです。後片付けは、フェンネル氏が一人でやっています。パンプの集中力は、食後まではもちません。あぁ、ヤレヤレ。

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フェンネル氏の食卓

2006-03-24 20:31:05 | Weblog
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おまわりさん

2006-03-21 23:25:29 | Weblog
ハーバーヒルの夜更け、フェンネル氏の家のドアをトントンとノックする音がします。誰だろうこんな夜更けに。寝床から起きだして玄関のドアを開けてみました。「かぁさん」
「はいはいはぁ~い」パンプが立っています。その後ろに制帽と制服を身に着けたおまわりさんが二人立っていました。「フェンネル氏ですか、こちらのおばぁちゃんですか」「はい」「向こうの道路に立ってました。少し様子がおかしかったので声をかけましたところ、余り要領を得ませんでしたので、お名前をお聞きしたらこちらだということでお連れしました」「ありがとうございます。いつ居なくなったのか、全く気づきませんでした
気をつけます。」「あぁよかった。ここじゃなかったらどうしようかと思ってました。」
と若い方のおまわりさんが言いました。「名札かなんかお付けになった方がいいと思いますよ」と今度は少し歳を取ったおまわりさんがいいました。「パンプ・フェンネル ハーバーヒル20 電話番号は、らりるれろ~」パンプは、歌うように言いながら部屋にはいって行きました。おまわりさんが帰ってからフェンネル氏は考え込みました。どうすればみんなにとっていいのだろうかと。鍵をかけるナンセンス。門を閉じる塀がない。縛る繋ぐバカみたい。だってアボとガボも放れているのに。そうだ名案!人は石垣、人は城で行こう。あのおまわりさんにパンプのことを覚えてもらおう。もう何回か捕まえられたらむこうも嫌でも覚えるでしょう。ちょっとお気楽フェンネル氏、明日になればとつぶやきながら寝室に戻っていきました。
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パンプは歌手

2006-03-21 00:13:59 | Weblog
朝早くから、フェンネル氏の家から大きな歌声が聞こえてきます。ついにパンプが歌手になったのです。ここ3日ばかし前の日パンプは、パンプにしか見えないパンプの友達に言ってました。
「やっぱり歌が一番だね」「私の歌は、最高だって」「パンちゃんがんばる」パンちゃん綺麗あぁあぁあぁはぁ~と言いながら自分の部屋へ行きカーテンからタオルからを体に巻きつけ「ウ~ン私のおしり、可愛い」とか言いながら「はいはいは~い」といつものボケの合言葉でごあいさつ。机の前に正座して背筋を伸ばしてわりと透る声でうたいはじめました。歌は一つしか知りません。それも正座して背筋を伸ばして歌わなければならない歌です。「きみがぁようはぁ~ちよにぃぁやちよにさざれぇ~・・・・・・・・・」「みんなが、誉めるぞね。ひばりより上手なと・・・パンちゃん歌手になって稼ごう!」それから朝早く起きだして森に向かって歌いだしたのです。大歌手パンプ今日も1曲歌います。「はいはいはい、えぇ~なにぃ、もう1回?そうかね そいたらやるかね」「おおの、歌手はいそがしい」フェンネル氏とアボとガボは毎朝この歌で起こされるのです。
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フェンネル氏の家の辺り

2006-03-18 22:36:31 | Weblog
フェンネル氏の住んでいるところは、海に面した小高い丘の上。小さな森の傍の静かな
場所です。ハーバーヒルって呼ばれています。家が大きいかどうか、家の敷地が広いかどうか、それは、自分の感じ方ではないでしょうか。フェンネル氏にとってこの家は、多少古びてはいますけどアボとガドとそれにパンプと一緒に暮らしていくには十分な広さがあると感じられました。外から見れば小さく見える家なんですけどね。でも、海は自分の池のように思えるし、森は、自分の庭の続きにあるように思えるんだとフェンネル氏はいつも言ってます。隣にはガーデニングがとても上手なスミレフが住んでいます。もう70に手が届く歳なんですけどとても好奇心旺盛でとっても元気なバアサンです。オット失礼、女性です。彼女のご主人がチュウカ、5歳年上の元学校の先生です。裏には、オークと言うお医者さん一家が、一段さがった前には、ハンガーという犬を飼っているマータンの家があります。ハーバーヒルここは、少し不便な田舎かも知れませんが皆にとってかけがえのないところです。フェンネル氏は、ハーバーヒルと聞くだけで、胸に熱いものがこみ上げてくるのでした。
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アボとガド

2006-03-17 23:15:06 | Weblog
フェンネル氏の家には二匹の犬がいます。ちょうどフェンネル氏と同じくらい年をとっていて同じように紳士的なアボ。誰にも媚びないというよりそっけないガド。アボは大きくガドはチビ。年は二つ違いくらいかな。アボはヨーロッパにいそうな感じの犬。ガドは日本犬の雑種。二匹はとても仲がいい。フェンネル氏との出会いはそれも春。二匹のおかぁさん犬、ギンに出会ったことに始まる。ギンはどこかで飼われていたけどどういう事情か捨て犬になってさまよってフェンネル氏の家の前の庭に倒れていたんだ。大きなお腹で。
フェンネル氏がギンを見つけて抱き上げて家の中に連れて行き介抱したのがきっかけでギンと暮らすようになってそれからアボが生まれたんだ。フェンネル氏はギンを大変可愛がっていてアボが生まれた時は飛び上がって喜んだのさ。でもガドを生んでしばらくしてギンは死んだ。フェンネル氏はいつもギンを思い出すかのようにアボとガドと並んで庭のベンチに腰をかけて空の雲を見ています。アボは頭をフェンネル氏の膝に乗せてガドは背中を寄せて。あぁあれは、遠い春のことだったけど近い春のような気がするな。ギンが走って帰ってくるようなとフェンネル氏はつぶやきました。
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始まりは春

2006-03-16 23:04:40 | Weblog
自転車の季節がやってきたとウキウキしているフェンネル氏の元へ母さんのパンプがやってきたのも春でした。確か2年前の。家の外で2匹の犬が吠えるものですから窓から顔をだすと大きな荷物を背負ってパンプがドアのところに立っていました。様子が少し変でしたけど、あまり気にせず「やぁ母ぁさん どうしたんだい。そんなとこへ立ってないで
おはいりよ」というと。「まぁ、蛇がいるのかい。ストロべりィはどうしたの」と言いながらぱたぱたと入ってきてちょこんとイスに腰掛け目は遠くを見るような眠っているようなふうに見えました。その時、電話が鳴ってフェンネル氏の姉さんのマコからでした。「もしもし、母ぁさんそっち?様子どう?ボケたみたいなの。88だしさ。ふらっと出て行っちゃった。しばらく預かってちょうだい。おねがいね」と一方的に言って電話が切れたのも春だった。あれから2年、パンプ90歳、ボケ絶好調。
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