たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

北岳 【南アルプス】 <その2> 2011年8月3日~4日

2011-08-17 | 南アルプスとその周辺の山



<その1>からの続きです。

 

<8/4>北岳山荘05:40 → トラバース分岐06:35/45 → 北岳山頂07:30/40 → 北岳肩の小屋08:40/50 → 草すべり分岐09:25 → 大樺沢二股10:35/45 → 広河原12:30

 

広河原12:40===(乗合タクシー)===芦安13:30

 

 

8月4日(木)

 願いが通じたのか、4日(木)朝になると昨日の雨はすっかり上がり、晴れの予報が出ています。

この日のご来光は4時55分とのこと、小屋裏でその時を待ちます。
東の空が赤く焼けてきましたが、残念ながらご来光と言えるほどの輝きではありませんでした。
それでも、雲の上に美しいシルエットを描く富士は見る者を魅了します。
秀麗な富士の姿をを拝めるだけでもラッキーです!

雲海に浮かぶ富士山




美しい富士山を楽しんだ後は小屋の朝食

朝食は二回に分かれていて 私たちは二回目(一回目は4時30分)なので5時10分からです。

できるだけ早出を心掛けているので普段は小屋の朝食は食べない私たちですが、今回は荷物を軽くするため自炊用具は持参しませんでした。
それなのに 昨日はあれほどバテバテだったわけで、 やはり歳なのか体力の限界を感じまする…トホホ

何はともあれ、小屋で温かい朝食をお腹いっぱい頂き、5時30分に出発します。

 

昨日は雨のため うまく写せなかった高山植物の数々、今日はしっかり撮るぞ!と気合だけは十分なのですが、
今度は日光が強すぎてうまくいきません

  

ヨツバシオガマ


シラネヒゴタイ


タカネコウリンカ

 

キタダケヨモギと富士山


キタダケヨモギ


園芸店で売られている朝霧草そっくりの銀色の葉をもつキタダケヨモギ、それもそのはず キタダケヨモギとアサギリソウは近縁の仲とのこと、というよりキタダケヨモギはアサギリソウの隔離された地理的亜種とも考えられているとか…どうりで似ているはずですね!
黄色の花はこれから咲くようで、ほんの少しだけ見えています。


ミヤマムラサキ



トラバース道のお花畑



イブキジャコウソウ

 

タカネツメクサ

 


斜面を覆うキンロバイはまさに圧巻でした!





4日早朝、ヘリコプターがけたたましい音を立てて山頂の周辺を旋回しており、ただならず気配を感じました。
数日前から行方不明だった男性がバットレスで発見され、遺体を収容したとの報道を下山後知りました。
あの時のヘリがそうだったようです。
ご冥福をお祈りいたします。

3000mの稜線を自在に走るまわる猿の群れ


一匹しか写ってませんが、猿の群れが勢いよく駆け下りていきました。
貴重な高山植物が咲く稜線に 猿が餌を求めて上がってきているのですね!
鹿だけでなく猿の被害も深刻なのかもしれません…


タカネナデシコ

ミヤママンネングサ

岩の隙間をはって広がるミヤママンネングサの黄色が目にも鮮やかです。



シラネヒゴタイ

 

キタダケキンポウゲ

山頂近くで見慣れないキンポウゲを発見しました。弱々しい黄色い花
これこそがキタダケキンポウゲかもと、興奮気味にカメラを向けたのですが、いかんせん風が強く ゆらゆら、
少しもじっとしていてくれません。登山者がひっきりなしに行き交う狭い登山道でのこと、じっくり向き合うこともできず心残りなショットとなりました。



ハハコヨモギ      シコタンソウ
  

タカネシオガマ     イワオウギ
  

 シラネヒゴタイとイワベンケイ        チシマギキョウ
  


クルマユリ         ミヤマオダマキ
  

ハハコヨモギ



北岳山頂、バックは仙丈ヶ岳



山頂のお地蔵様と富士山

甲斐駒ケ岳と鋸岳方面




どっしりと大きい間ノ岳と塩見岳(右)

 

ムカゴユキノシタ



シコタンソウ、背景はイワベンケイ



ハハコヨモギ、シコタンソウ、タカネシオガマの競演

 

