たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。



礼文島 《4時間コース》 2009年6月11日(木)

2009-06-23 | 北海道の山

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昨日6月10日は、利尻山から下山後、バスで沓形港まで移動し15:30発のフェリーで礼文島に渡りました。

大きな船体に乗船客は20人ぐらいだったでしょうか?
花の時期に観光客が集中しオーバーユースが問題になっていると聞いていたので、
予想外の少なさに正直戸惑いを覚えました。
980円×20人では採算割れは必至です。
鴛泊港からの方が利用客が多いのでしょうね~、
沓形港もたくさんの人に利用してもらい便数が減らないようように願うばかりです、
活気がなくなるのは淋しいですから。





利尻山が遠くなっていきます。数時間前、あのてっぺんにいたことが信じられないほど神々しく聳えています。


写真を撮ったり船内をウロウロしているうちにもう礼文島が近くなりました。

乗船時間40分で香深港に到着しました。



さて、今夜のお宿は利尻山から下山後に電話予約した、
「民宿、なかむら」です。
香深港から徒歩一分の好立地にありながら、ピークのこの時期に空いているお宿はどんなものなのかと
内心ビクビクだったのですが、一階が「いそろく」という呑み屋で、二階が民宿となっています。
男手ひとつで両方を切り盛りする働き者のご主人が経営する、
こぢんまりとしたお宿でした。2食付で6800円は格安です。

まだ、時間も早いので散歩でもしてきたらと勧められ、桃岩まで行ってみることにしました。
ところが、途中でカメラの電池が切れてることに気付き意気消沈!
今日は早朝から利尻山に登り疲れていることもあり、
予備の電池を取りに帰る気力は持ち合わせていませんでした。
桃岩は明日以降のお楽しみにとっておくことにして引き返すことにしました。

この時は、翌日以降の晴れを信じて疑わなかったので、
無理することもないかぁ~と気楽に考えていました。
民宿に戻り、利尻山の汗をすっきり流し夕食をおいしくいただいたら、
翌朝4時30分にアラームをセットして早々に床に入りました。
明日は早朝から行動できるし、お天気がよければ“8時間コース”に挑戦することもできるのですから。



6月11日(木)雨風

<4時間コース>

夜半から降り始めた雨がまだ続いています。天気予報の雨確率は70%でしたが、
きっと回復するに違いないと信じる夫はカッパを着ずに香深発 06:15 のスコトン岬行きのバスに乗ります。
乗車時間は約一時間、バス代は1360円は少しお高めだけれど右手に海、左手に色とりどりの高山植物が登場し
「花の浮島」を実感できます。
車窓越しでもワクワク、今すぐにでもバスを降りてお花を見てみたい気分です!




スコトン岬で下車した人は8名、雨は今のところ小康状態ですが、いかんせん風が強く、
あまりの寒さにカッパを嫌っていた夫もすぐに完全防備スタイルに変身です!




スコトン岬の先端まで行き、トド島を見学したらいよいよトレッキングの始まりです!!

奥に見えるのがトド島、トド島も高山植物の宝庫だそうで不定期ですが船で渡ることが出来るようです。



「4時間コース」と「8時間コース」はいずれもスコトン岬を起点とします。
お天気が回復傾向にあれば8時間コースも歩いてみたいのですが、
この後、雨脚は収まるどころか逆に激しくなるばかり…

カメラを濡らさないように傘をさしながら撮るのですが、どうしても濡れてしまいます。



~オオハナウド~




~チシマフウロ~

利尻島も含め、一番多く見かけた花です。

~ネムロシオガマとハクサンチドリ~



~ネムロシオガマ~


ネムロシオガマはやや盛りが過ぎていましたが、あちこちに広がる群落はそれはそれは見事でした。



~ハクサンチドリ~           ~バイケイソウ~
 


~ミヤマオダマキ~

礼文島は島中にミヤマオダマキが咲き乱れています!
民家の庭先から荒地、浜辺にいたるまでそれはもう驚くほどです。
高山植物のミヤマオダマキが適応する礼文島の気候が、いかに厳しいか知らさる思いです。

腑に落ちないのは、昨夜、宿のご主人に「真冬の最低気温は何度ぐらいですか?」とお聞きしたら
「そうだね~マイナス10℃ぐらいかな…」とのお返事が返ってきました。
礼文島って意外に暖かなのですね~!
それなのに、平地でもこれだけの高山植物が咲く環境って…風の影響もあるのでしょうね~
私はマイナス30℃ぐらい下がるのかと思っていたので、少々拍子抜けでした!
礼文島の植生ってホント不思議ですね?




