映画と本の『たんぽぽ館』

映画と図書のお気楽な感想・雑感をお届けする『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何を見ましょうか?

ポスター犬 7

2012-06-03 19:00:00 | 工房『たんぽぽ』
ポスター選びの基準?




映画のチラシは、ずっと以前から、見たもの見なかったものいろいろ集めていまして、
ものすごい量になっております。
まあそれで、こんな使い道もありなのではないかと思いまして。
特別大好き、おススメの作品を選んでいるというわけでもないんですよね。
強いて言えば、チラシのデザインかな?
すっきりと、品よくデザインされているものが好きですね。

そうそう、この作品のチラシのような感じ。








ちょっと夢見がちで淡白な感じのこの青年は、
日本人ごのみだと思うなあ・・・

→(500)日のサマー
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「遠まわりする雛」 米澤穂信

2012-06-02 19:00:00 | 本(ミステリ)
そういえばミステリでした。恋愛小説のつもりで読んでしまいましたが。

遠まわりする雛 (角川文庫)
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング)


             * * * * * * * * * * 

米澤穂信の<古典部>シリーズ第4作。
ようやく私の目的の本にたどり着きました。
この本は短編集ですが、ホータローの古典部入部直後から1年を、順を追って描いています。


やらなくてもいいことなら、やらない。
やらなければいけないことなら手短に。

これが彼の生活信条ですが、
自らこの信条を破るハメになるのは、常に千反田えるのせい。
季節が移り変わりながら、それぞれのストーリーが語られていきますが、
通してみるとこれは、ホータローのえるに対しての思いの変化を描いているのです。
最初はなんだか"苦手"だった。
彼女の「わたし、気になります」の言葉に、
なぜか魅入られたようになってしまうことに、自分自身がイラついてしまう。
けれど、彼女を理解するに連れ、
ホータローの気持ちがもっと暖かいものに変わっていくんですね。
そこを、著者はありきたりな言葉で表現したりせず、
また、ホータローにも決定的なセリフを吐かせたりはしないのです。
でも、十分に感じられる。
そういうところが、なんだかいい。


古典部の男子、ホータローと里志は、自分の気持ちは否定しないけれど、
まだナニモノでもない自分が、そのことを口にするのはまだ早いと思っているようです。
「手作りチョコレート事件」にはそんな気持ちがしっかり描かれていました。
こういうオトコノコは好きです!


そして、圧巻なのは表題作でありラストでもある「遠まわりする雛」。
地元の祭事で、えるが十二単をまとい、生き雛となって町を練り歩くのです。
急な人手不足で彼女に傘をさしかけて、ついて歩くことになったホータロー。
いやはや、なんとも見物ですね。
お化粧をして、十二単で伏し目がちに歩むえるを見た時、ホータローは思うのです。


これは良くないな、と。
こういう装いは良くない。
しまった。
たぶん、なんとしても、俺はここに来るべきではなかった。



そんなことを言いながら、彼は役目柄えるの後ろ姿しか見えないことに苛立ったりもするのです。
いやあ・・・やりますね。


・・・さて、皆さん、ここまで読むとこの本は恋愛小説なのかと思うかも知れませんが、
そうではなくて、これはれっきとしたミステリです。
ちゃんとそれぞれの短編の中に謎とその答えがあるのですけれど・・・、
私はすっかり恋愛小説として読んでしまいました!!
一番ラストに二人で、進路の話をするシーンがあるのですが、
ここもなかなか良いですよ。
省エネ少年もちゃんと青春してますねえ。


それから、今作には温泉につかって湯あたりで目を回すホータロー、
などというシーンもありまして・・・。
いつもしらけムードのホータローの、
結構意外な部分を垣間見る今作、トクマルのおススメ。
けれどやはり第一作目から読むべきです。


さて、幸いなことに第五弾もすでに出ていますので、そちらもぜひ読まなければ・・・。


「遠まわりする雛」米澤穂信 角川文庫
満足度★★★★★
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007/消されたライセンス

2012-06-01 19:00:00 | 007
ライセンス返上。復讐を誓うボンド

                   * * * * * * * * * 

ティモシー・ダルトンの007二作目ですね。
CIAである友人フェリックス・ライターの結婚式に出席するため、フロリダを訪れたボンド。
冒頭では二人で協力し、麻薬王の逮捕を果たします。
結婚式には空からパラシュートで式場に舞い降りる二人。
なかなか派手なオープニングだよね。
そう。だけどこれが、このあとの大変な事件の発端となるわけだ。


その麻薬王サンチェスが脱走。
こいつがかなり残虐で、粘着質。
彼を捉えたフェリックスに報復を図るんです。
フェリックスはサメに足を食いちぎられるし、新妻は殺されてしまう・・・。
そこでボンドは、友人のかたきを打つべく立ち上がる!!
でも英国情報部は、それを許しません。
さっさと帰国して勤務につくように、と。
しかしボンドは、殺しのライセンスも返上。
全く一個人として、麻薬王の巨大組織に挑む!!


