映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

白い帽子の女

2017年02月21日 | 映画(さ行)
南仏のリゾート地、心がすれ違う夫婦



* * * * * * * * * *

アメリカ人小説家ローランド(ブラッド・ピット)と妻ヴァネッサ(アンジェリーナ・ジョリー・ピット)が
南フランス、海辺のリゾート地にやってきます。
村の小さなカフェに入り浸るローランド。
ほとんどホテルの部屋に閉じこもりっきりのヴァネッサ。
愛が冷めているとか、倦怠期とか、
そういうこと以上の何かの事情が二人の間にはあるようにも見えます。



そんな二人のホテルの隣室に、若い新婚のカップルが入ります。
愛に満ちて自分たちとは対局の二人。

さて、この二組のホテルの部屋を仕切る壁に
穴が開いていることにヴァネッサは気が付きます。
それはちょうど覗き見るのに良い大きさで・・・。
隣室の若い夫婦のみだらな営みを覗き見ることで、
奇妙な連帯感と高揚感に包まれていく夫婦・・・。
風変わりな夫婦のひと夏を描きます。



本作の時代設定が1970年代頃のようです。
現代でも通じるストーリーなのですが、多分、まだビデオもネットもケータイもない時代で、
することもなく時間を潰すといえば読書かカフェで呑んだくれるしかない
という状況を描きたかったのでしょうね。
もしくは、隣室を覗き見るとか・・・。
心がすれ違う夫婦。
書けない小説家。
そんなうだうだの夏でも、
あくまでも南仏の海は美しく、人々はゆったりと時を過ごすのでした・・・。
が、最後に彼らは何かをつかむのです。
新しい秋が始まるのかもしれない・・・。



さて、本作はそのストーリーを追う以上に、
ブラピとアンジーの関係をつい想像してしまうわけですね。
二人が離婚申請をするのは本作の後。
実の夫婦でこういう演技をするというのはどんな心境にあるものなのか・・・。
しかもアンジェリーナ・ジョリー監督作品じゃありませんか。
なんだか恐ろしい感じさえします・・・。
そしてこの時のアンジーは頬がげっそりとコケて痛々しいくらい。


また、私は劇場で「マリアンヌ」を見てすぐ後くらいに本作を見たのです。
本作のブラッド・ピットは髭を生やしていて、
まあ、これまでのブラピのイメージからそう離れてはいません。
ところが「マリアンヌ」のブラピの若返りようは・・・!
まあ、余計な勘ぐりをするのは止めておきましょう。


でも本作中、ローランドがヴァネッサを呼ぶ時が好きでした。
ヴァネッサを「ネッサ」と愛称で呼ぶ夫。
その呼び方に、ものすごく愛情がこもっている感じがするのです。
優しく、包み込むような呼び方・・・
ここのシーンだけ、何度も見たい。

白い帽子の女 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
ブラッド・ピット,アンジェリーナ・ジョリー・ピット,メラニー・ロラン,メルヴィル・プポー,ニエル・アレストリュプ
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン


「白い帽子の女」
2015年/アメリカ/122分
監督:アンジェリーナ・ジョリー・ピット
出演:アンジェリーナ・ジョリー・ピット、ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、メルビル・プポー、ニエル・アレストリュプ

夫婦の愛憎度★★★★☆
満足度★★★☆☆


最新の画像もっと見る

コメントを投稿