映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

シェル・コレクター

2017年03月06日 | 映画(さ行)
ひなびた物語かと思ったら、違った



* * * * * * * * * *

沖縄の孤島。
盲目の貝類学者(リリー・フランキー)が貝を採集しながら静かに暮らしています。
ラジオでは
「手足の先からしびれが広がっていき、やがて死に至るという奇病が蔓延している」
とのニュースが流れています。
そんなある日、一人の女性画家(寺島しのぶ)が浜辺に打ち寄せられています。
彼女はあのラジオで言っていた奇病に冒されていました。
生きる意欲を失っている彼女は、貝類学者の家にそのまま住み着いてしまいましたが、
ある時、学者の採集した貝に刺されてしまうのです。
それは猛毒を持つイモガイ。
彼女は生死の境をさまよった挙句、なんとしっかりと蘇る。
どのような作用なのか、貝の毒が病をなくしたようなのです。
すっかり健康を取り戻し、しかも以前よりまして
創作のインスピレーションを受けた彼女。
その彼女が島を出て自身の体験を言いふらしたために、
貝による病の治療を求めて、この島に人々が押し寄せるようになりますが・・・。



「艶麗劇薬ファンタジー」と、ポスターにはあるのですが、
そんなあまりにも大仰なキャッチコピーはなんだか不似合いのように思いました。
毎日貝を拾いながら孤独にくらす男。
彼は少年のときに失明し、海辺の貝殻の触感にうたれるのです。
目には見えないけれども、そのつややかで美しい螺旋の感覚に魅せられる。
それ以来、貝一筋。
今は妻とも離婚して日がな潮風に吹かれながら、海辺を歩く。
そうした孤独な男の有り様は、
もっと何か密やかな物語を予感させるのですが・・・。



何やらSFめいた話の流れになって、違和感を覚えてしまいました。
映像とストーリーのミスマッチ。
・・・としか思えないのでした。
池松壮亮くんが息子として登場したのはうれしかったけれど、
その役割も、何だかなあ・・・という感じです。

アントニー・ドーアによる著作が原作。
ムリに日本を舞台において、その風土と融合させようとしたのが
うまく行かなかった、という感じですかねえ・・・。



静かな島の上空をアメリカの軍用機が飛びます。
なんらかの環境汚染もテーマのうちとしたかったようなのですが、
それについては全くの中途半端。
名優を揃えながら、残念・・・。



シェル・コレクター [DVD]
リリー・フランキー,池松壮亮,橋本愛,寺島しのぶ
ポニーキャニオン


「シェル・コレクター」
2016年/日本・アメリカ/89分
監督:坪田義史
原作:アントニー・ドーア
出演:リリー・フランキー、寺島しのぶ、池松壮亮、橋本愛
男の孤独度★★★★☆
満足度★★☆☆☆
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