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「名探偵傑作短編集 御手洗潔編」島田荘司

2017年09月08日 | 本(ミステリ)
御手洗・石岡コンビの魅力満載

名探偵傑作短篇集 御手洗潔篇 (講談社文庫)
島田 荘司
講談社


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本格ミステリの金字塔『占星術殺人事件』での登場以来、
難事件をいくつも解決し、相棒・石岡和己とともに、
愛されてきた名探偵・御手洗潔。
その選りすぐりの短篇集。
御手洗の人間的魅力に溢れた「数字錠」、「SIVAD SELIM」、
シリーズ屈指の怪事件「山高帽のイカロス」他、全5篇を収録。

* * * * * * * * * *

講談社文庫の「名探偵傑作短編集」、
この御手洗潔編と火村英生編、法月綸太郎編の3冊が同時発売です。
新本格ミステリ30周年企画とのこと。そう、
その30年前からの新本格ファンの私としては嬉しい限り。
さて、今回のこの3冊はどれも好きなのですが、
やはり一番は御手洗潔。
私、すべて一度読んでいるはずなのですが、
例によって記憶喪失していますので、改めて読むことにしました。


トップは「数字錠」。
その中で違和感を覚えたところがあって、
それは御手洗と石岡くんがコーヒーを飲んでいるのです。
あれ、この2人はコーヒーを飲まないはずだったのでは・・・
と思いながら読んでいくと、
なんと本作、2人がコーヒーを飲まなくなった原因が書かれていました!!
・・・すっかり忘れていたワ。
ちょうど、2人が横浜の馬車道で同居を始めようとしているところです。
このシリーズでは大変重要なシーン。


全部で5篇が収められているのですが、このチョイスが心憎いです。
このコンビのビギニング的この一作の後は、
「ギリシャの犬」、「山高帽のイカロス」、「IgE」と、
御手洗の奇人変人ぶりや事件の奇想天外性が余すところなく表されている3作。
全く、どうしたらこんなへんてこな事件を解く事ができるのやら・・・。
驚き呆れます。
そして最後の「SIVAD SELIM」。
そもそも題名が意味不明ですが、実はものすごい題名なのでした。
ここでは事件は起こりません。
だからミステリの範疇には入らないかもしれないのですが、
石岡くんと御手洗の大喧嘩(一方的に石岡くんが怒っているだけ?)
という珍しいシーンがあります。
そして石岡くんが大勢の前でスピーチをしなければならないという、
絶体絶命ピンチのシーン。
こっちまで緊張してハラハラしてしまいます。
このシリーズのファンなら垂涎の一作。


というわけで、ファンにはたまらない一冊となっていました!!


「名探偵傑作短編集 御手洗潔編」島田荘司 講談社文庫
満足度★★★★★

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