映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ひつじ村の兄弟

2016年09月14日 | 映画(は行)
寡黙で頑固なお年ごろ



* * * * * * * * * *

アイスランド辺境の小さな村。
隣同士に住む老兄弟グミー(弟)とキディ(兄)は、
似たような顔立ちと体型、似たようなセーター、独り者、そして同じく羊飼いなのですが、
なんと40年間全く口を利いたことがないという不仲。

そんなある日、キディーの羊が伝染病にかかっていることが発覚。
村全体の羊を殺処分しなければならなくなってしまいます。
しかし、この地伝来の優良な羊を守るため、
この兄弟が図らずも歩み寄り、協力しあうことになっていく・・・。



不仲でなくても、寡黙で頑固なお年ごろ(?)の二人。
どうしても伝えておかなければならないことがあるときには、犬に手紙を届けさせたりします。
どうにも意地っ張りの二人なのだけれど、
見ているとなんともいえないおかしみが湧いてきてずっと見ていたくなってしまいます。
一体なにが原因でこのようなことになってしまったのか。
作中で詳しくは触れられていませんが、
この二人の父親との確執が何かあったように伺えます。

ともあれ、双方羊が大好きで、羊が全てというところは同じ。
だからこそ。
羊を守るためなら、背に腹は代えられない。
お互いに歩み寄りもするのです。
けれど結局、二人は誰よりも互いを意識してこれまで生きてきたわけなのでしょう。
互いに触れ合うぬくもりで、この40年の氷結が解けていくようでした。



剣呑な二人の仲も、もふもふした羊達に囲まれていると、
なんだか少し癒やされていくような気がします。
それにしても伝染病、恐るべし。
殺処分だなんて、なんてイヤなことばでしょう。
しかし、家畜全体の運命を考えるとやむを得ないことでもあります。
時々ニュースなどでこのような話を聞きますが、今後はなんだか他人事ではなく思えてきそうです。



素朴でユーモアがあって、大好きな作品です。

ひつじ村の兄弟 [DVD]
シグルヅル・シグルヨンソン,テオドル・ユーリウソン,シャルロッテ・ボーヴィング,ヨーン・ベノニソン,グヅルン・シグルビョルンスドッティル
ギャガ


「ひつじ村の兄弟」
2015年/アイスランド・デンマーク/93分
監督・脚本:グリームル・ハウコーナルソン
出演:シグルヅル・シグルヨンソン、テオドル・ユーリウソン

田舎度★★★★★
頑固度★★★★☆
満足度★★★★★
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