タカネシオガマ


ヒメヨツバシオガマ


北岳のヨツバシオガマは小型で密度が濃いなぁ~と思っていたら、このように風衝地に生える矮小型をヒメヨツバシオガマと呼ぶのだそうです。

コケモモ

ミヤマシオガマ

 

ミヤマゼンコ        タカネシュロソウ
   


タカネヤハズハハコ

 

 

肩の小屋



今日はお天気が良いので小屋のスタッフも忙しそうですね。


甲斐駒ケ岳



ウサギギク

 

バイケイソウ

 

テガタチドリ        バイケイソウ
   

 

イワアカバナ      マルバダケブキ
   

トモエシオガマ     ハクサンフウロ
  

ミヤマコウゾリナ       エゾシオガマ
  

 

タカネナデシコ

ミヤマアキノキリンソウ



マルバダケブキ


右俣コースの一部ではマルバダケブキが大繁茂しています。
鹿が好まないマルバダケブキだけが生き残る、これも食害の影響なのかと考えさせられてしまいます。


シモツケ

オオカラマツ

オオカラマツ

 

タカネグンナイフウロ

ベニヒカゲ?

大樺沢二俣 
 



下山時も楽しみにしていたミヤマハナシノブが相変わらす、可憐な花を咲かせていました。


ミヤマハナシノブ

ミヤマハナシノブ

 

レイジンソウ



キヌタソウ

晴天となったこの日、大樺沢を登って来る登山者はひっきりなし、お昼近くになっても絶えることはありません。

こんな時間から登りはじめて肩の小屋、または山荘まで行けるのかしら…余計な心配をしていたら、皆さん御池小屋泊りのようでした。

融通の利かない私は御池小屋に行くのに大樺沢経由は思いつきませんでした。
なるほど…二俣からはほぼ平行移動ですから賢い選択ですね~次は私も真似しよっと!!


野呂川を渡り、花の北岳登山は終了、沢山の花たちに出会えた夢のようなひとときでした。

 

 

 

で…目的のタカネマンテマには会えたのかって??ウフフ、もちろん会えましたよ~

ほらね…

タカネマンテマ


おちょぼ口がなんともユーモラスで愛らしい。

花の盛りはうつむき加減ですが徐々に上を向き始めます。

独特のストライプ模様がキュート風船の先っぽに淡い紅紫色の花

 

花を咲かせていたのは二輪、 時季的には若干遅かったみたい…
でも、たとえ二輪でも新鮮な花を見ることができたのですから 言うことなしです!!


 

個体数が少ない貴重な花「タカネマンテマ」大切に見守りたいですね!


訪れるたびに美しい花たちが迎えてくれる花の名山 「北岳」、 きつい登りだったこともすぐに忘れてしまいます。

時期を少し変えれば見られる花も違ってくるので、いつ登っても期待を裏切られることはありません。




芦安駐車場そばの市営「金山沢温泉」で汗を流し、余韻にひたりながら帰路につきました。

 ※花の名前などに間違いがありましたらご指摘いただけると嬉しいです、よろしくお願いします。

コメント (12)    この記事についてブログを書く
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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
花が一杯ですね (えいじ)
2011-08-17 10:50:23
私も7月の海の日の前後に行きましたが、こんなに花が咲いていなかったような・・・
北岳はいろいろな花が沢山咲いていますね。
素晴らしいですね♪ (矢車草)
2011-08-17 13:39:05
fu-coさん こんにちは!

北岳のお花達はホントに素敵ですね
もう雪渓は消えていましたか?
雨の中のあの梯子は大変でしたねェ
私も一歩も足が出ないほどでした…キツイコースですよね

でもでも 素晴らしい花畑ですっかり癒されたことでしょうね
キタダケソウの季節もいいけれど
今度は夏に登りたいって思いました♪
あんなに辛くて もうしばらくは登りたくないって
思ってたけど fu-coさんの素敵な写真を見たら
私も会いに行きたくなりました

仙丈レポも拝見!
私が見逃していたお花がいっぱい(笑)
まだまだ修行が足りないですね…
仙丈は気軽に行けるのでいつかまた(^-^)
晴れて良かったですね (みかん)
2011-08-17 17:59:55
花を見るためには1泊2日だときついかも知れませんね。
せめてもう1泊すると余裕で花が楽しめますよ。
私は肩の小屋経由より、八本歯のコルより山荘を目指すことが多いですね。雪の多い6月だと、夏の季節より短時間で登れるので好きです。
何十回と歩いているコースなので、とても懐かしく拝見しました。
タカネマンテマ ()
2011-08-17 18:08:12
fu-coさんこんにちは(^_^)/

