映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

Mommy マミー

2017年03月19日 | 映画(ま行)
憎んでも憎んでも愛が湧き出る・・・



* * * * * * * * * *

15歳スティーヴ(アントワン=オリビエ・ピロン)は、
ADHD(多動性障害)と言われており、情緒不安定。
ちょっとしたきっかけでキレて攻撃的になってしまいます。
そのシングルマザーであるダイアン(アンヌ・ドルバル)は、
息子の扱いに困り果てているのです。
小さな子供ならばまだ抑えが効く。
けれどこんなに大きくなってからでは、
他の人に対して爆発した時にはもうどうにもなりません。
そんな時、隣家のカイラ(スザンヌ・クレマン)という主婦と親しくなります。
カイラは教師なのですが、何かの精神障害で吃音の症状があり、
休職しているのです。
なぜかカイラとスティーヴは相性が良さそう。
そんなわけである日、ダイアンはカイラにスティーヴを託して
用事をたしに出かけます。
ところが、スティーヴは暴発してしまうのです。

しかしカイラは負けない。
思い切りの本音をスティーヴに浴びせかけるのです。
本音と本音でぶつかりあった二人は、何故か気持ちが通じ合っていくのでした・・・。
そしてカイラはこの母と息子に対しては言葉がスムーズに出るようになっていきます。
カイラはスティーヴの家庭教師を引き受け、
もしかしたらスティーヴは進学し、新しい道が開けるかもしれない
・・・そんな希望も芽生え始めます。
しかし・・・。



本作は、画面が縦・横1対1という変わった形なのです。
ところがごく一部だけ、フルスクリーン(16対9だそうですが)に変わるところがある。
その一つは、この3人が過ごすつかの間の穏やかで楽しい時間。
夢が広がります。
そしてもう一つは、終盤。
それは彼らが夢見た「あるかもしれない」スティーヴの人生。
ここは、「ラ・ラ・ランド」の終盤のシーンにも似ています。
明るく夢が広がるようなところだけが、広いスクリーンに映し出されます。
これもまた切ない。



結局これは母と息子の愛と憎悪の物語なのでしょう。
他人同士なら、とっくに何処かで見放している。
(結局カイラがそうであったように)。
けれど、親子、血のつながりは憎んでも憎んでもまだ奥底から愛が湧き出ている・・・。



ちなみに本作は、架空のカナダ新政権で、
「問題児を抱える親は法的手続き無しで子どもを施設に入れてよい」
という法案が可決されたという前提になっています。
だから現時点では、このような結末はあり得ないということなのでしょう。
そう、こういう問題を親子だけのものにしてはいけない
ということなんでしょうね、多分。



Mommy/マミー [DVD]
アンヌ・ドルヴァル,スザンヌ・クレマン,アントワン=オリヴィエ・ピロン
ポニーキャニオン


「Mommy マミー」
2014年/カナダ/134分
監督:グザビエ・ドラン
出演:アンヌ・ドルバル、アントワン=オリビエ・ピロン、スザンヌ・クレマン
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