映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

エベレスト3D

2015年11月16日 | 映画(あ行)
なぜ、それでも人は山にのぼるのか



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私、自分で山登りをするわけでなく、多少高所恐怖症気味であるにもかかわらず、
山の映画は大好きなんですねー。
自分で登れないからこそ、映像や物語で楽しもう、
というところでしょうか。
だから本作も、予告編を見た時から絶対に見ようと思っていました。
そこで、エベレストのリアルな迫力を期待して3DそしてIMAXです。



1996年に起こった実話。
通常、エベレスト登山は、有志が仲間を集って行いますね。
ところがロブ・ホールは個人的に登山をしたい人それぞれから費用を徴収し
彼らの登山をサポートする。
よくある登山ツアーの最大難度版ともいうべきものです。
もちろんエベレストなので、
集まる客も、それぞれ名だたるベテラン登山家たちではあるのです。
エベレスト登山に適した時期は限られています。
だからその時も幾つもの登山隊が一斉に集まり、渋滞を起こすほど。
それでもなんとか天候に恵まれ、ロブ・ホールの隊も頂上へ達することができたのです。
ところが・・・メンバーの体調不良や道具の不備で下山が大幅に遅れ、
その上天候も急激に悪化。
恐ろしい一夜が・・・



3D&IMAXで見ると、山の中で人間はいかにもたよりなくちっぽけ。
まるでアリンコのようです。
「頂上を制覇」などと言ってもそれはたまたまの運の良さ。
そもそも人間が生存できる場所ではない、と作中でも言っていました。
ほとんど神の気まぐれで達成させてもらったようなもの。
人の心とは全く関係なく、山はあるがままにあるだけ・・・。
そうではあるのですが、それに挑む人の意志というのが時としては驚異的。
この登山隊でも、多くの犠牲者が出たわけなのですが、
なんと、テントもなし、雪に埋もれて一夜を明かし、
それでも生きていて自力で下山した方がいるのです。
信じがたい…!!
山の荘厳さ峻烈さもさることながら、
人の意志もまた果てしない…。
何やらそのような感慨に打たれてしまうのでした。



あの底知れないクレバスの上を渡り、極限の空気の薄さと寒さに耐え…。
やはり私には絶対にできそうにありません。
というかベースキャンプへ向かう吊橋のところですでにアウト!!

「エベレスト3D」
2015年/アメリカ・イギリス/121分
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:ジェイソン・クラーク、ロビン・ライト、ジョン・ホークス、キーラ・ナイトレイ、ジョシュ・ブローリン
山の迫力度★★★★☆
満足度★★★.5