映画と本の『たんぽぽ館』

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忍びの国

2017年07月11日 | 映画(さ行)
忍びの国の切ない事情



* * * * * * * * * *

戦国時代、伊賀忍者と織田信雄との間に起きた天正伊賀の乱を元にしています。


伊賀一のすご腕忍者・無門(大野智)は、
ふだんは怠け者でのらくらと暮らしています。
ただ一つ怖いものは妻のお国(石原さとみ)。
時は織田信長がその勢力を拡大しているところ。
嫡男信雄(知念侑李)は、父信長に認めてもらいたくて、
伊賀攻めを計画しますが・・・。



私、原作は読みかけて初めの方で挫折したのですよね・・・。
どうも入っていけなくて。
だからまあ、映画化はありがたいです。



主人公が一見ぼんくら風というのは、「のぼうの城」と共通しています。
しかし実はかなりの凄腕。
この無門に大野智さんを充てたのは大成功ですね。
いやホント、他の人は考えられない。
いつも奥さんに叱られてしょんぼりというところも、雰囲気ピッタリ!
でも本作、伊賀と織田軍の争いと、そう単純なハナシではありません。
伊賀の里では、幾つかの部族が常に小競り合いを繰り返していて、
全く無意味な殺し合いが日常茶飯事。
売られてきた幼い子供が無理やり忍者の修行をさせられ、
挙句に内部の小競り合いで簡単に命を落としたりするのです。
ここではそれが当たり前。
そして彼らの行動原理は金銭。
織田信雄が攻めてくると聞いて、
「自分たちは戦わなければならない」と長老たちが言うのですが、
「その闘いは誰が金を出すのか」と皆は言い出す始末。
無門も例外ではありません。
しかしそんな無門を変えていくのが、お国というわけです。



ここに登場する伊賀の衆は、だからカッコイイヒーローではなくて、
かなり「人でなし」の集団。
それに嫌気が差して下山平兵衛(鈴木亮平)は、
伊賀の里から離れ、信雄側に寝返ったりもするのです。



そんな鈴木亮平さんや、
偉大な父を持ちその重圧に苦しむ息子信雄役の知念侑李くん、
それぞれに面白い役どころ、そして納得の演技で楽しませてもらいました。
実のところは重苦しいテーマながら、
そこはふんわりとユーモアでくるみ、
面白い作品になっていると思います。
大野智さんの殺陣のシーンもなかなか迫力があってステキです。


ぼーっと、何も考えていないように見えながら、
実は考えている(かも知れない)無門。
彼もまた、身寄りはなく、ここで強くなって生きていくほかなかった
という事情も見えて・・・すると、やはり単なるぼんくらではないのだろうと・・・
色々複雑そうに見える辺りが、味わいというものか。


「忍びの国」
2017年/日本/125分
監督:中村義洋
原作・脚本:和田竜
出演:大野智、石原さとみ、鈴木亮平、知念侑李、満島真之介、伊勢谷友介
殺陣の迫力度★★★★☆
シリアスとユーモアのバランス度★★★★★
満足度★★★★☆
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