タカネマンテマにお逢い出来たのですね
遅いとは思ったのですが私も6日に登ったのですよ~。
今年はいつもの場所では2株しか見つからず他の場所で4株ほど確認。
でも咲いていたのは終わりかけの1株だけでした(T_T)

大好きなミヤマハナシノブも咲いてるし他のお花いっぱいなので十分満足でしたけどね。
肩の小屋あたりから雷が聞こえ午後はほどんど写真も撮らずに急いで下ったのに、
この日写真に収めたお花は百種類以上。
やっぱり北岳はいつ行ってもお花の種類と数には圧倒されますね。
キンロバイはちょっと遅めも、タカネビランジは良い状態で、
数日違うだけでずいぶんかわるんだななんて楽しくお写真拝見。

そして初見のお花を調べたのですが間違って調べていたのに気付きました(^^ゞ
fu-coさんのおかげでちゃんとしたお名前がわかりました。
有難うございます<m(__)m>





えいじさん (fu-co)
2011-08-17 20:37:36
えいじさん、お久しぶりです。
海の日に北岳に登られたのですね!
私はその時、仙丈にいました。
確かに、その時期はお花が少なかったように思います。
残雪の状況によっても変わるのでしょうが、キタダケソウが咲く時期や、8月の北岳が大好きです。
矢車草さん (fu-co)
2011-08-17 20:50:23
矢車草さん、こんばんは。

雪渓の最下部は二俣から30分程登ったところまで後退していましたよ!

左俣コースは、本当にきついですね~
今回は本当に疲れましたが、お花が多いので励まされながら登りました。

>あんなに辛くて もうしばらくは登りたくないって思ってたけど
全く同感です^^
本当に北岳は素敵ですよね!!

6月下旬の仙丈も素敵ですよ♪


みかんさん (fu-co)
2011-08-17 21:02:06
みかんさん、こんばんは!

お花の多いトラバース道に行くには、やはり八本歯が最適ですよね!
あの場所で丸一日でも過ごしたいと思ったほどです。
いつも急ぎ足で通過すので 見落とした植物もあると思います。

でも、今回はタカネマンテマに会えたので大満足です。

北岳は比較的入山しやすいので、ツアーを含め人も多いですね!
彩さん (fu-co)
2011-08-17 21:12:53
彩さん、こんばんは!

彩さんは今年だけで何回北岳に登っているのでしょうか?すご~い
3日のタカネビランジは雨に打たれ可哀そうでしたが、6日は状態が良かったのですね!
羨ましいです。

それに、タカネマンテマも4株も見られたとのこと、私なりに丹念に探したつもりでしたが、2株しか見つけられませんでした。
でも、それ以外にも健在であることが分かって嬉しいです。

彩さんの植物センサーに乾杯!!
タカネマンテマ (t-yam1)
2011-08-18 14:38:42
fu-coさん、こんにちは!
気を持たせますねーーー
大樺沢二股から野呂川まで登場しなかったので、あらら!と思ったら最後に登場でした。見事な演出でした。おめでとうございます。
実は3日ではちょっと遅いかなとも思ったのです。

白馬は残念ながら撤退でした。
上に登るにつれ雨と風が強くなり、頂上宿舎から杓子岳の尾根道は視界が悪く強風のため、単独行では危険と感じUターン、そのまま下山しました。
翌日の予報も悪いのは下山したあと知ったのですが、ほっとするとともに、こんな撤退も必要と思いました。

それにしても、東京は暑いですね。
t-yam1さん (fu-co)
2011-08-18 22:14:32
おかえりなさい!!

白馬方面は相変わらず強風が吹いているようですね。
私が行った11日と12日は両日ともかなりの風でしたが、前日はテントが飛ばされたりポールが折れたりするほどで、比較にならない凄まじい風だったようです。

視界が悪い時、稜線で吹かれると危険ですからt-yam1さんの撤退は正解だと思います。
でも、大雪渓を下るのもおっかないですよね!落石などは大丈夫だったでしょうか?

タカネマンテマはおっしゃるように少々時季が遅すぎましたが、何とかギリギリで間に合いホットとしています^^;

東京も明日から少しは涼しくなるようなので期待しています^^

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