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「ダンジョン飯 3」 九井諒子

2016年08月22日 | コミックス
絶妙なバランスで保たれる生態系

ダンジョン飯 3巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ))
九井 諒子
KADOKAWA / エンターブレイン


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地下4階は、強敵揃いの水のフィールド。
人魚、ウンディーネ、大ガエル--
水の下から急襲してくるモンスター達をライオス一行はどう倒す? 
どう食べる!? 
かつての仲間・ナマリも登場し、物語が大きく動く第3巻!


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待望の第3巻です。
前巻に引き続き、水の階層地下4階。
水の階層だけあって、魚介祭り!となっていますよ。
もう、さすがのマルシルも、モンスターを食すことにほとんど抵抗がなくなっている様子。
・・・とはいえただ一つのタブーは残しているようなのです。
それは、亜人型には手を出さないということ。
つまり人と似た形のものは食べない。
それで、「人魚」はどうなのだ、という話になったりします。
さすがに、ヒトを食べてはまずいか・・・。


それから、この地下の魔物に満ちた迷宮も、
絶妙な食物連鎖で生態系が維持されていることがわかります。
だから、むやみと殺しすぎてはいけないと、センシは言う。
食に関することなら実に博識のセンシなのですねえ。
モンスターはただヒトを倒すためにいるのではなくて、
自分たちなりの秩序の中で生きているということか。
では、そもそもこのダンジョンがどのように発生したのか?
知りたいところです。


巨大なイカ・タコの合体のような"クラーケン"は、
さぞかし食べがいのあるごちそうのように思えるのですが、
残念ながらその身はエグみがひどくて、とても食べられたものではなさそう。
しかしなんと、センシはそこに寄生していた寄生虫を蒲焼きに調理してしまう。
ゲゲゲ・・・。
恐るべし。


ところでこのライオス一行は、ライオスの妹を救い出すために
ダンジョンの旅をしているわけですが、
これまでその妹ファリンのことにはほとんど触れられていませんでした。
本巻にはようやく過去のエピソードとしてファリンが登場。
マルシルと親しかったということで、
だからこんなに頑張っているというところもやっと納得ですね。
そのマルシルも、魔力が弱まり、一時は戦線離脱か?というところまで行ったのですが、
なんとか回復できたようです。


続きが待たれます。


「ダンジョン飯 3」九井諒子 ビームコミックス
満足度★★★★☆


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