メイラード反応の匂いにつられて鰻屋に入ってしまった。嬉しいことにネタケースに肝串が二本あった。これを焼いてもらうことに。香の物をつまんで麦焼酎の水割りをちびちび飲む。肝焼き二本を作るのに十二匹の鰻の命が犠牲になっている。 しめは白焼き。山葵醤油で食べる。舌の上でホロホロと溶けていくはかなさ。蒲焼はご飯のおかず、白焼きは酒の友。長ったらしい講釈は不要だろう。旨さが脳天に響き渡る。