~センダイハギ~

「仙台萩」ではなくて「先代萩」と書きます。




~イワベンケイ~




~クサフジ~


ゴロタ岬付近では強風に加え雨脚も一層激しくなり、よろけてしまいそうな程です。
とても傘どころではありませんでした。ですから、写真は一枚もありません。
晴れていたら素晴らしい風景が広がっているはず…なのですが。。。




ゴロタ岬方面を振り返る

向かい風の中、急な階段を下りきると少し風が収まったように感じましたがそれは一時的なものでした。





穴あき貝が採れるゴロタ浜を見ながら鉄府(テップ)の集落まで歩きます。

浜辺にはエゾカンソウ、エゾイヌナズナななどが咲いていました。

 

~シロヨモギ~      




~ヨツバシオガマ~           ~ハマエンドウ~
 



~ハマエンドウ~

ハマエンドウを初めて見た時「わぁ~~レブンソウだ!!」と喜び、雨の中を撮りまくりました
全く予習が足りんです!恥ずかしい。。。


休む場所もなくただひたすら風雨と闘いながら必至で歩き、
ようやく鉄府の集落が見えてきました。
休みたいけど休めない…
たまたま一ヶ所ガレージのシャッターが上がっていたので引き込まれるように中に入って休ませていただくことにしました。
雨露をしのげることがこれほどありがたいと思ったことはありません!
菓子パンとサーモスに入った温かいお茶で一息入れました。


ここから、澄海(スカイ)岬まで行き西上泊(ニシウエドマリ)を通り浜中まで北上する全長17kmが本来の4時間コースなのですが、
この天候では展望も期待できないし、何より風雨の激しさに疲れ果ててしまいました。
と、もうひとつ、早くレブンアツモリソウに会いたいという気持ちがムクムクと湧き上がり、
私たちは急な階段を登るショートカットコースを行くことにしました。


車道に上がりテクテク歩いて、ついにレブンアツモリソウの群生地に到着しました。
ですが、そこは厳重に管理された悲しいほど味気ない場所でした。


~レブンアツモリソウ~




淡いクリーム色の個性的な蘭「レブンアツモリソウ」
植物好きなら一度は会ってみたい花のひとつです。
5月中旬から咲き始めているので、6月11日はギリギリかな?と少し心配でしたが、何とか間に合いました!!




礼文島でしか見ることができない島固有の貴重なランは、“盗掘”という卑怯な手段で次々に消えていったのだそうです。
今では、行政やボランテイアの方たちが一丸となり、
パトロールが徹底されているようですが、それでもなお盗掘の被害は完全になくなることはないそうです。
雨に打たれながら健気に咲くレブンアツモリソウ、その美しい姿は自生地にあってこそです。
誰がどのような目的で盗掘するのでしょう?
自らの手は汚さず盗掘で得た植物を高値で売買する業者、盗掘と知ってか知らずそれを購入する人…
そのいずれも処罰の対象にしてほしいと思います。
鉢植えのホテイランなどを所有すること事態が“恥”と感じるようになれば盗掘はなくなると思うのですが。

ネットで絶滅危惧種を平気で売買する業者を取り締まる手立てはないものでしょうか?
即刻、逮捕、数千万円の罰金とか…(笑)
ランに限らず山野草の取引が割りに合わない商売となるようにして欲しいものです。

あらら、、レブンアツモリソウの盗掘については、
触れないつもりでいましたが、つい熱くなってしまいました(^^ゞスミマセンです。。。


~クゲヌマラン~

最初はレブンアツモリソウの中にギンランが咲いていると思っていました。
ギンランならば何度も会ってるしと…一枚だけ撮った写真がこれです!
なんと、このランはクゲヌマラン(鵠沼蘭)だと後で知りました。
クゲヌマランはギンランの変種で、距がないなどの特徴があり、
会える機会が極めてすくないランのひとつです。
もっと、真剣に撮るべきでした。


一通り、レブンアツモリソウの散策路を周ったので浜中のバス停に向かいます。

しかし、香深行きバスの時刻までまだ1時間40分もあります。
次の停留所までボチボチ歩こうかと考えましたが、雨は止み間なく降り続くのでやはりバス停で待つことに決めました。
扉を開けたら…なんとスコトン岬でバスから降りた人全員が勢ぞろい、
ギュウギュウの中に私ら二人も加わりさらに窮屈に、
これも何かの縁とばかり話に花が咲きました。
その後、さらに一人が加わり9人で譲り合って座りました(座れるものですね~)
それぞれ花が好きで礼文島に来た方ばかりですから和気あいあいと時間が流れ、
12時5分のバスまでの時間が短く感じました。