かなりシリアスで残虐なシーンも多いという、ロジャー・ムーア版とは異なるテイストとなってますね。
仕事ではなく、個人的な復讐というところは結構気に入ったな。
組織の力を借りない、というのは結構きついことなんだよね。
だけど、彼のスタンドプレイが、長年サンチェスの組織に潜伏捜査をしてきた他の組織の邪魔となってしまうというあたりも皮肉で、
ボンドとしても悩むところだ。
でも、彼は鋼鉄の意志で、やりぬく!
組織の金を奪い、その資金も麻薬も焼きつくす、凄まじい執念。
麻薬撲滅という一貫したテーマがあるし、クールなボンドがここまで自らの感情で動くというのも悪くない。
私は、気に入ったね!
だけど実は今作、世界興行成績ではシリーズ始めてベスト5入りせず、
シリーズの見直しを迫られることとなった要因の作だそうで・・・。
だから、このあとのシリーズ再開は6年後なんだよ。
ええ〜。信じられないな。
私はロジャー・ムーア版ですっかり匙を投げる寸前だったのに、
ティモシー・ダルトン版、う〜ん、というよりジョン・グレン版というべきかな、
それでまた興味を盛り返したのに。
当時は、シリアスより毎度おなじみの軽いノリの007を求めていたのかしらね〜。



あ、でも007ならではのお楽しみもちゃんとあったんだよ。
孤軍奮闘するボンドを見かねた“Q”がアメリカまで手助けに来るというあたりもよかったし、
二人のボンドガール、果たして最後にボンドが選ぶのはどちらかという興味もある。
陸・空・海を駆け巡るボンド。
いや、ほんとに面白かったけどなあ・・・。

そうそう、サンチェスの用心棒役、なんだか見たことがあると思ったら・・・
ベニチオ・デル・トロだ〜!
ベニチオ・デル・トロといえば今こそしぶーいイメージだけれど、
この若きデル・トロはカッコイイですよ〜。
カッコイイのでつい目が行って、よく見たら、なんと!・・・っていう感じだもんね。
はい。でもここではボンドの敵役なんで、非業の死を遂げます・・・。
デル・トロ下積み時代の掘り出し物でした。

興行成績と、作品の出来はあんまり関係ない、ということがよく分かる作品でした。


消されたライセンス (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]
ティモシー・ダルトン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


「007/消されたライセンス」
1989年/イギリス/133分
監督:ジョン・グレン
出演:ティモシー・ダルトン、キャリー・ローウェル、ロバート・ダビ、タリサ・ソト、ベニチオ・デル・トロ

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カウボーイ&エイリアン

2012-05-31 19:00:00 | 映画(か行)
地球生物VSエイリアン



               * * * * * * * * * 

西部劇とエイリアンの地球侵略モノの融合。
1873年アリゾナ。
空飛ぶ円盤やら宇宙人やらが実在するとしたら、
確かにそれは現代だけでなく、地球のあらゆる時代に出没していたのかも知れません。
このミスマッチは、なんだかいいですね。



荒野の中で、一人の男(ダニエル・クレイグ)が目を覚まします。
彼にはなぜか記憶がなく、腕には見慣れぬ機械の腕輪。
ふらふらと小さな町につくと、
彼はジェイク・ロネガンと言う名の凶悪犯で、お尋ね者ということがわかります。
しかし突如その町を襲う謎の飛行物体。
何しろ飛行機さえもない時代。
それは驚きますよね〜。
その飛行物体が、なぜか人々をさらっていく。
でも、ジェイクの腕輪から発した不思議な光線によって、
いくつかの飛行物体を撃墜することができました。
息子をさらわれた街の権力者ダラーハイド(ハリソン・フォード)は、
息子と他の人々を救い出すため、敵を追跡することにします。
お尋ね者の件はひとまず保留し、ジェイクも同行することに。


