行き着けなくても一日一歩の気構えで。たそがれおやじの覚醒。
日暮れて途遠し



これは週間金曜日2006/4/28の「肥える米国 盗られる日本」特集の論文で、非常に分かりやすく網羅的に記述されています。
論文とセットで、関岡英之氏の「奪われる日本」(文藝春秋2005.12)等の論文を中心に作成した「“米年次改革要望書”と日本の対応」という、年月、項目、内容、日本側対応、背景の詳細な表がありますがブログ化は大変なので省略しました。

尚、「肥える米国 盗られる日本」の構成は、以下の通り。
*相模原・座間住民は米軍移転を拒否する!(斉藤貴男)
*対談:米国の対日要求に迎合する日本(高杉良・関岡英之)
*ブッシュ盗賊団に貢ぐ小泉“軍曹”(霍見芳浩)
*米国による支配と「沖縄化」する日本(原田武夫)
*米「年次改革要望書」に見る日本支配計画(成澤宗男)

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成澤宗男(週間金曜日編集部)
2006/4/28(604号)

勝手に他国の内政に干渉し、自分たちが商売しやすいよう制度を変えろと厚かましくも要求しているのが、米国の「年次改革要望」だ。
これに従って日本を最終的に実質的な植民地国家にしようと動いているのが、小泉・竹中ラインにほかならない。

米国大使館のホームページで見ることができても、外務省のそれには掲載されていない不思議な日米問の公文書がある。さらに不思議なことに、この文書について竹中平蔵経済財政・郵政民営化担当大臣(当時)は2004年10月19日の衆議院予算委員会で「存じております」と答弁しながら、05年8月2日の参議院郵政民営化に関する特別委員会になってなぜか「見たこともありません」と言を翻している。
大臣の記憶違いか、意図的にウソをついているのか真相は定かではない。だが確かなのは、この文書には日本の、そして国民の運命を左右するきわめて重要な事項が記載されている――という点だ。
なのに、文書の存在について過去に大手マスコミ各紙で取り上げられた事例がほとんどないのも、不思議の一つだろう。
この文書は一般に「年次改革要望書」と呼ばれ、両国が互いに作成して毎年10月頃に送り合う。
だが問題は関岡英之氏の著書「拒否できない日本」(文春新書、04年)で初めて世の注目を集めるようになった米国からのそれだ。
そこには電気通信、情報技術、エネルギー及び医療機器・医薬品の4分野を中心に、実にこと細かく米国企業が日本で商売をやりやすくするための項目が一方的に羅列されている。郵政民営化を始め、医療・司法制度改革、商法改正といった国の根幹に関わる重要事項の「改革」なるものの多くが、左の表(省略)のようにほぼ米側の言いなりになって従ったものにすぎないという「恒常化された内政干渉」(関岡氏)の実態が、ものの見事に示されているのだ。
93年4月の宮澤首相・クリントン大統領(いずれも当時)による両国首脳会談で日米包括協議がスター卜してから翌年以降、「要望書」を交換し合うのが慣例化した。日本側のそれはが「ビザ発行・更新のスムーズ化」とか「メートル法の使用拡大」(04年度)といったおとなしい項目が大半なのとは異なり、米国側が加える圧力はケタ違いだ。
まず米側は年初に業界団体も交えて膨大な要求項目を集約し、「要望書」にまとめる。それを受けて、日本側は法律の整備に努める。だが米側の意向に添っているか否か、翌年3月に発行される米通商代表部(USTR)の「外国貿易障壁報告書」で判断され、場合によってはそこでの記述がセーフガードや緊急輸入制限措置を盛り込んだ米通商法301条の発動根拠になる。
日本側は同条を恐れて「要望書」の実現・制度化に努めるが、米国は毎年5月になると「改革」がどの程度遂行されたかを評価する「共同現状報告書」を作成して日本側に提出する。米側はこの「報告書」を元に新たな「要望書」の作成作業に入り、決して「言いっぱなし」にならないような縛りも制度化されている。
米国は相手の商慣習や歴史、法制度にお構いなく、一方的に自国の企業が日本で最大限の利潤を吸い上げるためだけの要求を実に細部にわたって押しつける。米国が主権国家間の関係とは思えないこんなやり方を続けているのは日本だけだが、それがどれだけ有害で弱体化をもたらす内容であっても、結局米国に従う自民党政府をマスコミは「グローバルスタンダードに沿ったもの」だとか「規制緩和」、「構造改革」などと持ち上げるから、国民はこうしたカラクリが見えなくなる。
その典型である郵政民営化について、03年度の「要望書」には何と書いてあったか。
「米国政府は2007年4月の郵政民営化を目標に、小泉首相が竹中経済財政・金融担当大臣に簡保、郵貯を含む郵政三事業の民営化プランを、2004年秋までに作成するよう指示したことを特筆する」
竹中大臣が自分の名前が出ているのに「見たこともありません」と答えたのは、「要望書」がカラクリを余すことなく暴露する証拠であることを知り抜いていたからかもしれない。








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