映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

エイリアン4

2017年11月24日 | 映画(あ行)
ジェンダー構造の解体



* * * * * * * * * *

エイリアンシリーズ、一応これが最後ということにしましょう。
エイリアンが出てくるものは他にもあるようですが、
リプリーの系譜に連なる作品の最終ということで。
1~4すべて監督が異なっていて、
しかも、皆かなりの重鎮というところも興味深いです。


「エイリアン3」から200年後。
惑星フィオリーナで溶鉱炉に消えたリプリーですが、
エイリアンの軍事利用を企むペレス将軍率いる一派が、
残されたDNAからクローンを作り、リプリーを復活させます。
あの時、リプリーの体内にはエイリアンが宿っていたので、
リプリーはエイリアンのDNAまでもを併せ持つことになってしまう。
そしてまた、リプリーの体内にはやはりエイリアンが宿っており、
胸を切開して取り出されたエイリアンが研究室で成長していくことになります。
それは卵を生む女王エイリアンで、卵から孵った12体のエイリアンが宇宙船内で暴れまわる。
そしてこの宇宙船オリガ号は緊急事態のため、
地球へ向かい始めるのです・・・。


エイリアンのDNAを併せ持つリプリー?
これはもうすでに人間ではなくモンスターだな・・・。
しかし、ここに登場するリプリーは奇跡的に「人間」の形をしているのですが、
そうでなく、見るからにおぞましい失敗作のエイリアンとの融合体が他にいくつもある・・・
というシーンもあってゾッとさせられます。


さてさて、本作を内田樹氏はどう捉えるのか。
以下、また内田氏の受け売り。


本編のテーマは「雑種(ハイブリッド)」。
リプリーは人間と異星人のハイブリッドであり、
またここに登場するコールは人間と機械のハイブリッド。
本編ではこの辺の境界が限りなく曖昧になっている。
リプリーからはもはや「母性」は消え失せて、
ここでは女であり、男でもあって、
言ってみればジェンダー・ハイブリッドでもある。
・・・つまり、ジェンダー・フリーなんですね。
時代が、かっちりと女性を意識したフェミニズムから、
ジェンダー・フリーへと移り変わっていることが伺えます。
すべての性的種族的な檻から解き放たれた2体のハイブリッド生命体、
リプリーとコールが地球を見つめるというラストシーン。
これはつまり、ジェンダー構造が解体し、
男も女も親も子もない、来るべき共同体を指し示している。


ふーむ。
映画も時代にそって変転しているわけなんですねえ・・・。
このストーリー、リプリーの最初の登場から一体何年が経過していることになるのだろう・・・。
もういい加減にリプリーに永遠の静かな眠りを与えてほしい・・・。

エイリアン4 [DVD]
シガーニー・ウィーバー,ウィノナ・ライダー,ロン・パールマン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (FOXDP)


<J-COMオンデマンドにて>
「エイリアン4」
1997年/アメリカ/107分
監督:ジャンイ=ピエール・ジュネ
出演:シガニー・ウィーバー、ウィノナ・ライダー、ロン・パールマン、ドミニク・ピノン、ダン・ヘダヤ
ストーリー進展度★★★☆☆
満足度★★★☆☆
『映画・DVD』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 「母の遺産 新聞小説」水村美笛 | トップ | 「氷山の南」池澤夏樹 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(あ行)」カテゴリの最新記事