よむよま

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映画「海辺のリア」

2017-06-09 22:41:40 | 見る
映画「海辺のリア」を6月8日に見ました。

トンネルからこっちに向かってまっすぐ伸びている道を、キャリーケースをゴロゴロ引いて、老人が歩いてくる。
半白の乱れた髪で、パジャマの上に羽織ったコートを蹴立てるように、
なんだかプンプン怒りながら、えらい勢いで歩いてくる。
途中で癇癪を起して履き物を脱ぎ捨てて、裸足のまま、ずんずん歩いてくる。
たぶん老人ホームを抜け出して来たんだ。

という始まりで、ボケて施設に入れられた老いたスターが仲代達也。
ずっとパジャマにコート姿で裸足で海辺を歩き続ける。
失踪の連絡を受けて探しに来る、娘(原田美枝子)とその夫(阿部寛)だが、
娘は「探す必要ない!どこかで野垂れ死んでくれれば清々する」と言う。
夫はもとはスターの弟子、彼に惚れ込んで仕えていたのが、娘と結婚したために横道にそれてしまったらしい。
娘は父のめんどうなど見る気がない、財産だけ早くほしい、愛人がいる(小林薫)。
スターにはもう一人、孫のように若い娘(黒木華)がいる。
外の女にできた子で、ずっと疎まれていたようだ。

シェイクスピアの「リア王」を元に作られてるけど、
シェイクスピアより仲代リア王は生命力があって、枯れてない。
リア王は、末娘は死に、キレイに悲劇の幕切れになるが、
この映画はいのちの希望なのか、家族のつながりなのか、むしろ前途多難になりそうだ。
実際の人生はキレイな悲劇にはならないって感じ。

阿部ちゃんの役は情けない情けない男で、かわいそうで笑っちゃうぐらい。
探しに行って見つけて車に乗せ、逃げ出す、また追いかける、また逃げる、なんてやってるし。
妻には裏切られ、いや、その前に自分自身に裏切られてるのか。

小林薫の役はびっくり、セリフが一言しかなかった。

お父さんが大好きなのに報われない娘の黒木華は大奮闘。
パンフレットによると、黒木華は高峰秀子の芝居が好きと。
そういわれれば、似たタイプかもしれない。

仲代達也(84歳)は厚みがすごくて、老役者の傲慢な姿が説得力がある。
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