映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

サバイバルファミリー

2017年10月21日 | 映画(さ行)
あなたなら、どうする?



* * * * * * * * * *

ある日突然原因不明で電気が消滅。
あらゆる電気製品はもとより、電池さえもその力を失っているので、
交通機関、電話、ガス、水道、時計すらも使えなくなってしまいます。
そんな混乱の中を生き延びようと必死になる、ある家族の物語。


この一家は父・鈴木義之(小日向文世)、母・光恵(深津絵里)、
長男・賢司(泉澤祐希)、長女・結衣(葵わかな)の4人家族。
東京の普通のサラリーマン世帯で、マンション住まい。



早々に問題になるのは、水や食料ですね。
コンビニやスーパーでもまっさきにそれは売り切れる。
第一、レジが使えないのでソロバンで計算しているというのが悲惨。
店頭の品物がキレたらそれっきり。
車が動かないので輸送できず、品物の補充もできないのです。
カードは使えない。
現金のみというのもつらい。
テレビもラジオもない。
情報がない! 
どうしてこんなことになったのか。
いつまで続くのか、それがわからないのが一番つらいですね。
唯一の情報源は人の噂のみ。
一家は大阪方面は電気が通じているとの噂を聞き、
自転車で大阪を目指すことにします。
高速道路を自転車で走るのは気持ちいいけれど、それも最初のみ。
水も食料も尽き疲れ果てていく・・・。



ある時彼らは、このサバイバル生活を楽しんでいる一家と遭遇します。
水の入手方法とか食料の保存方法などを教えてくれます。
以前からキャンプなどでこうした生活の仕方になれているようなのです。
まるでキャンプの延長のように、にこやかで元気な家族。
その一家の父親の、なんと頼もしいこと。





その後、家族は不満が爆発して父親に向かってつい言ってしまうのです。
「偉そうなことばっかり言って、何にもできない!」と。
こんな時のリーダーシップは確かに必要ですよね。
一家を統率する強い父親像。
でも今時こんな父親って、めったにいなさそうですが・・・。

結局大阪も電気は通じておらず、一家は次に鹿児島の妻の実家を目指すことになります。
更に辛く長い旅・・・。
このサバイバルで、家族の絆が強まっていく・・・。



本作はこの家族のサバイバルの物語ですが、
私は、こんな環境に陥った人類の物語を見てみたいなあと思いました。
結局全世界で電気がストップしていたようなのです。
当面は大混乱必死ですが、でも、これはいってみれば江戸時代に戻るようなもの。
電気がなくても、立派に流通は行われ、貨幣経済が成り立って、
それなりの情報網もあった。
人々がどんなふうにして新しい社会を構築していくのか、
そういう壮大なドラマを見てみたいです。
しかし、我が身に置き換えると大変ですよ~。
北海道ではまず暖房がストップして、冬なら凍死者が出るのでは??? 
うちは灯油暖房ですが、電気がなければストーブは使えません。
今やどこでもそういう状況だと思います。
どう考えても都市部は人口が集中しすぎで、水も食料も供給しきれないと思うのです。
餓死者が出るのは必至・・・。
そして人々は地方へ、むしろ過疎地へと拡散していくのでは・・・?
いろいろと考えさせられてしまう物語ですね・・・。
そういう意味で、本作は世界中の危機を甘く見すぎている気もします。


長男は「あ、三男くんだー」と思ってみていましたが、
後で長女が葵わかなさんだったと知りました。
「おてんちゃん」だったんですね。
NHK朝ドラつながり・・・。
この時点で「おてんちゃん」は子役のところだったので、
見ているときには気づきませんでした!

サバイバルファミリー DVD
小日向文世,泉澤祐希,葵わかな,深津絵里
ポニーキャニオン


<J-COMオンデマンドにて>
「サバイバルファミリー」
2017年/日本/117分
監督・脚本:矢口史靖
出演:小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな、時任三郎、藤原紀香

危機感度★★☆☆☆
満足度★★★.5



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