硝子戸の外へ。

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なでしこジャパンの未来。

2016-03-08 21:19:28 | 日記
女子サッカー日本代表の五輪予選を観ていて思ったことを少しばかり述べておこうと思います。

女子サッカーは男子に比べ世代交代が難しいように思った。男子ならば、結果がすべてだけれども、女子サッカーにおいてはそれがすべてではなさそうである。和と言うか、価値観の共有というか、プレイヤーの親密度がプレイを押し上げているように感じ、澤さんが抜けてしまった日本代表は、メッシやロナウドのように個人技の跳びぬけた選手がいたとしても、勝てなかったであろうと思う。

しかし、希望もある。澤さんが残した功績は次世代に知れ渡っているし、この予選を見て「次は私が」と決意する選手も出てくるであろう。今回の予選でびっくりするほど走り続けていた中島選手や体調が万全でないにもかかわらず結果を出した岩渕選手など、洗礼されたチームに割って入れなかった選手たちが、澤さんのように時間をかけてチームを再構築してゆくのではないかと思う。

そして、介護現場でも見られるように、女性が主体の社会は、結果より結果に至る過程での、親密感と個人個人の承認の深さが共同体を形成するため、その「過程」で承認を受けられない者に対しては、辛辣な評価を下す傾向がある。それは新たな力の参加を難しくさせるばかりか、共同体としてのパフォーマンスを個人の劣化と共に衰退させることにしかならない。(老化とは生理的機能が不可逆的に減退する事であるので、パフォーマンスの低下は回避できないのである)
したがって、パフォーマンスを再び押し上げるには、強いチームの特徴でもある「仲間を信じて、(次世代を信じて)絶妙なパスを出す(丁寧に自分のポストを譲る)」しかないのではないかと思う。