香深に戻り、さてこれからどこに行きましょうか?
時間はたっぷりあるのですが、いかんせん天気が悪すぎます!
食事をしたりお茶を飲んだりして空とにらめっこ、そして、決断したことは、
タクシーで桃岩に行くことでした。←軟弱もの~~


桃岩展望台

ま、こんな天気ですから、又明日出直します。



下りはちゃんと香深まで歩きますよ~

下山道でお目当てのあの花に出会いルンルンで香深まで戻ってきました。





~サクラソウモドキ~

今回の礼文島で会いたいと願っていたいた花です。



言い尽くされていますが、やはり言いたい!!
こんなかわいい花に「モドキ」とは…


~ノビネチドリ~

淡い色のノビネチドリ、何かほっとけない“あどけなさ”を感じました!



普通のノビネチドリはこれくらいびっしりと花をつけていますからね!!
礼文島はハクサンチドリとノビネチドリの宝庫でした。




さて、今夜のお宿は「旅館・うきしま」です。
朝食付きで一泊6800円、夕食はありませんが、
すぐそばにおいしいお店があるので困ることはありませんしコンビニも目と鼻の先です。
はっきり言って、超ハナマルなお宿でした!
4年前にオープンした宿はとても清潔で何より心がこもった“もてなし”にわれわれ夫婦は大いに感激したものです!
というのも、濡れ鼠状態で宿にやってきたにもかかわらず温かく迎えていただき、
靴、雨具、ザックカバーなど濡れたものはボイラー室で乾かしてくださり、
おまけにこれまでに溜まった衣類も、こちらが言い出す前に
「よかったらお洗濯もどうぞ」とまさに痒いところに手が届くとはこのことです!
胸が熱くなり、言葉では言い表わせないほど嬉しく思いました。

けっして豪華な宿ではないけれど、お掃除が行き届いた清潔な宿は気持ちもほっこり、
おかみさんとお嬢さんの温かい対応にどんな感謝の言葉も見つからないほどです。
またいつの日か、礼文島に行く時は是非「旅館・うきしま」に泊まりたいと夫と何度も話ました。



4日目に続きます。


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9 コメント

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Unknown (やまそだち)
2009-06-23 20:24:28
レブンアツモリソウの大変な状況ですね。
私が行った時も自生のものはよほど探さないと見られないという事で、あきらめました。
保護区ののものはパスしてしまい、今になって見ておけば良かったと思っています。

盗掘は困ったものですが、買う方も悪い!

サクラソウモドキきれいですね、私が行ったときは花がほとんど終わっていました。
綺麗ですね。 (木曽駒)
2009-06-23 21:58:29
レブンアツモリ、本当に綺麗な花ですね。

>盗掘は困ったものですが、買う方も悪い!
本当にそう思います。
買う人がいなければ盗掘もなくなるのでは?と思います。
中国の九寨溝ではアツモリソウの盗掘者は死刑とのことです。
それくらいの強い態度で臨まないといけないのかも?
それはそれで悲しいことですけども。。。。

保護区でもいいのでレブンアツモリソウがいつまでも咲く礼文島でいてほしいです。

綺麗ですね(同じく・・・) (はなねこ)
2009-06-23 22:24:40
こんばんは~♪
fu-coさんの腕もあるのでしょうが
おなじみのお花までも、とてもいきいきしていますね。
レブンアツモリソウにも、サクラソウモドキにも会ってみたい・・・

でも、今年は東北へ
fu-coさんの追っかけをしてきますよ。

それにしても、雨風はつらいですね。


レブンアツモリソウについて (みかん)
2009-06-24 00:12:50
大変な天候でしたね。
軟弱のみかんなら、一日中宿屋かな、あはは

ところでレブンアツモリソウですが、特定国内希少野生動植物種に指定されています。

植物ではキタダケソウ、ハナシノブなど7種が指定されています。

あまり声を大にして言いたくないことなのですが、わかりやすく言うと、これらの植物は売買
してもいいよ。ということなのです。

その理由は、すでに栽培のノウハウが確立され、市場に出回っているからなのです。

特定国内希少野生動植物種とは「国内の希少な動植物のうち、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種」が指定されています。

動物は1種類も指定されておらず、植物のみ7種が指定されているのですが、中にはアマミデンダのような、一般には名前も知られていない超珍品も入っています。

いずれも絶滅が心配されている貴重な植物ばかりです。「種の保存法」と相反するような、これらが何故、と言いたくなりますが、すでに昔から園芸業界で取引されていたために、栽培を
禁止するような措置が取れず、仕方なく、といった意味合いが強いのです。

