硝子戸の外へ。

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グループホームの火災事故を考える。

2013-02-09 20:37:08 | 日記
同業者として色々考えさせられる事故である。

同業者であるならば批判的な意見の方が多いと思う。

でも、僕はなんだか変な心持でこのニュースを観ていた。

火災であるから必ず原因がある。また、初期消火活動やスプリンクラーの設置等火災予防に対してどのような措置がとられていたのかが問われる。

以前の僕ならばその辺りがどうなっていたのか考えていくのですが、なぜか思考はそちらには伸びないでいたのです。

以外にもぼんやりと思った事は、火災で亡くなられた方の「幸福。」

グループホームならば、家庭的で寄り添う介護が行われていたはず。それならば、この火災で亡くなったとしても、本人は意外と満足していらしたのではないかと思ったのです。でも、現実的に見て、従事者にとっては「仕事」でしかないので職員によってはかなりドライに割り切って対応しており「寄り添う介護」には遠い場合もある。この場合だとこの死は非常につらいものとなる。

しかし、入所することでしか終末期を乗り切る事が出来ない人達にとってはそれでもよいのかもしれない。

しかし、人として、なるべくならば、尊厳のある生の延長線上で死を迎える事が望まれるのではないかと思うのです。

それは、亡くなった方に家族がおり、帰る家があったなら、そこで死を迎えたほうが火災という事故で亡くなるより幸せだったのではないかと思ったからなのです。だから、もし法外な賠償責任を請求する人が出てきたならば亡くなった方の幸福を本当に考えていたのか疑問に感じると思う。

しかし、個人の幸福を考えだすと、どこにも着地点を見出す事が出来なくなる。そして誰が幸福でいなければならないのかさえぼやけてゆく。

そう考えると、介護業界は公費によって支えられているけれども、未来に向かって進むべき道を見失っているように思うのです。








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