田中雄二の「映画の王様」

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『コロラド』

2017-07-10 10:13:17 | 映画いろいろ
西部劇の中にPTSDを入れ込んだ異色作



ザ・シネマ、今週の「シネマ・ウエスタン」は『コロラド』だった。

南北戦争で共に北軍として戦い、戦後は故郷に戻って判事と保安官になったオウエン(グレン・フォード)とデル(ウィリアム・ホールデン)。
だが、戦中に精神を病んだオウエンは、法の名の下で次々と殺人を犯していく。
デルは何とかそれを阻止しようと試みるのだが…。

第二次大戦の終戦直後(48年)に製作され、西部劇の中に戦争後遺症(PTSD)を入れ込んだ異色作。
当時はやったニューロティック(異常心理)映画の一種で、エレン・ドルーをめぐる三角関係も描かれる。
監督はヘンリー・レビン。

ニューシネマの時代に盛んに描かれたベトナム戦争の帰還兵の心の傷にも通じるテーマが、当時こんな形で描かれていたことに驚いた。

もちろんリアルタイムでは知らないので、当時の批評を読んでみると、

『ぼくの採点表』の双葉十三郎さんは
「~面白いのはこの狙い(主人公を戦争犠牲者に仕立て、第二次大戦の影響と結びつけたところ)だけで、
個々の場面は平々凡々。展開もすこぶる平板で、ほとんど興奮をよばない。
演出が二流西部劇の感覚なので、どうにもならないのである。グレン・フォードの演技も賞められたものではなく、ホールデンも陳腐である」
と、辛辣な批評を記している。

ところが、
『キネマ旬報 アメリカ映画作品全集』の畑暉男さんは
「~監督はヘンリー・レビンで、彼の秀作のひとつ」
と記している。

映画の評価は時代によって大きく変わることがある。
ということは、映画の時評はあまり当てにならないということか…。

グレン・フォードのプロフィールは↓


ウィリアム・ホールデンのプロフィールは↓

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