人工的に大量に培養した個体を、安い値段で流通させれば、野生からの盗掘はなくなるだろう、と考えてのことだったのですが、現実問題として、盗掘はいっこうに減っていません。

そもそも素人に栽培は極めて難しいアツモリソウ類を指定することが間違っていたのです。

礼文島のレブンアツモリソウに話しを戻すと、高山植物園で培養しているレブンアツモリソウは、年々ものすごい数の花を咲かせるようになりました。

そこで、この増えたレブンアツモリソウをどうしたらよいか、礼文島在住の島民に2007年にアンケートを行いました。

その結果、505名から回答があり、礼文島民は、その半数以上の人たちが、販売は好ましくない、と回答したのです。

人工培養したものを自然に戻すには、ウィルスの問題など非常なリスクが伴います。

現在この問題は宙に浮いた形になっています。

礼文島にしかないレブンアツモリソウ、大事にしたいと考えるのは、島民に限らず、花好きの誰もが同じことを考えていると思います。

私は特定国内希少野生動植物種の指定には、断固として反対の立場です。趣味としての栽培なんてもってのほか、絶滅危惧種は栽培禁止、市場に流通しているもの、個人の所有しているものはすべて国が買い上げ、それぞれの地域の植物園で栽培すべきです。

自然を愛でることを大切にする国民性ならば、このくらいの英断はやさしいことに思えるのですが、皆さんはどうお考えでしょうか。

fu-coさん掲示板をお借りしました。
長文大変失礼しました。

        みかんこと永田芳男

レブンアツモリソウは
やまそだちさん (fu-co)
2009-06-24 03:10:02
やまそだちさん、こんばんは!

礼文島初日はこのような天候だったので、行きたい場所までたどり着けなかったし見落としたりしたものも多かったと思います。

それでも、保護柵越しでもいいから自生のレブンアツモリソウ一刻の早く会いたいと考えていました。
植物園のようなレブンアツモリソウを目の当たりにした時は何だか悲しくなりましたが、これも仕方ないことなのでしょうね?

保護区のものはパスされたというやまそだちさん、さすが潔いですね~
木曽駒さん (fu-co)
2009-06-24 03:21:26
駒ちゃん、こんばんは!

>中国の九寨溝ではアツモリソウの盗掘者は死刑とのことです。
え、えぇ~~死刑ですか?中国はやることが徹底してますね!
盗掘の話題になるといつも感じることですが、各地で催されている「野生蘭展」などをテレビのニュースなどで見ると???と思ってしまいます。それぞれの出展者が自慢の野生蘭を展示するなんてもってのほか、マニアの競争心をあおって益々盗掘が増えるのではないかと思っていたのですが…この問題なんだか複雑で分かりづらいですね!!
はなねこさん (fu-co)
2009-06-24 03:28:05
はなねこさん、こんばんは。

>今年は東北へfu-coさんの追っかけをしてきますよ。
わぁ~~東北ですか?いいですね~
私の山友もこの週末に秋田駒に行くそうです。タカネスミレ、もう一度会いたいです!!
今週末は法事のため実家の福岡に帰るので山はお休みです。
はなねこさんの報告が楽しみです♪
みかんさん (fu-co)
2009-06-24 03:53:04
みかんさん、こんばんは!

貴重なご意見を有難うござます。

特定国内希少野生動植物種に指定されている植物の売買が許可されているとは知りませんでした。

>その理由は、すでに栽培のノウハウが確立され、市場に出回っているからなのです。
ということは、山野草店や園芸店で売られている蘭が盗掘されたものか栽培されたものなのか見分けがつかないということでしょうか?

素人にはますます分かりづらいですね(~_~;)
っていうか、悪徳業者はそれを理由にいくらでも逃げ道ができてしまそうで納得できまません!

>絶滅危惧種は栽培禁止、市場に流通しているもの、個人の所有しているものはすべて国が買い上げ、それぞれの地域の植物園で栽培すべきです。
私も同じように考えます。キタダケソウが園芸店で売られていたら興ざめです。
3000mの高嶺でこそ輝く花だと思います。

ところで、このよな貴重ご意見が訪問者が少ない「たんべぇ山」のコメント欄に埋もれてしまうのはもったいないことです。
もっと広くみなさんに知っていただくためにも「みかんの花日記」で取り上げていただけませんでしょうか?
よろしくお願いします





とても参考になります (白神仙人)
2015-05-30 20:28:11
白神山地の麓に住んでいる仙人夫婦です。7月頃に利尻登山を計画しているのですが、写真を見ると6/10頃でも十分に夏山スタイルで登ることができそうに思えるがアドバイスお願いします。秋田から車で行く予定・・・登山口にテント泊をして登る計画です。

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