このダラーハイドというのが元軍人で、多くのインディアンを殺しまくった男。
残虐で強引。
なんとも嫌なヤツなんです。始めは。
しかし、さすがハリソン・フォードなんですねえ。
次第に浮かび上がってくる人間味。
そして彼の統率力が物をいいます。
このエイリアンを追う一行は、次第に仲間を増やしていきます。
町の少年や、女性、医師といったどうにも戦力になりそうもない者たちの他に、
インディアンや強盗団のならず者たちまでもが加わります。
普段は敵対していて、チームを組むなどということは考えられない彼らの一致団結、
というのがなんともユニーク。
これはもう、カウボーイ対エイリアンではなく、はっきりと人類対エイリアンという図式ですね。



今作で登場するエイリアンは、あのシガニー・ウィーバーと対決する「エイリアン」とは別種ですが、
これもまた非常に不気味。
その彼らが狙うのが“金”であるというのも、
なかなか西部劇にマッチしています。
もっとB級っぽい作品を予想していましたが、
結構シリアスで、ユニーク。
そうそう、ここにもワンちゃんが登場します。
初め、ジェイクを襲った連中の飼い犬だったようなのですが、
なぜかジェイクになついて町まで一緒に来てしまいます。
もちろん、エイリアン撃退にも同行しますよ。
あ、では人類対エイリアンじゃなくて、
地球生物対エイリアンだったのか!!


・・・そんなわけで、とても面白く拝見しました!

カウボーイ&エイリアン [DVD]
ダニエル・クレイグ,ハリソン・フォード,オリヴィア・ワイルド,サム・ロックウェル,アダム・ビーチ
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


「カウボーイ&エイリアン」
2011年/アメリカ/118分
監督:ジョン・ファブロー
出演:ダニエル・クレイブ、ハリソン・フォード、オリビア・ワイルド、サム・ロックウェル

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「クドリャフカの順番」 米澤穂信

2012-05-29 19:00:00 | 本(ミステリ)
賑々しくも、文化祭

クドリャフカの順番 (角川文庫)
米澤 穂信
角川書店(角川グループパブリッシング)


                       * * * * * * * * * 

米澤穂信の<古典部>シリーズ第3作。
神山高校は、文化系クラブの活動が盛んで、
中でも文化祭は4日間を費やして行われるという盛大なものです。
古典部シリーズの第一作「氷菓」は、
この神山高校文化祭の別名"カンヤ祭"の呼び名の由来にまつわるストーリーでした。
そして前作「愚者のエンドロール」は、
この文化祭に出展するための自主映画に関するストーリー。


さて、そして今作は、ようやくその本番。
ホータローたち古典部は文集「氷菓」を販売することにしたのですが、
なんと手違いで大量の文集が届いてしまった。
この文集の山をどうすればいいのか・・・、
とにかく一冊でも多く売りたい。
それが今回の彼らのミッションです。
・・・・おっと、これではミステリになりませんね。
ちょうどこの文化祭で、奇妙な連続盗難事件が発生するのです。
盗まれたのは、碁石、タロットカード、水鉄砲・・・?
この事件を解決し、古典部の名を売れば、文集も売れるに違いない!! 
そう目論んだ古典部が、事件の謎に挑みます。


例によって省エネ少年ホータローは、
ひたすら人気のない部室(地学講義室)で店番をしているのですが、
色々なイベントに出場して古典部のPRを図る里志、
漫画研究会と掛け持ちの摩耶花、
各方面に文集販売を依頼して歩く、える、
それぞれの行動が順に描かれています。
賑々しい文化祭の雰囲気たっぷりで、私は気に入りました!!
料理対決のイベントに挑む3人なんていうのが、すごかったですよ〜。
また、普通ではちょっと考えられない、
4階の窓から身を乗り出して大声で里志を呼ぶホータローなどというシーンも見ものです。
ひらすら店番をしていたホータローは、
まるで"わらしべ長者"のように物々交換を繰り返していくのですが、
おとぎ話のように、だんだん高価なものになって行ったりはしません。
でも最後に交換したしょうもないものが、素晴らしく役に立つ。
いやはや、よくできたストーリーです。


「クドリャフカの順番」米澤穂信 角川文庫
満足度★★★★★
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