新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

迷惑な隣人

2017年09月17日 | 日記

 北朝鮮の「あの人」のことです。核開発やらミサイル打ち上げやら、まわりの国々の迷惑を考えずに自国のプライドを守ることばかり。いや、たぶん自己の保身が第一の目的なのでしょう。仮想敵国にされているのは第一がアメリカ、第二が日本のようです。国際社会の心配に耳を傾けようとしません。
 しかしもともと、国際社会の規範はだれがつくったものでしょう。アメリカ、ロシアほかいくつかの、核を早くからつくり、保有する国以外は核をもってはいけない、という決まりを作ったのは核保有国でした。かってにつくった核開発禁止の規定を国際規範に仕立て上げ、「自分たちが核をもつことは差し支えないけど、あとの国は核を作ってももってもいけない」などという屁理屈が国際社会の規範としてまかり通っています。しかもアメリカ、ロシアなど核保有国は核の数を減らそうという努力をしているようには見えません。イランや北朝鮮がそれに反発しているのには、歴史的にみて道理があります。
 むかしマケドニアのアレクサンドロス大王はペルシアを征服し、カイバル峠を越えてインドのパンジャブ地方をも自国の領土にしようとしました。そのころ盗賊を捕まえて「なぜおまえは盗賊を働くのか」と詰問したところ、「大王さまがあちこちを荒らし回るのとおなじです」と応えたといいます。さらに「大艦隊を率いていれば正義になり、小さな小舟で盗賊を働くと悪になるのですか」と大王に問い返しました。
 アメリカと北朝鮮のチキンゲームも同じようなものです。国連や国際社会を味方につけていれば正義になり、後発の弱小国が単独に行動すれば悪になります。言語学者であり平和運動家でもあるアメリカのノーム・チョムスキーは、その暴力性においてアメリカと北朝鮮の2国はなんら変わりがない、という趣旨のことを述べて、アメリカ政府に警告を発しているようです。
 では、そのように迷惑な隣人をもつ日本はどうすればよいのでしょうか。やはり国際社会と緊密に連携しながら、「あの人」を懐柔していくしか方法がないでしょう。「あの人」が人格的にまともな人であることを祈るばかりです。
参照:海賊の世界史(中公新書)





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